大学からの帰り道、いつも通りバスに乗っていたとき、突然パニック発作に襲われました。

バスは満員で、心臓はドキドキと激しく脈打ち、手足が震えて立つのも精一杯でした。

冷や汗が滝のように流れて、周りから見たらきっと変に思われていたと思います。

普段はできる限り1人席を確保するのですが、その日はそうもいかず、立ち尽くすしかありませんでした。

バスに乗っていた時間はわずか20分ほど。

それなのに、その時間が永遠に続くように感じられ、

「もしかしてこのまま死ぬんじゃないか」と何度も思いました。

友達にはこの症状のことをほとんど話していなかったので、隣に友達が座っているときに発作が起きると、必死にそれを隠していました。

でも、どんなに辛くても学校には通いました。絶対にこの症状を克服して、

楽しい学生生活を送りたい、充実した人生を送るんだと思いながら、

ソラナックスを飲んでいました。

パニック発作に悩まされることなくバスに乗れるようになったのは、発作を初めて経験してから約2年後のことです。

今では発作のことなんて全く気にせず、普通にバスや電車に乗ることができます。

ソラナックスも、もう1年以上飲んでいません。

パニック障害がある程度治ってきた今振り返ると、

この病気を克服する一番の近道は、発作に立ち向かい続けることだったと思います。

薬に頼ることも全然悪いことじゃないし、周りが何を言おうと自分のペースで進んでいけばいい。

きっと時間が経てば少しずつ良くなると信じていました。

今では、パニック障害になったことに感謝さえしています。

もしこの病気になっていなかったら、

バスに乗れることや病院に行けること、お風呂に入ることさえ「当たり前」と思っていたかもしれません。

でも、人生には「当たり前」なんてない

今この瞬間が一番幸せなんだということに気づけたからこそ、

これまでの苦労も決して無駄ではなかったと思えるんです。