夜風に吹かれながら
団地の周りを一周する
半年前まで
10分すら持たなかった息は
走るほどに心地よくなる
1ヶ月前まで
1時間を走ることに対して
覚悟と気合いが必要だったのが
1時間を過ぎてからが
もっと気持ちいい
地面からからだを浮かせることが億劫で
自分で前に前に押し出していかなければいけない抗力に
時間の経過とともにうんざりしそうになった
走るって 地面を蹴ることだなと
ようやく思えるようになった今では
あっという間に時間が過ぎ去る
あっという間に距離が過ぎ去る
立ち込める雲の影から
黄色い月が顔を覗かせた
ちょっとしたことで体って変わるもんだ
私って変われるもんだ
もう一周
このまま走ってしまおう
雲間の月を眺めながら