以前、この記事を書き終わる直前にパソコンが再起動を始めてしまい、すっかり更新する気力をなくしてしまっていたのですが、せっかくなので最後まで書きます。
【中日】
この日はゆっくりめに起床。
友人とホテル近くの喫茶店でランチを食べるなどして過ごす。
試験が終わるまでは試験の話はするまいと思っていたが、結局試験の話をそれなりにしてしまった。
しかし今考えれば、これはこれで緊張を解く材料になったのかもしれない。
昼間はコンビニで立ち読みをするなどもしたし、そこそこリラックスして過ごした。
短答の勉強をしようと思っていたがほとんどできず、刑事系のまとめノートを確認し、旧司ファイルを軽く確認して就寝した。そういえば夜はMステを見たのを覚えている。
【3日目】
朝はもう一度まとめノートを確認して、試験に臨んだ。
今日が終われば論文試験が終わるんだ!と思いながら。
・刑法
問題文を見て、不動産とか抵当権とか出てくるので、横領か背任だなと思う。
合同会社という文字にびっくりしたが、特別背任を問題にさせないためかなーと思った。
あとは、資料がついていて、文書偽造だなと。
総論の論点はあまりないなー、やっぱり2年連続総論中心だったので各論中心できたかと思った。
問題文を読み解くこと自体は難しくなかったので、淡々と構成要件に当てはめながら事案を処理していけばいいと感じた。
30分ほどで答案構成し、甲の罪責から書き始める。
業務上横領の認定。背任との区別を意識したほうがよいか迷ったが、重いほうから検討すればそれでよいと思ったので、普通に構成要件に当てはめていった。
次に、文書偽造。有印にした。
作成者は甲、名義人は社員総会で適式に選任された甲とする。
偽造は出ると思っていたので、そこそこの論述ができたと思いたい…。
ここでなぜか抵当権を抹消させた行為につき公正証書原本不実記載罪の教唆、と一行で書く。
これ書く間に他のこと書けばよかった…。
2つめの売却の業務上横領のとこで、横領物の横領。
これも予想していた論点の一つ。しかし、思ったほどうまく論証できず、若干微妙な感じ。
土地の残余価値の侵害は可能なので横領成立とする。
さらに同じ行為につきDに対する背任を検討。
これは軽めに流した。
罪数処理も本問はややこしめなので比較的丁寧に書いた。
次に乙の罪責。
業務上横領と背任の共同正犯、共犯と身分のについて書く。
しかし、若干時間不足のため、共同正犯の事情をそこまで拾えず、共犯と身分も若干不十分な論述しかできず。残念。
まぁ一番のミスは詐欺を落としていること。
あんなに詐欺は出る出ると思って勉強したのになぜ本番で気づかなかった…。
最初に、あー横領と偽造ね、と思ってしまったからだろう。
あとは乙の罪責が雑なのがもったいない。
でもまぁ他の部分は一応拾えているはずなので、50点くらいか…?
詐欺の配点が低いことを祈る。
・刑事訴訟法
問題文を開いた瞬間、!?となる。
遂に訴因が来たか、と。私の伝聞に費やした時間を返せ、と。
そうは言ってもそれはみんな同じだろうから諦めて頑張ろうと思う。
刑訴はある程度分量多めに書きたい科目だったので、これも普段より早めに30分くらいで構成を切り上げて書き始める。
ちょっと書くの疲れてきたので、ここにきて再現答案そのままupします(!)。
第1 設問1
1 捜査①
(1) 令状の効力
ア Kが乙宛ての荷物を開封した行為は「捜索」(刑訴法(以下、法名省略)218条1項)であるが、令状の効力が及ばないとして無令状の捜索として令状主義(218条1項、憲法35条)に反し違法とならないか。
イ 令状主義の趣旨は、「正当な理由」(憲法35条1項)の存在を中立的立場にある令状裁判官の審査に服させることで、捜査官の一般的探索を防止し、もって対象者の利益を保護する点にある。そうであれば、対象となる権利・利益が令状に示された場所等の利益に包摂される場合には、事前の令状審査が及んでいると解されるので、令状の効力が及び、令状主義に反しない。ただし、第三者の排他的支配下にあることが明白ならば、この限りでない。
本件では、T社を捜索すべき場所とする令状が発付されているところ、当該荷物は乙宛てであり、Wがこれを受け取っている。Wは乙本人ではないが、T社の従業員として乙らの補助者としての地位にあるため、Wの受け取りは乙の受け取りと同視できる。したがって、Wの受け取りにより当該荷物は捜索場所であるT社に帰属し、原則として場所のプライバシーに包摂される。さらに、乙はT社の従業員であり、当初よりT社に居ることが予定されており、令状の予定していない第三者とはいえないため、第三者の排他的支配下にあるともいえない。
