こんなに落ち込むんだ…っていうくらい、何もできなくて、用事すら延期してしまった本日の私…。
どうしても、お相撲が観たかった…。


昭和が終わった…と言えばそんな感じですが、1つの時代が、終わった感じ…。
心の叫びのため息があるっていうことも、昨日知りました。



現役時代、あれほど心臓バクバクさせて観ていた、北の湖と輪島の取組。

輪島もすきだったんですが、先場所、輪島が優勝したから、今場所は北の湖が優勝する番だよね、と思って、取組を見ずに、ずーっと「私の力を全部北の湖にあげていいから、北の湖を勝たせてください」とお相撲の神様にお祈りしていたこともあった、幼い私…(笑)。
現役時代の北の湖の記憶があって、ファンで、よかったです。

多くを語らず、必要以上に笑いもせず、これぞ横綱っていう横綱で、憎らしいほど強いとか、ふてぶてしいとか、江川・ピーマン・北の湖とか言われても、にじみ出る人柄の良さを、ちっちゃいながらに感じておりました。
輪湖時代からのお相撲しか知らない私には、昭和の大横綱と言えば、北の湖以外にいません。
当時の私は、もちろんすきなものとして、お肉・円谷・北の湖、ドリフ・タツノコ・北の湖でした。

ヒョーショージョー!!!きたのぉうみぃ としみぃつぅどぉのぉ!!!
あの、お相撲さんより人気だった(?)おじさんに、笑いを我慢している顔…(笑)。
土俵入りのときの、あの腕の角度…。
おしりをプリッとして、取られた上手を切る姿…。
最後の全勝優勝で、土俵上で北天佑と目を合わせた顔…。
両国国技館で相撲が取りたいと、意地で上がった両国国技館の土俵…。

そして、引退…。

もう10年近く前、本場所の国技館でバイトしたとき、北の湖に「写真一緒に撮っていただけますか?」とキラキラした表情で声をかけていたおじいさんの横を通った私に「ねぇ、写真、カメラ、シャッター押してあげて!」って声をかけてくださいました。
お撮りしましょうか?と私から声をかけるべきでしたが…それでも私の人生の中で、北の湖に声をかけていただくことがあるなんて思ってもいませんでした。
ファンを大切に思うその気持ちにも感動しました。
カメラに写し出された北の湖の顔は、いつもの顔でしたが(笑)。

日馬富士と旭天鵬の優勝掲額贈呈式後には、北の湖が引き上げるときに「北の湖!」と叫んでしまい、周りのお相撲ファンの方に笑われたこともありました。

回向院前の信号で、バッチリ何秒か目が合ったこともありました。

「北の湖がいたから、お相撲が好きになりました。」
あのとき、どれだけ伝えたかったか…。
でもあのときは、それを北の湖に伝えることはできませんでした…。
伝えたいことは、伝えたいときに伝えないと、後悔しますね…。


人が人を思う気持ちっていうものも、ものすごくわかっていた方だと思います。

こわもてというか、笑わないような顔のせいで、誤解も多々されたと思います。
加えて理事長職にあったせいで、バッシングのほとんどを一身で受けて、背負って、抱えて…。
それでも、実際に北の湖と関わった全ての方から、やっぱりものすごくステキだなって思うようなことしか聞かない北の湖でした。

そんな北の湖が生きているうちに、お相撲の人気が回復して、本当によかった…。


理事長として、本当は休めたい身体を奮い起こして、公務をされていたんですね…。
でも、今になると、もっと自分の身体を優先する気持ちをもってほしかったです…。
お相撲のために、ファンのために、そしてご自身のために…。


北の湖、本当にありがとうございました。
お相撲のために、ファンのために、全力を尽くしてくださったとつくづく感じます。
現役時代から今日に至るまで、多くのことを、北の湖の姿を通して教わりました。
いろいろな思いを、抱かせてくれました。



北の湖の乗った車が福岡国際センターの敷地内に入ってきた映像を見たときは、たまらなくなりました…。
本当に亡くなったんだ…って突きつけられた気がして…。
変な言い方になりますが、父親が亡くなったときに、顔の上に白い布をかけられているのを見たときと似た気持ちというか…。


でも、間違いなく、いちばん悲しくて苦しくて辛くて大変なのは、部屋の皆様…そして、ご家族…。
今はまだ、軽々しく何かを言うことができない気持ちです…。

今日の北の湖部屋の北磻磨と北太樹を見て涙が出ましたが、それでも気丈に土俵を努める姿に、力をいただきました。
きっと明日の千秋楽も、北の湖部屋のみなさんは、それぞれの取組を、業務を、気持ちをひとつにして、気丈に努められると思います。


本当に、心にとっても、身体にとっても、激務の理事長職だったと思います。
でも、北の湖じゃなきゃダメなんだよ…って思ってきました…。
どうか、ゆっくり休んでください。


でも…早いよ…。


やっぱり、私、お相撲さんの中で、北の湖がいちばんすきだ。

こんなに、こんなに涙が出るとは、思わなかった…。
こんなに、こんなに力が抜けるとは、思わなかった…。

私にとって、偉大すぎる方でした。