1. 現状
a) Web・テレビ等のコマーシャルだけでは、顧客層の恒常的拡大や、継続客の確保が困難である。その背景には、情報の氾濫がある。
b) DMや電子メール配信もそのままゴミ箱へ捨てられている可能性が高い。また、DMは費用が高い。その背景には、情報の氾濫がある。また、DMの場合は家族による遮断も存在する。
c) BtoC企業は、コールセンターインバウンド(受電)業務を専門会社に委託しているが、委託先のレベルがばらばらで、どの専門会社に委託するか迷ってしまう。 但し、その分野は、応接マニュアルとシステムさえ充実すれば、ある程度レベルを上げることは容易である。
d) 顧客を囲い込み契約の継続率を向上させるには、インバウンド業務の充実に加えて、これと連携したアウトバウンド(架電営業)業務が重要であるが、この分野はインバウンド業務に比較して未成熟な業務分野である。この業務を外部委託して、短期的に売上げは増加したが、中長期的に顧客離れが進んだという経験の企業は多いはずである。その理由は、その管理手法に、ノルマとインセンティブを採用している企業が大半だからである。それを継続している限り、アウトバウンドを外部委託している企業は、その契約更新を減少し続けるでしょう。
e) CRMに関する解析ソフトを導入しつつある企業が多いが、業態を熟知している人材が開発に関わっていないと、膨大な費用が無駄になる。ある一部上場企業のクレジットカード部門で8年ほど前にそのシステムを導入したが、全く効果を出せずに終わっている。むしろ、同じ会社で、現場のリーダーがExcelを使用して傾向値分析しマーケティングに結び付けた方が、大幅なコストダウンと売上げ増加に貢献している。この差は、業態の熟知度・感性・顧客意見やコミュニケーターの集約などに基づき、『勘』で判断することが現在のシステムでは出来ないからである。
※『勘』と分析ツールの事に関しては、大前研一の『企業参謀』・『続企業参謀』参照してください。古い著書ですが真理は時間に関係なく真理です。
2. 結論
a)Web・DM・電子メールに加えて、アウトバウンドテレマーケティングを活用することが、売上げ増加に結び付く。また、どのタイミングで行うかも重要である。
b)インバウンド業務は専門会社にある程度の範囲なら外部委託してもよいが、会社の信用を維持向上させたいのであれば、アウトバウンド業務は自社で行うべきである。また、アウトバウンド業務受託専門会社はこの分野で生き残ろうとするなら、ノルマ・インセンティブの管理手法は捨て去るべきである。
c)企業に資金的余裕があるならば、アウトバウンドとインバウンドの業務を自社で行うことがベストである。この2つは守りと攻めでその性格は相違するが、その2つの間で人材交流させることにより、社員の能力開発と顧客ニーズの掘り起こしに貢献するからである。
d)顧客数が5万人以下の企業には、CRMに関する解析システムは不要である。Excel・Accessを活用すれば十分である。また、顧客数5万人を超える企業でもCRMに関する解析システムは不要である。ホストコンピューターから、必要なデータを抽出できるシステムと、Excel・Access程度の分析ツールがあれば十分である。但し、最も重要なことは、その分析が行える人材の確保と育成である。システムに億単位の費用をかけるより、人材確保に予算を使用した方が確実に成果を出せます。
以上