ウ なお、当該荷物は捜索中に搬入された物であるため、このような物にも令状の効力が及ぶか問題となるが、これは肯定されるべきである。
なぜなら、令状には有効期間が記載され(219条1項、規則100条)、令状裁判官はこの期間内の蓋然性(222条1項、102条1項2項)、関連性(222条1項、99条1項)につき審査していると解されるし、捜索の着手の前後によって捜索可能な範囲が変動するのは不自然だからである。
エ よって、乙宛ての荷物には本件の場所に対する令状の効力が及ぶ。
(2)本件荷物の被疑事実との関連性・蓋然性
ア 令状の効力が及ぶとしても、本件荷物に被疑事実との関連性(222条1項、99条1項)のある証拠物の存在する蓋然性(222条1項、102条1項2項)があるか問題となる。
イ 本件についてみると、確かに本件被疑事実は甲の営利目的覚せい剤所持であるところ、本件荷物は乙宛てであり、甲の被疑事実に関連する証拠物が存在する蓋然性は認められないとも思える。しかし、甲の携帯電話のメールによれば、10月5日午後3時過ぎに甲宛て、乙宛ての2つの荷物が届くと記載されており、これらは実際にT社事務所に宅配された荷物、その到着日時において一致している。また、これらの荷物はいずれも差出人、内容物の記載が一致しており、伝票の筆跡も酷似し、外箱も同じであったことから、同一人すなわち丙から送られた物であることが推認される。さらに、甲は裏で覚せい剤の密売を行っているとの情報提供があり、かつて覚せい剤に関与していた者が事務所に出入りしていることも明らかになっていることから、同所において覚せい剤取引が行われている嫌疑が高い。また、丙からのメールには覚せい剤を想起させる「ブツを送る」、売買を想起させる「さばけ」との記載があり、伝票記載の差出人のU社は存在しないことから、当該荷物には覚せい剤が入っている蓋然性が極めて高いといえる。そして、乙宛ての物については甲と乙が「2人でさばく」分とされていることから、その内容物についても甲の被疑事実との関連性はある。なお、これは令状記載の「本件に関連する覚せい剤」を差し押さえるための捜索といえる。
ウ 以上によれば、関連性、蓋然性は認められ、捜査①の捜索は適法である。
2 捜査②
(1) 令状に基づく捜索としての適法性
ア 本件の解錠措置、捜索は強制処分であるところ、本件令状に基づく捜索(218条)といえるか。まず、Kは乙の携帯電話や手帳等を差し押さえる目的であり、これらは令状記載の「本件に関連する…手帳、…携帯電話」である。
イ しかし、T社を捜索場所とする令状で更衣室の乙のロッカーの内部まで捜索できるのかが問題となる。
この点、前述のとおり、個別の捜索対象となる場所のプライバシーが、令状記載場所のプライバシーに包摂されるならば、令状の効力が及ぶことになる。
本件では、確かに更衣室もロッカーも社長の甲が管理しているとされており、乙のロッカーの内部にも甲の管理権が及び、これがT社としての場所のプライバシーに包摂されているとも思える。しかし、ロッカーは施錠されており、しかも更衣室であることから、T社の他の場所とは異なり個々の利用者の私的領域としての性質が大きい。すなわち、着衣等に類似し、一段高いプライバシーとしての性質を有するといえる。
したがって、ロッカー内部の管理権はT社の他の場所とは異なり乙の独立の管理権のもとにあり、場所のプライバシーに包摂されるとはいえない。
ウ よって、令状に基づく捜索として正当化されない。
(2) 乙の現行犯逮捕に伴う捜索としての適法性
ア 本件捜索が乙の逮捕に伴う無令状の捜索として正当化されるためには、これが「逮捕する場合」に、「逮捕の現場」でなされたことが必要である(220条1項2号、3項)。
イ このような捜索が無令状で許される趣旨は、逮捕の現場には逮捕被疑事実に関する証拠が存する蓋然性が類型的に高いため、例外的に令状を要しない点にある。そうであれば、「逮捕する場合」とは、逮捕と時間的に接着した時点、「逮捕の現場」とは令状が発付された場合に捜索できる範囲、すなわち同一管理権の範囲と解する。
ウ 本件についてみると、捜索がなされたのは乙の逮捕から25分後であり、逮捕と時間的に接着しており「逮捕する場合」といえる。しかし、乙が逮捕されたのはT社事務所であるところ、この場合前述のとおり、乙のロッカーの内部は甲の管理権に包摂されず、令状を発付すると捜索できる範囲に入らないため、同一管理権内ではなく、「逮捕の現場」に当たらない。
