登り始めて1時間も経ってなかったと思います。

初心者大丈夫なコースじゃなかったのか？

これは結構きついなって思ってて。

すごい斜面の長い階段を休みながら進んでいました。

私は歩くのが遅いので家族にはいつも先に行ってもらってたんですが、

階段を登り切って少しのところで、ちょっと酸欠かもって思い、

ものすごく暑くて、端に座り、上着を脱いで、

お茶を一口飲んだところで視界が白くなってきて、

無理だ引き返した方がいいかも…

と思ったところで意識が飛んだみたい。

女性に何か言われているのに気がついて、

その時にはもう横になっている状態で、

男性が救助隊に連絡してくれてて、

次女が「娘です」って言ってたのがわかった。

女性が「足を上げた方がいいからもちあげるね」って足をもちあげてくれたり、

頭に何か敷いてくれたりして、その間男性が電話で救助隊の方とやり取りし、

「今呼んでるから大丈夫ですよ」と、声かけしてくれたり、

女性も常になにか問いかけてくれてた。

ゆっくり呼吸してって言われて、深呼吸すると、

さらに気が遠くなる気がして、両腕がバタバタと意志に反して跳ねるので、

動かないようにしっかりしなきゃと力を入れると呼吸が浅く早くなり、

どんどん体が痺れて。

その状態を繰り返しながら、意識は朦朧としながらもちゃんとあるんだけど、

問いかけに言葉で返すことができず、

もう、本当に、すみません、申し訳ない、ありがとうございます　を

ひたすら脳内で繰り返していました。

旦那や長女、三女も戻ってきてくれて、周りの方にお礼を言ってくれてた。

救急隊を呼んでくれた男性は少しでもいいから飲んでってポカリを差し出してくれて。

旦那がちびちび飲ませてくれてたけど、横を向いた私に手際よく飲ませてくれたのを覚えてる。

救急隊の方達が到着まで周りの方々には本当にお世話になった。

目をしっかり開けられなかったので、お顔はわからない…。

ただただちゃんとお礼を言わなくちゃ言わなくちゃと思っていました。

救急のサイレンが遠くでなっているのも聞こえて、ああ、マジで大事や、

大変な迷惑をかけてほんとにごめんなさいって思いながら、

勝手にバタバタ動く腕をなんとか止めようとしてた。

そのうち首や顔も痺れてきて。

救助隊の方たちが来てくださってから少し落ち着いたものの、

しっかり目を開けていることができず、過呼吸気味なの続いて、

深呼吸をしては腕のバタバタの繰り返し。

血圧100/58と言っているのが聞こえ、

普段は130超えちゃったりする高めなので随分下がってると思った。

もう、この時点では全身痺れてて自分の状態はわけがわからなかったけど、

本当に皆さんごめんなさいありがとうございます。ただただそれだけだった。

担架に乗せされ移動する時も救助隊の方々は常に声をかけてくださって、ありがたかった。

そばにいるてくれた女性や、救急隊を呼んでくれた男性に、なんどもお礼を言ったけど、

ちゃんと声に出して言えていただろうか…。

娘たちも声をかけてくれたり、足を高く持ち上げてくれたり、

手を握ってくれたり、見せなくていい姿を見せてしまった上、

大変気を揉ませてしまった。

救助隊の皆さんに運ばれながら、

こんな標準体重越えのおばちゃんを狭い山道な急斜面を運ぶのはほんと大変だろう、

ほんとごめんなさい、申し訳ないって思いでいっぱいだった。

でも救助隊の皆さんはチームで声を掛け合いながら、

「そっち気をつけて」「こっちまだ大丈夫」「お前のほうが気をつけろ（笑）」「プライベート（？）行って」「あいつ走って行った（笑）すごいな」「20代やったか？（笑）」などと時折笑う声も聞こえ、これが私にとってはすごく助かった。

この人たちは人を運びながら、こちらに気遣いや声がけしてくれながら、

ちっとも息を切らすこともなくこんな余裕があるんだ　と罪悪感が薄くなり感謝で満ちた。

深刻な状態でやり取りされていては、辛さに輪がかかっていただろうし、

もっと落ち込んだにちがいない。

もちろん、救助隊の皆さんがこのような感じだったのは私に命の別状がないと

わかっていたからであって、これが、滑落現場だったり、

ずっと意識が戻らない方だったりした時とは状況がちがう。

とはいえ、迅速に真摯に丁寧に扱ってくれたことには変わりはないと思う。

地元の病院に運ばれた時には状態も随分よくなり、目もしっかり開けられた。

隊員の方皆さんにはお礼は言えなかったけど、

そばにいてくれた隊員のかたに、皆さんにはほんとご迷惑おかけしました

ありがとうございましたと伝えることができた。

手足の痺れだけが強く、点滴と血液検査をうけ、

回復してから帰宅することができた。

汗もかいていなく、水分はとっていたつもりだったけど、

脱水症状のような感じだったらしい。

検査の結果は数値的によくない状態やったらしい。

次女の話だと、

旦那と長女、三女は先に進んでて、私があまりにも遅く追い付かないのが気になったようで、

離れたところの私が見える位置で待っていてくれたらしい。

みていたら、座ってる私のところに女性が寄ってきて背中を支えてくれて、

そのままゆっくり後ろに倒れた？寝かせてくれた？のが見え、

周りに人が集まってくるのがわかって、慌てて戻ってきてくれたみたい。

私の覚えている限りでは「引き返した方がいい」と思ったところまでで、

気がついたらたくさん人がいた状態だった。

女性が異変に気づいてくれたおかげで、滑落することもなく

（斜面側に座り込んでいたので←この時点で正常に判断することができてなかった）、

後頭部を強打することもなく済んだ。

多くの人が心配して声をかけてくれていたことも覚えてる。

救急隊を呼んでくれた男性は今から登山するにも関わらず、

大切なポカリを差し出してくれて、三女に塩分補給にと便に入った梅干しを預けてくれていた。

どなたかが頭に敷いてくれたタオルも手元にある。

規制がかかり、登山するために来た人たちの足止めもしてしまった。

サイレンの音や、余計な足止めをされて気分を害された方も多くいると思う。

初心者が自己管理もできず山に登るなと、お叱りもあると思う。

山が好きな次女には、本当に申し訳ないことをした。楽しそうに歩いて、

「わあ〜こんなふうな木の眺めすごい！」と感動しながら歩いていたのに。

きっとこれから先、家族で山に行きたいと言いづらくなってしまうだろう…。

心配性の長女は何も言わないけど脳に疾患があるのに

腕が激しくバタバタし出すあの状態になった私をみてきっと怖かったと思う。

三女だって怖い思いをしたに違いない…。

旦那も多自分を責めているかもしれない。

助けてくれた方たち、

救助隊のみなさん、

家族、

あの山にいた多くの人に

心からのお詫びと、感謝でいっぱいです。

自分はこうやって生かされているんだなと

改めて実感しました。

本当にありがとう。

今日、多くの人から頂いた優しい思いを、

必ず返していきたいと思います。

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登山中、意識なくして倒れたその後。。。