こちらもパンダとは無関係の内容です。家ネコ=ニャンコさんにはすでに報告を済ませましたので、あらためてこの2カ月間を振り返って覚え書きとして記したものです。

 

 きょう4月6日で家ネコが息を引き取ってからちょうど2カ月が経ちました。家ネコがいなくなってしまったことへの喪失感が抜けぬまま2月下旬に体調を崩してしまい、3月に入ってからも半月ほど寝込んでおりました。ようやく動けるようになってからも気がかりだったのが体重の減少。極端な減り方ではないにせよ、1日3食をとっても減り続け、この2カ月余りで3キロほど落ちました。たかだか3キロかもしれませんが、個人的にここまで短期間で体重が落ちたことがありませんでしたし、覚えている限り中高生のころよりも軽くなってしまいましたので、少し気になりました。いまはようやく少しずつ増え始めております。

 それはともかくとしまして、自分の人生の大半を猫といっしょに生活を共にしてきました。逆に言えば猫のいない暮らしのほうが自分にとってはイレギュラーなことなのです。家ネコがいなくなってまだまだ少しの時間しか経っていませんが、猫の必要性をあらためて強く感じたのが寝込んでいた時のこと。これは家族も同じ思いだったらしく、本格的に猫を迎え入れることを考え始めました。

 少し前であれば家の周りにノラ猫がうろついていたものです。家ネコももともとはノラ猫に近い捨て猫で、たまたま近所の方が見つけて母が引き取ることとなりました。しかし、ここ最近は猫そのものを見かけなくなりました。これは後で知ったことなのですが、ノラ猫・・ではなく「地域猫」と呼び、このような猫たちを見つけては保護し、去勢・避妊をして里親を募集したり、再び地域猫に戻すことを目的とする保護猫活動をしている方たちの存在が少なからず影響しているようなのです。

 よって現在は家ネコのような境遇の猫たちに出会う可能性は低く、とりあえず保護猫活動の窓口を請け負っているお店で話を聞いてみることにしました。話によれば、いまのところコロナの影響で譲渡会は行っておらず、個別による問い合わせのみとのことで、何枚か名刺をいただいてきました。それから、今年は冬が長かったため、春生まれの子猫の時期が遅くなっていること、また、出産シーズンになれば河原などへ行けば子猫たちがいるかも?とのことでした。このとき本気で河原で子猫を探そうかと考えたほどです。

 保護猫活動をしている団体のホームページをチェックしていたところ、近日中に譲渡会が実施されるとのことで、行ってみることにしました。会場では1ケージに2匹ずつ入った猫たちが10匹ほどおり、先客を待ってから近くで見ることになりました。そのあいだアンケートへの記入をしたのですが、それと同時に保護猫を迎え入れるための条件を多数提示されました。それらはホームページにも記載されており、いちおう予備知識として目を通していたのですが、現状での我が家へは「譲渡不可」とのこと。保護猫たちと対面する前に書類選考の段階で落とされたような気分でした。現在の猫たちはこれまで以上に長生きとなり、最後まで面倒を見る、お世話をするということが、猫を迎え入れるにあたって誰しも負うべき責任だということは承知しています。しかし、我が家での猫の暮らし方の方針と保護猫活動団体の言うそれとはかなりかけ離れたものでした。したがってこの日は保護猫の様子をあまり見ることなく帰宅しました。なお、無料での譲渡ではなく、譲渡金を収める必要もあるとのことでした。

 保護猫活動の方針は致し方ないとしても譲渡会での話の内容の印象が悪かったため、数日後初めてペットショップで販売している猫たちのオンラインサイトをのぞいてみました。これまでの猫たちは知り合いから譲り受けたのがほとんどでしたし、ペットショップの店頭へ行っても値段で尻込みしてしまっておりましたので、猫を「購入する」という考えはありませんでした。そこで、もっとも安価の猫から調べていったところ、ある猫がヒットしました。外見が家ネコを思わせるような白黒の猫がいたのです。

 本来であれば家ネコが我が家に来たときのような生後2カ月ほどの猫を希望していたのですが、そのような猫たちはかなり高い価格帯となります。かと言って、いまネットに掲載されている猫が売れてしまったらそれまでです。どうやらそのサイトは自宅近くのペットショップと同系列ということが分かり、とりあえず翌日話を聞きに行ってみることにしました。

 そもそもペットショップで猫を購入したことがありませんでしたので、まず先に飼育環境について詳しく聞いてみました。保護猫活動団体の話では完全室内飼いおよびケージ内での飼育、そして譲渡元の方が定期的に家を訪問しに来るとのことでした。また、家ネコのように外出させることはご法度とのこと。

