再生スイッチをおそるおそる押した。
頭のてっぺんから足の爪先まで一気に駆け抜けた
!
耳に飛び込んだ力強いドラムの音、
そしてあの人の
何もかもを蹴散らすような鮮やかな声、
懐かしくまた死ぬほどくり返し聴いた旋律、
私に力を授けてくれた、いつもどんな時も。
いつからか?いつのまにか
頭の中に灰色のもやが忍び込み
あっという間にコンクリートの壁のように
四方八方取り囲まれた
頭の中をただ通り過ぎる無能な知識
かさついてボロボロ剥がれた膜
乾ききった心の膚がさらに砂風に晒されて
こんな日々に追い詰められて
とうとう一歩先を踏み出してしまいそうな夜。
今改めて思う
この人にいつもおぶさりすがりつき
過去最低に消えていきそうな心も引っ張り上げてもらった
この恩をどう返そうか?
あなただって想像もつかないくらいの壁を乗り越えてきたのにね?
だから決めた
本当に誓うよ けして負けないと
あなたを好きな自分は間違ってないと
私であったから、この自分であったから
響いたの 曲も歌も声もすべて
それをあなたが生きている限り証明する
あなたがいなくなっても胸に掲げて生きてくよ
私はあなたを好きになった自分を
ずっと誇りに思って生き抜くよ