前回からの続きです。




水戸から東京まで一般道で引き返すことになったものの、大渋滞でなかなか前に進まなかったのです。


通常であれば約2時間に一回ほどのペースでお手洗い休憩をとるのですが、次の休憩場所がいつ見つかるかも分からない状況でした。


あらかじめお客様にも説明はしていましたので

飲食は控えている方がほとんどでしたが、3時間ほど経ったところで声が上がりました。



「お手洗いに行きたい」



渋滞中、一番聞きたくない言葉です。

でも生理現象なので仕方ありません。


地図を見ても近くに公園や休憩施設は見当たらず…結局、道路沿いの雑木林で済ませてもらうことになりました。


声を上げたのは一人でしたが、ほとんどのお客様がバスを降りて行きました。

女性のお客さまには本当に申し訳なかったのですが、それでもここで済ませてもうほかありませんでした。


その後も3時間に一回ほどのペースで、トイレ無きトイレで用を済ませていただきながら少しづつ渋滞している道を進んで行きました。


気づくとあたりは真っ暗になり、お客さまも疲れて眠る方が多くなりました。車内のテレビは音を消して地震のニュースを流したまま消灯することにしました。



当時、日帰り予定のツアーだったのでドライバーさんは一人。とにかく眠くならないように話しかけ続けて朝を迎えました。





遠くに、まだ開業前だった東京スカイツリーが見えて来た時、とてもホッとしたのを覚えています。


結局、解散場所の錦糸町駅に到着したのは

ツアー出発日の翌朝9時過ぎでした。




今思い出しても、大変なツアーだったと思います。それでも怪我人なく全員無事に帰ってくることが出来たのは幸いなことだったはずです。





今年も桜前線の便りが聞こえてきましたね…

一日も早く、みんなが安心して旅行できる日が来ることを心より願っています。