前回までのブログで、

①企画で、雑誌で取り上げるテーマが決定。

②構成・人選で取材依頼をする相手も決定した。

 

取材依頼書を作って、相手の連絡先(HPなど)を調べ、

自分が所属している媒体の紹介・企画趣旨の説明、A4 1枚の企画書をメールで送る。

確認してもらい、取材先からOKが出れば、いよいよ取材が決定する。

 

取材の良し悪しは事前準備で9割決まる。

我々編集者は、通常、取材前日までに、7~8個くらいテーマに沿った質問を考え、

ライターさんに共有しているのだが、この質問を作る過程の事前準備は特に大切だ。

 

質問を考えるのは意外に難しい。

著書がある方の場合、その本に書かれている内容ばかり質問してしまうと、

発売されている本の焼き直し記事みたいになり、途端に面白くない記事になる。

 

できる限り、その人のネット記事なども探し、そこでも出ていない話を聞こうとする姿勢が

取材記事の新規性、面白さを強めてくれる。

 

実際に最近、サッカーの女性監督にリーダー論、組織論を取材した時の質問が下だ。

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①選手への指導で、必ずやるべきこと、絶対にやってはいけないこと

 

②人材育成で、教えないで考えさせるべきことと、教えるべきことの違い

 

③選手の叱り方、褒め方。具体的にどんな場面で、叱る、褒めるか

 

④選手への指導で、最も記憶に残っている失敗経験と、それをどう次に活かしたか

 

⑤失敗や長いキャリアの中で、競技へのモチベーションを落としている選手へのケア、

声のかけ方

 

⑥監督している国では、自信が外国人であることの差別発言や、成績が悪かった時のヤジや批判もあると聞く。ご自身のメンタルを強く保つ秘訣はあるか

 

⑦チームの成績が良くないとき、最初に何を見直し、考えているか

 

⑧チームに日本人、女性として始めて監督に就任された。

女性管理職が男性メンバーを指導する秘訣、チームでうまく信頼関係を築くコツ

 

⑨サッカーのスキルに加えて、トップ選手として、

または別の道に進んでも活躍する選手の特徴

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実際にはこういった質問を相手にぶつけていくのだが、

取材時に絶対にやってはいけないのが、

書いた順番通りに質問をしていくこと。

皆さんも異業種交流会や、婚活パーティーで、「一問一答かっ」というくらい

質問攻めにあった経験はないだろうか。

 

質問攻め自体は、相手に興味があることだから仕方のないことと

思えるが、

問題なのは、聞かれた方が話しにくいこと。

例えば、先ほどの質問①で、「絶対にやってはいけないこと」について、

取材相手が熱く語っていたとする。

 

その際、話がひと段落して、すかさず②の「教えないで考えさせるべきこと」に

話を進めたら、話し手はかなり話しにくいはずだ。それは、

話の流れをブチっと切ってしまっているから。

 

「絶対にやってはいけないこと」について熱くなっているのなら、私であれば、

「そのやってはいけないことを以前はやってしまって、失敗をしたこともあるんですか」

と聞いて、次は④の「最も記憶に残っている失敗経験」に話を移す。

 
このように、考えた質問はそれぞれ関連させていくと、相手の話をうまく引き出しやすいので
ぜひやってみてほしい。
 

また、

取材相手の「新たな引き出し」を

見つけることも大切だ。

 

それが、上の質問⑥で、他の質問はリーダー論、人材育成術について聞いているが、

突然、取材対象者のメンタルについての質問を入れている。

 

これは、メンタルについてのノウハウや経験談を持っているかを探っておくことで、

次に別の企画があったときに、依頼できるかどうか、可能性を見極めておく狙いがある。

 

もし、取材相手にメンタルについても知見が見られれば、さらに掘り下げて、

メンタルのテーマで書籍化も狙えることもある。非常に重要な質問なのだ。

 

こういった事前準備や質問で、雑誌掲載が2~4ページの間であれば、

取材は1時間あれば十分すぎるくらい材料が集まる。

 

この取材をICレコーダーで録音しておき、

ライターさんに依頼している場合は、ライターさんが執筆。

ライターさんに依頼していない場合は、編集者が執筆。

 

という流れになっている。

執筆した後の流れは、次の④原稿整理でご紹介したい。