葬儀場の都合で

父の葬儀は7月13日に決まった。

 

 

 

 

 

葬儀前日の7月12日は湯灌をしてもらった。

シャンプーや顔そりをしてもらい

それを見ているとき

こみ上げてきて、息苦しく感じた。

父は亡くなったのだと

もう、いないのだと涙が溢れてきた。

 

父は着替えをして納棺してもらった。

 

 

 

 

 

翌日の葬儀は

家族葬で、つつがなく終了した。

棺の中には

たくさんのお花と

好きだったパンや、団子

家族写真と愛犬の写真を入れた。

若い頃は、清酒が好きだったので

紙パックの小さいものを一つ

それからスティックコーヒー等も入れた。

 

 

 

 

 

斎場で、最後のお別れの時

おとうさん、おとうさんと呼びかけた。

胸がいっぱいになった。

収骨を待つ間、お腹がぺこぺこで

喫茶室でサンドイッチを食べた。

親戚とコーヒーを飲みながら近況を話し合った。

 

 

 

 

 

収骨を済ませ葬儀場に戻り

初七日も行ってもらったので

参列者の皆さんに精進落としの会食をしてもらい

皆さんをお見送りした後

わたしは父の遺骨と共に、自宅へ帰った。

 

 

 

 

 

白木机に遺影を飾り

仏花を飾り、ろうそく線香を立てた。

 

 

 

 

 

遺影は、少し笑っている写真を選んだ。

晩年の父はあまり笑わなかった。

怒っていることが多かった。

認知症のせいもあるけど

もともとの性格のせいもある。

怒りっぽくて自己中心的な性格。

 

 

 

 

 

だけど、わたしの従姉妹たちは

父によく可愛がってもらったと言っていた。

面白いことを言って、よく笑わせてくれたと言っていた。

父の葬儀の間、泣いている従姉妹たちを見て

わたしが知らない父の良い面もたくさんあったのだろうなと思った。

 

 

 

 

 

父は83歳だった。

3月に亡くなった母も83歳だった。

もう少し生きていてほしかった。