私が師事していた師匠は、とにかく基礎を重視し、ある程度形にならなければ、他人が主催する本番には出せない、というスタイルでした。

ですから、5年以上勉強していましたが、外部の作品に出たのは1度だけ、しかも歌を歌うエキストラ。

当時は、もっと挑戦の場が欲しいと思いながらも、自分の技術が未熟さもわかっていたので、そういうものだ、と思っていました。


しかし、それは間違いだ、と今なら断言できます。


芝居の技術や役者としての感性は絶対に必要です。でも、トレーニングだけでは、体力やお金に限界がきて、結局続けられなくなります。


経営や仕事の進め方で、PDCAサイクルや、仮説・検証サイクル、というものがあります。
テストのように答えが用意されている課題ではなく、答えを探さなければいけない課題の解決法として、使われているものです。


本番をイメージしトレーニングし(仮説)、実際の舞台でお客様の反応を確認する(検証)
このプロセスの重要性は、師匠の元を離れて本番の機会を頂くことが増えた際、強く感じました。

もちろん、トレーニングも仮説・検証の場ではあります。しかし、本番で得られる経験は、練習では計り知れないものがありました。なぜなら、トレーニングでは師匠からの検証結果しか得られませんが、本番では様々な人の検証結果が得られたからです。

観る人によってさまざまな意見があるので、すべてを取り入れる必要はありませんが、思わぬ意見が、自分を客観視する機会となり、思い込んでいたものが外れ、レベルが上がるということが数多くありました。


もし、その頃の自分に伝えるとしたら、

「トレーニングは引き続き頑張れ。でも、何らかの形で本番の機会を作り、いろんな人に見てもらった方がいいよ」

と声をかけると思います。


今の時代であれば、YOUTUBEで作品を発表することもできます。

当時であれば、カセットテープに録音して聞いてもらうとか、どこかの部屋を借りて、友人に観てもらうとか、お金をかけずともできること、いっぱいあったな、と思います。


そんな発想を、芸術家さんにはしてほしいと思っています。そんな場を提供できれば自分は幸せです。


私の中小企業向けコンサルティングの基本は、お金を使わず(使い過ぎず)アイデアを活かしてどう売上をのばすか、です。

お金がないなら、頭を使って売上を上げるしかありません。
スキルもすぐには身に付きません。

あるものを活かして成長する。
芸術家の方々も、今持っているスキルに自信を持って、それを活かす方法を考えていってほしいなと思いますし、自分ひとりで気付かないのであれば、その気付きの手伝いを私にさせてほしい、と思います。