最終話です。
別世界から送られてきたガンダム(白い悪魔)に乗り込むシュウジはシャロンの薔薇の中に眠るララァを狙うが、それを阻止しようとするマチュ。
シャアを守るために新しい世界を作り続けたララァ。しかしその世界では真のニュータイプの世は来ないと、そのララァを元の世界に送り返そうとするシャア。
シュウジはもっと、ある意味独善的な考え方をしていて、せっかくシャアを救うために何度も世界を作ってきたララァ、それをシャア自身に否定される事に耐えきれず、他の世界を巻き込んで宇宙を破綻させてしまうから、その前にララァを倒すんだ、とのこと。
斬新すぎる新解釈というより、二次創作的な発想ですよね(笑)。
元の世界でのララァとシャア、いわゆる「光る宇宙」での出来事は、シャアの死とララァの絶望で、我々の知る「光る宇宙」とは違う内容です。
でも、ここでオリジナルの声優さん、池田秀一氏と潘恵子氏を起用しているのは涙出そうなくらいの感動。
こっちの世界のシャアとシャリアはキシリアに対して攻撃開始。
キシリアも乗艦であるチベで激烈に反撃しますが、最後はシャアのガンダムのバズで散ります。
ここがまたオリジナルのオマージュで、本当に心憎い。
ひと段落ついたと思ったらシャリアがシャアに対しての攻撃開始。シャリアからみたシャアはその抱え込んだ虚無によっていずれは地球人類の粛清を企みそうだから、というのが理由。
うん、当たりです(笑)。
用意周到なシャリアは、ザビ家亡き後の世界のため、セイラさんの登極まで準備済みとの事。FGの頃とは比べなれないくらい、ものすごいヤリ手(笑)。
シャアとシャリアの戦いはNT同士の戦いとしてはガンダム史上一番かと思われるくらいに激しく凄まじいのですが、その終わりをガンダムvsジオングみたいな、ラストシューティング的な締めくくりにしたのも本当に涙モノ。
マチュとシュウジの戦いにニャアンが加わって、マチュとニャアンの関係修復も良かったし、オメガ・サイコミュであるエンディミオン・ユニットの声として古谷徹氏の起用は真夜中なのに叫びそうになるくらいの衝撃でした。
何よりキチンと12話で完結した潔さは本当に素晴らしい。
エンディングも素晴らしく、あの古いデザインのズム・シティの公王庁に、入っていくセイラさんと、あの後ろにいるのは、あれ、ランバ・ラルですよね!何と心憎いキャスティング。
それにこれ自体納得の展開です。
ドズルを討った連邦のエースが、ジオン・ダイクンの愛娘でザビ家亡き後の世界のリーダーになるって、確かに納得。
この世界のララァに会いにくるシャアと感激するララァ。もらい泣きしそうになりました。
が、まあ、感動ばかりでもなく、いまさら、カネバンの連中出されても、何にも思わなかったですね(笑)。
正直、この話数で、これほどの話を作るんだったら、前半のクランバトルって要らなくないですか(笑)?
下手にエヴァっぽい演出やデザインも要らないし。
最後、セイラさんが出てきたのは良いのですが、キシリア派の筆頭で、ジオンに勝利をもたらしたマ・クベとかの抵抗ってどうだったのかなぁとかも思わないでもないですよね?
なんかキチンと設定して、作り込んだ上で、話を練り上げたというよりも、ぶっつけ本番で、勢いで突っ走りました!的な印象を強く受けました。
なので、確かにこの上なく面白くはあったけど、話数がもっと長かったら、きっとボロボロだったんではないかなぁとも思います。
で、何よりも強く思ったのは、
こういう言い方は、不愉快な思われる方も多いと思うのですが、
作り方が非常に卑怯だと思いました。
自分達の作った「エヴァ」っぽい演出を所々に散りばめて、それらしい台詞回しを多用しつつ、「ガンダム」シリーズの人物やBGM、モビルスーツを効果的に使いまわした挙句、最後のキメ所はやはり池田・潘・古谷のオリジナルキャスト。
時代の流れと共に、新キャストをようやく受け入れた我々や、強いキャラ色を知りながらもそれでもキャスティングを受け入れた声優さん達に冷水をぶちまけるような失礼さではあるよなぁとは思います。
もちろん、自分も古くからのガノタなので、感動・感激もしてますが(笑)。
あとはどうしても滲み出てくるエヴァ臭さ。
台詞回しがエヴァっぽすぎるし、解明されない謎を散りばめすぎて、よく分からなさでつないで行くストーリーも正直飽きました。
というか、あれはエヴァだから観れたんであって、ガンダムでやられるとものすごい違和感を感じ、なぜか少し腹が立ったりもしました(笑)。
何度か見返して思ったのは、やっぱり旧いガンダム、FGやΖやCCAを知っているから楽しめたんだと思います。GQuuuuuuXオリジナルの要素であるクランバトルや、マチュとかのキャラクター達よりは、やはり『我々の知ってるガンダムのifストーリーである』というのが一番大きな要素であって、そういう点では、他の「富野監督以外による宇宙世紀作品」と一括りにしてしまえるような、富野作品の偉大さを最大限に活かした二次創作に過ぎないのかなぁ、というのが辛口だけど、正直な私の感想です。
でも、円盤でたらきっと買います(笑)。