
センターまで…、96日ね。
少年時代/井上陽水
1990年9月21日リリース、29thシングル
(作詞/井上陽水 作曲・編曲/井上陽水・平井夏美
ストリングス・アレンジ/星勝)

【↓うぃきコピ】
井上陽水最大のヒット曲で、代表曲の一つだが、
発売後1年間は、ほとんど売れなかった。
発売から1年後の91年9月30日付チャートは週間75位であり、
それまでの1年間の累計売上は、わずか4.0万枚だった。
しかし、状況は急変することとなる。
ソニーのハンディカムCM曲としてオンエアされるや、
翌週には20位に急浮上する(91年10月7日付)
さらにその翌週には6位にランクイン(10月14日付)し、
最高位4位(10月28日付)を記録。
8週連続TOP10入り(12月2日付まで)となり、
40.8万枚を売り上げ、年間チャートは91年の25位となった。
さらに翌年度まで、結局16週連続でTOP20以内に留まった。
(92年1月27日付まで)
20位以下ながら売上を重ねロングヒットとなった結果、
40.7万枚を売上げ、年間チャートは92年の46位となり、
2年連続で年間チャートTOP50にランクインすることなった。
97年7月には日本レコード協会からミリオンセラーに認定された。
(オリコン集計では、累計85.3万枚となっている)
本曲は元々、荻野目洋子に提供したシングル「ギャラリー」の
B面曲になる予定だったが、とても良い出来だったため、
そして同名映画の主題歌の話が来たこともあり、
自身でカバーしシングルでリリースすることになった経緯がある。
作曲は、飲み仲間であった藤子不二雄Ⓐから直接依頼された。
藤子Ⓐは、自身の連載漫画であった『少年時代』の映画化
(1990年公開・東宝)に際し、その主題歌として
「♪ラララ…君と出会い君と笑い♪」というハミングと
共に始まる自作の詩を作成し、陽水に作曲を依頼した。
しかし、陽水からは楽曲がなかなかできあがって来ず、
ついには映画のポスター印刷にも間に合わない事態となった。
映画関係者は矢のような催促が為されたが、
藤子Ⓐは「漫画家と同じで、催促されるのは嫌だろう」と、
陽水に対して一切催促を行わなかった。
その甲斐もあり、陽水から上がってきたデモテープは、
藤子Ⓐが事前に抱いていたイメージ通りの素晴らしい楽曲となった。
(ただし藤子Ⓐが提供した歌詞は1行も使われていなかったw)
藤子Ⓐが映画関係者からの催促を止めていた間、実は陽水は
全国ツアーを1ヶ月キャンセルしスタジオに篭って作曲を行っていた。
曲中冒頭の「風あざみ」という言葉は陽水による造語で、
植物のアザミが直接関係がある訳でもない。
風あざみという品種は存在せず、「アザミ」は元々春の季語でもある。
2番の歌詞の冒頭の「宵かがり」も陽水による造語である。
陽水の作品にはそのような「造語」が散見される。
斎藤孝は陽水の歌詞について、「高い音で伸ばすときは、
多少詞が変になっても、ウよりもイで終わる言葉の方が、
聴いている方は気持ち良い」と指摘している。