こんにちはニコニコ


―支援員さんがくれた「戻る場所」の温かさ―】

 作業所に通っていると、
どうしても「うまくいかない日」というのがあります。

 体調が悪かったり、心がソワソワしたり、
周りのスピードに焦ってしまったり。

 そんな日は、ほんの少しのことでも、
自分が責められているように感じてしまうのです。 

 私にも、何度か “心が折れた日” があります。

 その中でも特に忘れられない出来事があります。



 ■「もう帰りたい…」そう思った日があった 

 ある作業の日、私は集中がうまく続かず、
何度も同じところでミスをしてしまいました。

 周りの利用者さんたちは淡々と作業を進めているのに、
私は自分だけが置いていかれるような気持ちになり、
手元が震えました。

 「ごめんなさい、また間違えました…」
 声を出すだけで涙が滲んでしまう。 

 その様子を見ていた支援員さんが、そっと私の横に座りました。
 焦らせるでもなく、叱るでもなく、ただ静かに、
落ち着いたトーンで言いました。

 「大丈夫。ゆっくりでいいよ。今は作業より、
あなたの気持ちの方が大事だからね。」 

 その一言で、張りつめていた心が一気に崩れ、
私は泣いてしまいました。 


 ■話を最後まで遮らず、ただ聴いてくれた 


 支援員さんは私を別室に連れていき、 
「ここなら落ち着けるよ」と静かなスペースを用意してくれました。

 「どうしてそんなに苦しくなったの?」
 そう優しく問いかけられて、
私は初めて自分の気持ちを言葉にしました。

 ・周りに迷惑をかけてる気がする 
・自分だけできないのが恥ずかしい 
・“頑張らなきゃ”と思うほど動けなくなる
 ・情けない自分が嫌になる 

 支援員さんは、一度も否定しませんでした。
 途中で割り込むことなく、うなずきながら、
 まるで私の言葉を一つひとつ
丁寧に拾い上げるように聴いてくれました。

 話し終えたあと、ゆっくりとこう言ったのです。 

 「迷惑なんて思ったこと、ないよ。苦しいのに、
ここまで来て作業をしようとしたこと自体が、すごい努力なんだよ。」その言葉に、胸が温かくなりました。 

“できたか、できなかったか” だけで自分を評価していた
私にとって、“来ただけで努力” と認めてもらえたことは、
とても大きかった。 


■その日の作業は「無理しない」という選択肢をくれた 

 そのあと支援員さんは提案してくれました。 
 「今日は作業じゃなくて、ここで休んでいいよ。
 無理して続けるより、
安心できる場所で落ち着くことの方が大切だから。」

 私は驚きました。

 “サボっているみたいで申し訳ない” とずっと思っていたからです。
 でも支援員さんは続けました。 
 
「ここはね、“頑張れない日があってもいい場所” なんだよ。」 

その言葉を聞いた瞬間、 
作業所が「働く場所」から「安心できる居場所」に
変わった気がしました。


 ■後日、さりげないフォローが心にしみた


 次に作業所へ行った日、
支援員さんは特別な言葉をかけるわけでもなく、
 普段どおりの柔らかい笑顔で言いました。 

 「おはよう。今日の体調はどう?」
 そのさりげなさが、重い鎧を脱がせてくれました。

 “昨日落ち込んだ私” ではなく、
 “今日、ここに来た私” をちゃんと見てくれている。

 作業も、私のペースに合わせてくれて、
 「無理だったら言ってね」「ここまでできたら十分だよ」と、
こまめに声をかけてくれました。 

 その一つひとつの言葉が、私の心の中で大きな支えになりました。 



  ■「支えてくれる人がいる」それが前に進む力になる 


 落ち込んだ日の支援員さんの対応は、
 “ただ優しい” というだけではなく、 
“私の気持ちを理解し、尊重する姿勢” がありました。

 ・無理に励まさない 
・否定しない 
・話を遮らない
 ・安心できる場所を用意する 
・自分を責めない言葉を選ぶ
 ・次の日も自然に接してくれる 

 その全てが、心をゆっくり、確実に回復させてくれました。
 利用者として、「失敗したらどうしよう」 
「落ち込んだら迷惑をかけるかも」 
そんな不安を抱えて過ごしている人は多いと思います。

 でも、支援員さんがそばにいてくれることで、
 “落ち込んでも戻れる場所がある”と思える。

 この安心感があるからこそ、利用者はまた前を向けるのです。 



■最後に

落ち込むことは弱さではない
 落ち込んだことを恥ずかしく思う必要はありません。

 それは「生きているからこそ感じること」で、 
ひとりで抱えるものではありません。

 あの日私を支えてくれた支援員さんのように、
 誰かがそばで支えてくれることで、人は何度でも立ち上がれます。

 そして今、私は心から思います。

 “大切なのは、落ちないことではなく、
 落ちたときにそばにいてくれる人がいること。

”その存在が、
利用者の人生にどれほど大きな力を与えてくれるのか、
 私はあの日、身をもって知りました。