「また増えてる…」
体重計の数字を見て、何度この言葉をつぶやいたかわかりません。
糖質制限、カロリー制限、置き換え、ファスティング、サプリ、エステ、運動、〇〇だけダイエット、腸内洗浄。目に留まったダイエットは、ほぼすべて試してきました。痩せてはリバウンド、頑張っては疲れ果て崩壊し暴飲暴食、自己嫌悪の果てに自暴自棄。
――まさに“黒歴史”と呼びたくなる20年です。
それでも今、私は「もう一生ダイエットで悩まなくていい」と思えるようになりました。それが、結局、食べながら痩せる方法しかないと気づくことができたから。
この記事では、私がなぜ遠回りを続け、なぜ最後に栄養学にたどり着いたのかを正直に書いていきます。
ダイエット=いかに食べないか=我慢だと信じていた20数年
若い頃の私は、「痩せる=食べないこと」だと本気で信じていました。
朝は飲み物だけ、昼はサラダに菓子パン(菓子パン食べてるじゃんw)、夜はできるだけ食べない。
でも夜になると自制心はポンコツ。昼間の我慢から体重が落ちると達成感がありましたが、どんどん痩せにくくなっていきました。
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昼食後、異常に眠い
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甘いものが止まらない
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イライラして家族に当たる
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生理周期が乱れる、来ない
それでも「意志が弱いだけ」「もっと頑張らなきゃ」と、食べてしまう自分を責め続けていました。
リバウンドのたびに自己否定
一時的に痩せても、必ず戻る。
戻るたびに、
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もうやだ!!!
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なんで我慢できずに食べちゃうの?
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また失敗した
そんな思考が積み上がっていきました。
ダイエットがうまくいかない理由を「性格」や「根性」と思っていたり、自分の体質のせいにしたり、今思えばそれは大きな間違いでした。
「なぜ痩せたいのか?」を考えた日
転機は、妊娠・出産がかけでした。
初めて、食べなければいけない体になりました。
その前に、生理不順から不妊症になり、不妊治療を4年ほどしました。
運よく私は妊娠することができました。妊娠した時に初めて食べることが大事な仕事となりました。
それでもなお、増えていく体重に恐怖を感じていたことは覚えています。周りの妊婦さんの中にはつわりがひどく痩せていってしまう人がいる中で、私は常に食べないと落ち着かないし、気持ち悪くなる。食べづわりと言われるものです。
産婦人科の先生に怒られながら20kg以上も体重を増やしました。元々食べることを我慢して生きてきたので、食べ始めたら太ります。当たり前です。
そして出産。
出産後食べることでこの子の命を守れる。そうなった時、食べることに罪悪感がなくなったのです。
罪悪感なく食べることがこんなにも幸せなのか?と。
今までなぜ食べてはいけなかったのか?
なぜ痩せないといけなかったのか?
食べるとはどういうことなのか?
ぐるぐるぐるぐる考えました。
子供のために食べる。今までの自分には自分の体なんだからなんでもOKだった。
でも、私の母親は子供が食べることに罪悪感を持ち、少しでも食べすぎたら機嫌が悪くなる。そんな状態を望んでいるのか?
もっと、「自分の体を自分の子供のように接しよう。」そう思いました。
そこで初めて、「どうすれば痩せるか」ではなく、
「どうしたら、食べる幸せを持ちつつ理想の体型になれるのか?」
という視点で学び始めました。
栄養学に戻ってみた
栄養学を学んだのは大学に管理栄養士専攻に入った時です。
知ってることとできることが違うというのは痛いほどわかりました。
食べていないのに太る体は、エネルギー不足で代謝が落ちている
当時の私は、
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たんぱく質不足
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鉄不足
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ビタミンB群不足
といった状態が重なり、体は常に“省エネモード”。痩せないのではなく、痩せられない体を自分で作っていたのです。
食べる量を増やして、体が変わり始めた
初め怖さはありましたが、昔学んだ栄養学を信じ、少しずつ食事を変えました。
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朝ごはんにたんぱく質を入れる
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糖質を敵にしない
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空腹を我慢しない
すると、不思議な変化が起きました。
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間食の衝動が減った
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昼間のの眠気がなくなった
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気分が安定した
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体重より先に体調が整った
体は、「足りないものを補えば、ちゃんと応えてくれる」存在でした。
痩せたかった本当の理由
食べるダイエットを通じて、もう一つ大きな気づきがありました。
私が本当に欲しかったのは、
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細い体
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軽い数字
ではなく、
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元気に動ける体
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気分よく過ごせる毎日
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ご機嫌な心
だったのだと。
過去の私と同じ方へ
もし今、
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何度もダイエットに失敗している
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頑張っているのに結果が出せない
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自分を責め続けている
そんな状態なら、伝えたいことがあります。
本当にあなたが悪いのではありません。
体の仕組みを知らないまま、頑張ってきただけです。
黒歴史は、誰かを救う経験になる
20年以上の遠回りは、無駄ではありませんでした。
同じように悩む人の気持ちが、痛いほどわかるからです。
今は、栄養学をベースに「整えるダイエット」を伝えています。もしこの記事が、誰かが自分を責めるのをやめるきっかけになったなら、それ以上に嬉しいことはありません。