真冬の寒さが身に沁みる2月となりました。

温度管理をして飼育をしていると年中クワカブが家にいますので季節感が薄れてしまいがちです。

ただこの時期に生体発送すると一気に日本の冬の厳しさを痛感し、季節感を取り戻せます(笑)

この時期に海外から輸入される地域として面白い個体が多いのは南米便かと思います。

我が家も入荷時期のサイクルに同調する様に累代飼育しているドウイロクワガタについて今回はご紹介させて頂きます。

チリ、アルゼンチンにかけて分布する1属1種です。


学名はSteptocerus speciosus Fairmaire,1850
           (ステプトセロス スペキオサス)


和名は銅色鍬形
            (ドウイロクワガタ)


小型のクワガタでオセアニア各地に

生息するLamprima属のキンイロクワガタやPhalacrognathus属のニジイロクワガタに類似点が多いクワガタです。


上に挙げたクワガタより更に見た目的に近いのが学名:Homolamprima crenulata Macleay, 1885和名:ニセドウイロクワガタと言われるクワガタです。

大図鑑では生息地がオーストリアとなっていましたが正しくはオーストラリアの間違いだと思います。


Lamprima属、Phalacrognathus属、Steptocerus属ともに幼虫の独特な形状に類似性を感じさせてくれます。


♂成虫の野外最大サイズは32.6mm、飼育下での最大サイズが37mmとなっています。

今期我が家で羽化した個体で最大サイズが36.8mmでしたので飼育ギネスも飼育者数が増えると41mmぐらいまでなら羽化可能なクワガタだと考えています。

ギネス登録してみたい人にはまだまだチャンスがある種類です。

以上がドウイロクワガタについてのおおまかな説明です。



成虫は活動後の寿命が個体差や飼育環境にもよりますが比較的長く、♀は1度の産卵で寿命がくることはまれでダラダラと数ヶ月産み続けるタイプです。

産卵数も基本的には多く、1匹の♀から得られる幼虫は平均して50頭ぐらいになりますが、産卵数が伸びない方は産卵セットの見直しか飼育温度の見直しで改善されることがほとんどです。

幼虫飼育は小型の成虫にかかわらず時間を様しますので気長に待つことが大事ですが、飼育自体は簡単でスペースも取らない種類なので飼育自体を忘れることが出来るタイプの人ならギネスも取れるかもしれません。

幼虫は菌糸瓶での飼育がほぼほぼ困難ですので素直にマット飼育が無難ですが、だからこそ飼育するマットだけはこだわった方が後々良い結界に恵まれます。

サイズ狙いでギネス獲得を目指すのも楽しみ方ですが本種も色虫ですので色彩変異を追求する交配も面白いです。

全体には黒銅色に見えますが細部の色彩は豊かでノーマル、パープル、ブルーと変化が現れます。



イメージ 1


イメージ 2



大変興味深い南米の色虫ですの飼育するチャンスがあれば思う存分楽しんで飼育してみて下さい。




追記


ビークワ58号にて♀ギネス、♂チビギネスとは別枠にて飼育ギネスを頂いた際にお祝いのお言葉を下さった皆様へこの場をお借りて御礼申し上げます。

有難うございましたm(_ _)m