光文社から出ている

「目の見えない人は世界をどうみているのか」

著者 伊藤亜紗

やっと読めました。いやぁーー面白かったですキラキラ

生物学を目指したきっかけや生物の時間軸の違いからはじまって、「見えない人が世界をどんなふうに認識しているか」というテーマを色々な角度から分析しています。

 

外を歩くにしてもモチロン違いがあって・・

「見える人」は見える範囲で自分の歩いている場所を把握している。「見えない人」はもっと遠くから俯瞰的に立体的に自分の歩いている場所を把握している(ジオラマが頭に描かれていて上から眺めてるという事ですかね?)との事。出だしから面白い例だなと思いました。

 

他にも太陽の塔を例にして「見える人」は正面のインパクトが強くて背面は死角になりがちだけど「見えない人」は死角自体が無くて模型等で手の出ている位置や太さまで把握している。月も「見える人」は2次元の丸い月だけど「見えない人」は球体で捉えている。との事。見えるからこそ死角があって見えないからこそ死角が無い。そこからくる発想の違いも成程なぁと思う事ばかりでした。他にも感覚や運動や言葉や接し方の違いがとても興味深かったです。

 

何よりも著者である伊藤亜紗さんの

「数字ではなく言葉によって、想像力を働かせること。そして想像の中だけかもしれないけれど、視覚を使わない体に変身して生きてみること。それが本書の目的です。」P23

という強い気持ちが本文やインタビューの在り方にも出ていましたし、生物学の意義を感じることができました。

 

「知ることは変身することであるという確信」P22

「自分と異なる体を持った存在への想像力を啓発する」P24

 

これって生物学的だけじゃなく日常生活を送る上でとても大切だなと思います。人間として生きる以上他者との関わりは必須。他者を理解しようとする気持ちや知識を広げる事で自分自身の視野が広がって自由になれたり他者や自分を守れたりする。

 

「想像力」や「好奇心」ってすごい力を発揮するなぁーーー!飛び出すハート