モーゼルM712の完成金属モデルガンのM712。このモデルは7mmキャップ発火仕様のカートリッジ10発付き、重量を楽しむM712のコレクションアイテムとしては最適の一品だ。さて、M712のベースモデルのC96は、1896年にモーゼル兄弟が開発した世界初の量産型オートマチックピストで、そのデザインの特徴はマガジンが銃グリップの前にあることで、現在のハンドガンを見慣れた目には未来的にも思える独特なデザインだ。マガジンは着脱式ではなく固定式のボルトアクションライフルの様な装弾方式であった。このC96は使用するモーゼル弾が当時では高速で射程が長く、ダブルカーラムの多弾装であったこともあり世界中でヒットし、数々のコピー品が各社で作られた。その中でスペインのアストラ社のM900が、フルオート射撃の可能なマシンピストルタイプを作り、これが好評なセールス記録を続けたため、本家モーゼル社も追随する形で、モーゼルシュネルファイヤー(シュネルフォイヤーは「速射」の意味)の名称でフルオートが可能なモデルを1932年に製造をスタートした。(M1932とも呼ばれる) マガジンも現在のような着脱式となり、10発のものと20発のロングマガジンが追加された。M712は米国の販売代理店ストーガー社がつけた形式名で、日本ではこの名称が一般的になった。短機関銃より携行性が良く、通常のハンドガンをはるかに凌駕するファイヤーパワーと長射程であったため、短機関銃の代用として広く使用された。全長296mm、重量1246g、カートリッジ10発付き、メーカー希望小売価格31290円、販売価格26800円。