 この外出禁止についてですが、家に戻らなくなる、交通事故などに遭いやすい、野良猫や野生動物に襲われやすい、あるいは病気や伝染病などをもらいやすい、など自分の飼い猫が被るリスクが高いことから室内飼いが推奨されていることは分かります。しかし、これまでの家ネコたちは自由に外へ出られる環境でありましたし、いま思えば外出することでストレスを発散していたとも考えられます。よって、新たな猫を迎えるにあたり、いずれは家の内外を自由に行き来できるようになればと考えておりました。

 ペットショップで販売する猫につきましては、やはり保護猫同様、室内飼いを推奨していますが、強制はないとのこと。また、保護猫のように定期的な自宅の訪問や報告などはなく、猫の飼育方法や方針はあくまでも飼い主側にあるとのことでした。

 これらを総合し、ペットショップのサイトで最初に見かけた猫にすることに決めました。ただ、その猫は他店にいるため、移動の手続きに1週間から2週間ほどかかるとのことでした。ちなみにその店舗とオンラインで繋いでいただき、ライブで猫の様子を確認することができました。とても元気で、ゴハンもすぐに平らげてしまうとのこと。家ネコの最後は肝臓も腎臓も悪くなってしまったため、何も食べられませんでしたので、とにかく元気であればそれだけでいいと思いました。

 猫の移動スケジュールについてその都度連絡をいただき、ようやく店頭で初対面となりました。最初の印象は大人しい猫だなと思っていたのですが、いざ帰宅するなり夜まで家のなかを走り回っておりました。数日間は緊張と興奮があったのでしょう。現在は睡眠時間が増え、ときにはあお向けになって寝ていることもあります。また、食事はもともと食べていたドライフードをお湯でふやかして食べています。そのような給餌をこれまでしたことがなかったのですが、いまのところ1日3食とも完食しております。猫が完食するところ見たのは久しぶりのことです。

 食事の量は毎回計量してから給餌しているのですが、それでも足りないのか食卓に上がり込んでおかずを狙うことがあります。これまでちくわ泥棒、ウインナー泥棒、焼き肉泥棒を敢行しました。かつての家ネコと違い、物を咥えることが上手のようです。アンダーショット(受け口、しゃくれ)だからなのでしょうか。

 アンダーショットにつきましては、ペットショップ店頭でスタッフの方から初めて聞かされました。そのほとんどが親からの遺伝で、だからと言ってゴハンや物が噛みにくいということはなく、その猫の「個性」なのだそうです。実際間近で見ても、正直分かりません。ちなみに新しい猫を迎え入れた後にペットショップのサイトを確認していたところ、毛色はまったく異なりましたが、出生地や両親の体重、誕生日がまったく同じ猫がおりました。そしてアンダーショットでもありました。どうやら我が家に来た猫には兄弟がいるようなのです。それが分かった数日後、サイトから掲載が消えました。新しい飼い主が決まったのでしょう。もし叶うなら兄弟で・・とも考えていたのですが。

 

 まだまだ寝ているとき以外は落ち着きがなく、家のなかをぐるぐると走り回っておりますが、真正面から見る顔は2ヵ月前に息を引き取った先住猫にそっくりです。ただ、あまりにも先住猫の面影があり過ぎるために、いまの猫の顔を見るだけで涙が溢れてしまいます。2カ月前、先住猫をずっと診ていただいた動物病院の先生が「猫との出会いは縁です」と仰っていたことが思い出されます。先住猫はどちらかと言えば猫のほうから我が家にやって来てくれました。今回はこちらのほうから猫を「選んだ」わけですが、他の方が先に購入してしまえば我が家に来ることはなかったわけですから、これもれっきとした「縁」ということになるのでしょうか。

 どことなく顔が似ているとは言え、先住猫はミックスで、新しい猫は「アメリカンカール」という品種です。とくに品種にこだわったわけではありませんが、初めて聞く名前でした。まだまだ歴史の浅い品種らしく、いま存在するすべてのアメリカンカールは初めてアメリカで発見された猫の血を引いているのだそうです。こちらとしましても外国猫を迎え入れるのは初めてのことです。だからと言って仕草や行動はいままでの猫と何ら変わりありません。

 新しい猫のいまの行動はまだ子猫ということもあり、先住猫と似ても似つかないものですが、真正面に捉えた顔は確かに面影があります。ただ、その面影があることを嬉しく思う反面、先住猫をどうしても思い出してしまうため悲しくもなります。新しい猫にとっては酷な話ではありますが、先住猫の存在があったからこそ迎え入れることができたと思っております。

 先住猫の一生が我が家にとって猫との付き合い方のベースとなっているのは確かであり、それらを反映しつつも当面は室内飼いを続ける予定です。そして今後の目標は先住猫よりも長生きしてもらえるよう、体調面には十分注意したいと思います。