エ したがって、これによっても本件捜索は正当化されず、違法である。Kは新たな令状を発付するための手続きを迅速に行うべきであったといえる。
第2 設問2
1 判決の内容の適否
(1) 本件では裁判所は共謀の存否につきいずれとも確定できないとの心証を抱いているのにかかわらず、「丙と共謀の上」と認定している。そのため、これにつき「犯罪の証明」(333条1項)があったといえるか問題となる。
(2) 本件では、丙との共謀はあったかなかったかの択一的関係であり、丙との間の共謀が認定できれば甲らは公訴事実につき従属的立場にあることになり犯情が軽くなることから、「疑わしきは被告人の利益に」の原則(以下、「利益原則」という)を適用することにより、裁判所は共謀を認定したものと解される。
(3) しかし、利益原則は刑事裁判の大原則であるが、択一的関係にある事実のうち、証明されていない他方の事実を積極的に証明するまでの機能を有するものではない。そして、共謀共同正犯における「共謀」は、共同正犯の成立に不可欠な要件であり、共同正犯は単独正犯とは異なる別個の構成要件である。
したがって、利益原則を適用したとしても、本件では丙との共謀が証明されたということはできず、犯罪の成立に不可欠な要件である共謀につき証明がなされていないため、判決内容には違法がある。
(4) さらに、このような認定は、共謀があったかなかったかという点につき不確定な場合に、複合的な構成要件を作出してしまう点で、罪刑法定主義(憲法31条)にも違反することになる。
(5) 以上より、本件の判決内容には違法がある。共謀を認定しないことで犯情が重くなるという点については、情状の限りで考慮するべきである。
2 判決に至る手続の適否
(1) 本件のように単独正犯の訴因が設定されている場合に、被告人とは別の者を共謀者とする共謀共同正犯を認定することに訴因変更(312条1項)が必要か否か問題となる。
(2) 審判対象は検察官の設定する訴因であり(256条3項参照)、認定事実と訴因の間にわずかなずれがある場合についても常に訴因変更を要するとすれば、煩雑であり、被告人の利益にもならないため妥当でない。したがって、そのずれが重要ないし実質的なものである場合に限り、訴因変更が必要となる。訴因の機能は審判対象の画定と被告人への防御範囲の明示にあり、これらは表裏の関係にあるところ、これらの観点より基準を決することになる。
具体的には、審判対象画定の見地より、①訴因の特定に不可欠な事実の変動があれば訴因変更が必要であり、仮にこれが不要でも、②一般的に被告人の防御に重要な事項であれば、それが訴因に明示されればこれと異なる事実を認定するには訴因変更が必要である。ただし、例外的に、審理経過に照らして被告人に不利益でなく、かつ不意打ちでない場合には訴因変更が不要である。
(3) これを本件についてみると、単独正犯と共謀共同正犯は、1で前述したとおり、実体法上区別された別個の構成要件である。したがって、共謀の有無はこれらを区別するのに不可欠な要件であり、訴因の特定に不可欠な事実といえる。なお、単独犯が共謀共同正犯を包含する関係にあるともいえず、実質的な縮小認定であるともいえない。
(4) したがって、訴因の特定に不可欠な事実が変動しているので、訴因変更は必要であった。よって、本件の手続は違法である。
以上
設問1は、自分の論理がどこまで通っているのか不安。(1)は102条2項を適用する酒巻説でいく!ってわかりやすく明示すればよかったかもしれない。
(2)も、結論の妥当性に難ありな気がするが、原則はこうだよな…と思って、それ以上修正する時間と気力がなかった。
設問2は秘められた択一的認定と訴因変更の要否の問題と思う。
古江事例演習の記述を必死に思い出しながら書いた。
訴因変更の要否の第1段階で訴因変更必要としたのは少数派な気がする。
これはどうなのだろう…でも試験場ではこれで押し切る!と思ってしまったんだよなぁ。
どこまで点数がつくか不確定な部分が多々あるが、ひととおりは書けた部類に入るのではないか。
60点くらいついてほしいんだけどなぁ…。
そして論文式試験が終わった喜びをかみ締める。
その後は翌日に向けて短答のお勉強。
辰巳模試の復習をして、判例六法を読んだ。
次でおそらく最後。続きます。