ときどきふっと、真暗やみに明るいライトが点くように

心の中がすっきりすることがある。


さっきまで立ちこめていた重く薄暗い雲もどこへいってしまったのか

悪い熱がすべて抜けた風邪の翌朝のよう

体もいくらか軽くなったように感じる。


いままでと違う自分になって

これまでとは全く新しい毎日をはじめることなんて

とても簡単なんだと、すとんと納得して

何出来そうな気になる。


何を悩んでいたのだろう?

何を焦っていたのだろう?

何がひっかかっていたのだろう?


やってみたいこと、なってみたい私はいくらでも思い描けた。


どれもこれも楽しさに満ちているように思えた。


すべてを失い手元にたいして残ってなくとも

だからなんだと笑ってかまえていられそうな

あくまで空想ではあるけれど

でもそんな心の軽さが気持ち良かった。


所詮5年後10年後はおろか、半年後に何をしているかすらもわからないのだから。