明日の道の続きへ -14ページ目

明日の道の続きへ

20130320開始

日々思うことや、
閃いた物語とか、創作シナリオ、
映画などの感想を書いております。

不定期更新で
めったに写真等もない
最近のブログ事情に合わないブログですが、

気が向いたら
立ち読みしていって下さい。

『無茶な注文』

「ね、この世から消えて」
交際を申し込んだ彼女に
出された条件がコレだった。

今に思えば
最上級の断り文句だったのだろうが、
俺は必死さのあまり、
その言葉を鵜呑みにして
自殺を図った挙げ句に
マヂで死んだようだ。

だって
目の前に羽の生えた
白装束の人が微笑みを湛えながら
手を差し伸べているから、
頭上にはエンジェルリングも
律儀に浮かんでいるし。

「俺、マヂで死んだっすか?」

中性的なその人は
微笑みを崩さすに頷いている。

ん~男?女?
もし、女なら
好みの部類に入る容姿だ。

などと考えていると、
その白装束の人の表情が
拒否的に歪んだ。

「え?」
「あの、
そういうのじゃないですからね。
お仕事ですから」

はぁ……

一応謝罪しながら辺りを窺うと、
見覚えのある部屋に居るようだ。

実家の茶の間のように感じる空間。

「貴方にどう映っているか
解らないですけど、ここは前室です」

俺の気持ちを読んでか、
その人はそういった。

「私は貴方が亡くなったのを
認識させる為に来ました。
後はあの人にお任せです」

その人が手を差し伸べた方向を
半ば反射的に見ると
見馴れた容姿の
女性らしき影があった。

俺が告白した彼女だ。

「あらら、
本当に来るとは思わなかったわ」

彼女は俺に歩み寄り
引き吊っているであろう顔を
両手で優しく撫でながら

「でも、嬉しい
望み通りになってあげる。
その代わり、私の望みも叶えて」

色んな感情が
ない混ぜにフリーズしていると

彼女は徐に口付けて
そして
息を吹き込んできた。

………………

「どうしたの?起きてよ!」

我に帰った俺
目の前には
泣き出しそうな彼女の顔

「あれ?ここは?」
「何、言ってるのよ!」

倒れた状態の俺の首にしがみつく彼女。
どうやら俺は道端に倒れているらしい

「さ、お望み通りだ。
次は私の番だ」

と、耳元で囁く彼女の声
当に悪魔の囁き

背筋に冷たいものを感じた

「先ずは契りを交わそうじゃないか」

俺は彼女に起こされ、
立ち上がって
早々に立ち去ろうとしたが
腕を捕まれてしまった。

傍目からすれば
具合の悪い彼氏を支える
優しい彼女にしか見えないだろう

「嬉しくないのか?」

「……」

「後戻りは出来ない
大丈夫、望み通りだから」

またもや思考がフリーズした俺を
ホテルへと連行していく
悪魔な彼女

これから無茶な望みを
叶えなければならない俺は
絶望の中に一縷の期待を見出だしていた

それを感じてか
彼女は悪戯な笑みを俺に向けた。

「やっぱり、貴方で良かった」

彼女が俺を選んだ
望みは叶え続けられる
巧くすれば主導出来るかも……

しかし、相手が相手だ
彼女はそれをも見越しているから……

虚しい期待を膨らませながら
歩を進める俺であった。




終わり