昨日、
久しぶりに例の男と会った。
二度と会わないつもりだったが、
お母さんの月命日にお線香をあげに来たのだ、
恐ろしい男だ。
昔は、
何も覚えようとしない男だったのに、
彼女じゃなくなったとたん、
優しくなる、
物覚えがよくなるのか、
昔は、
つき合った記念日、あたしの誕生日は、
まったく覚える気ゼロだった男なのに、
別れたとたんに、
変わるとは。。。。
でも、少し、嬉しかった。
誰かに何かを、
覚えていていてくれる、っていうのは、
凄く嬉しいことなのだ。
やく考えたら、
彼にはそこまでやってもらう義務はないのだ。
婚約をしたわけでもなく、
結婚をしたわけでもない。
昔はそんな優しい彼のことが好きだった。
でも、いつのころか、
そんな彼の優しさが分かっていたのに、
当たり前になっていたのかもしれない。
人間は慣れるという、便利な機能がついているのに、
あたしは悪いスイッチを押してしまったらしい。
そして、
あたしの方が、変わってしまっていたのだ、
虚しくなってしまった。
この前まで、
死んでほしいと思っていた彼の言葉が、
今日はすんなり耳に聞こえてくる。