寒さが少し緩んだ昨日
夜の部にお邪魔してきました。
2月は地口行燈が飾られる月です。
川柳やらパロディやらで面白おかしく
作られた行燈のことなんですが
お稲荷さんの鳥居の奥に
もう一つ大きな行燈がありまして…
見えますかね?
"二胡を弾いている阿古屋キツネ"
夜の部の演目の"壇浦兜軍記"からです。
***
一、壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)
阿古屋
【あらすじ】
平家滅亡後の世。平家の武将悪七兵衛景清の行方詮議のために引き出されたのは、景清の愛人、遊君阿古屋。景清の所在を知らないという阿古屋に対し、岩永左衛門は拷問にかけようとしますが、詮議の指揮を執る秩父庄司重忠が用意させたのは、琴、三味線、胡弓。言葉に偽りがあれば音色が乱れるはずだと、3曲の演奏を命じられた阿古屋は…。(公式HPより)
初 阿古屋でした。
いやー見られて良かった。
牡丹に平家を表す蝶の打掛と
全面孔雀の俎板帯は
八千代座の展示で拝見してましたが
玉三郎さんが実際にお召しの姿
何より琴、三味線、二胡の
実演奏が聴けて嬉しかったー。
しかし、あの抱俎板帯の紐を
緩めたり締めたりしてるとは驚き。
そりゃそうですわ。
あの大きな帯で楽器を演奏するんだもの。
琴なんて前屈みだから
少し動いてくれないとだし
反対に二胡や三味線は足に乗せるから
ギュッと締めた方が落ち着くわね。
そうそう、その二胡の弾き方が
驚きました。
私が以前拝見した中国の二胡は
椅子に座って弓をあっちゃこっちゃして
弾かれてました。
※想像したままってこと
ところが、玉三郎さんの弾く
日本風の二胡は
まず弓の毛がゆるゆるで
フワッとダラっと?していて
弓は横に動かすだけ。
弦を変えるときは二胡を動かす!
ということは
左手は二胡を支えつつ
ネックを上下に移動しつつ
クルックルッと回転もさせるという
(分かりますか?)
の上に
阿古屋としての気持ちを
表現するっつーね。。。
種之助くんの人形振りが
上手だし面白いし
悪い人なんだけど
憎めなくていい役処でした。
菊之助さんは
隠せないお品がぷんぷんしてました。
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二、江島生島(えじまいくしま)
【あらすじ】
三宅島の海辺に佇むのは、もとは山村座の歌舞伎役者であった生島新五郎。江戸城大奥の中臈江島と恋仲になり、それぞれ流罪となり離れ離れに。生島は江島との逢瀬を忘れられず、その面影を求めて彷徨い…。(公式HPより)
私、昔、桜を見に
高遠に行ったことがあったんですが
残念なことに桜は終わっていて
代わりに江島の家を見学したんです。
じゃあ生島はどこだっけ?と思ったら
三宅島だったんですねー(第一感想)
菊之助さんの横顔のラインって
めっちゃくそ美しい(第二感想)
頭のてっぺんからスル〜っと
乱れのない曲線で
なんなら少し出てきた顎下さえも
色気を感じるラインなんですよね。
&鬢がほつれちゃってるし。
なんたって歌舞伎役者が
歌舞伎役者を演じる
なんていうんでしょう
劇中劇みたいな感覚。
七之助さんの江島と島娘の
二役もいいですわ。
片や中臈の商社勤務OL
片や島の女子大生
女子大生から振られる
元人気役者の哀れさね。
ナルシスト入ってるよね的な生島がね。
余計哀れを誘うよね。いいよ、いい。
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三、人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)
【あらすじ】
左官の長兵衛は腕の立つ職人ですが、大の博打好きで、女房のお兼とは喧嘩が絶えません。そんな家の苦境を見かねた娘のお久は、吉原に身を売ることを決意。この孝心に胸を打たれた角海老の女将お駒は、50両の金を長兵衛に貸し与えます。娘の思いとお駒の情けに心を入れ替えることを誓う長兵衛でしたが、帰り道、身投げをしようとしている若者、文七と出会うと…。(公式HPより)
さっきまでのOLと女子大生だった人が
貧乏長屋のおかみさん。
落語が原作だから
1人語りだったものを
1人1人が演じてるわけで
可笑しくないわけがない。
50両落としちゃう手代の
鶴松くんがよかったなぁ。
まぁ、勘太郎くんと鶴松くん以外は
周りがぎゃーぎゃーしてるんで
彼が真面目な分 余計可笑しくなって
そういうことなんだけれども。
勘太郎くんは素足なのもあって
足の大きさにびっくりしました。
手もお父さんと一緒くらい?
もしかして大きい?
まだ13歳だけれど大きくなるかも。
声はまだ落ち着かないからだけど
17歳の娘にしては野太かなぁ。
お顔はお母さんにとてもよく似て
俯いてると愛さんそのもの。
…ね、…ね、と語尾に"ね"を重ねて
父親を諭すところ
"ね"が重なるほど胸に思いが募って
いいお芝居だなぁと思いました。
***
今回は東の桟敷席。
舞台下手に座る阿古屋と向かい合う
お席でハフハフでした。
弁松のお弁当と伊右衛門のお茶で
ザ・歌舞伎見物
伊右衛門おみくじは なんと大吉でした✧
「こいつぁあ春から縁起がええわぃ」





