昨日、お能の体験というか、お勉強というか、能楽師になる旅という旅(?)に行って参りました。


場所は、能楽師の武田文志(ふみゆき)さんのお稽古場。

先生はもちろん武田文志さん。

生徒は9名集まりました。

なんと、大阪から夜行バスに乗って参加された方も!


能舞台と同じように作られた舞台に上げていただいて(白足袋着用必須)、楽屋や舞台裏も見せていただいて、切り戸口から入らせていただいて、見習いの方がされるという糸針作りの体験をさせていただいて(地味に難しい…(笑))、装束も見せていただいて、触れていい装束は実際に触れたり、肩にかけていただいて、面もいくつか見せていただいて、謡と舞のさわりの稽古をしていただいて、お話もいっぱい聞かせていただいて、夕食も行きつけのお店に連れていっていただいて、あぁ…盛りだくさん(笑)。

ものすごく幸せ…(笑)。


面はなんたることか、偶然にも私がお能好きになるキッカケとなった曲の面と、現時点でいちばんすきな曲の面も見せてくださって、あまりの感動に言葉を失うくらい(笑)。


生徒は、面にはもちろん触れてはいませんが、小面(若い女性の面)を武田さんが顔のすぐ前に当てるようにしてくださったりもして、面の内側からの視界を知ることができました。

狭いんす。むっちゃ狭いんす…。

装束も、舞う…んだよね…?と思うくらい、いろいろと着込んでいまして、おなか部分に”あんこ”も入れます。

着付けも、着物とは、全然と言っていいくらい違います。

で、着付けのモデルになった方曰く、「…重いです。」

その装束のまま舞台に上がるときも、ペンギンみたいなよちよち具合。

足を思うように動かせないんですね。

で、あの視界…。

で、舞うワケです…。謡うワケです…。

なんか…自分の中の集中力と神経と感覚と忍耐を総動員の感じ。

実際、汗がどんなに流れても、汗が目に入っても、拭いたりぬぐったり禁止。

蚊とか虫がとまっても払うの禁止。

かゆくても、かくの禁止。

あぁ…(笑)。

謡いながら舞うってのをちょっとやったんですが、年齢的脳ミソのせいか、元々の脳ミソのせいか、センスがないせいか、すんごい混乱します(笑)。

もしこれで装束をつけた日にゃぁ、私にとっては稽古っつーより訓練です(笑)。

でも、実際観に行くと、あんな過酷とも言えるような中で舞っているとは思えないほど、さらっと見えてしまうという…(笑)。


お能…なんという奥深い世界。

すごい…と思えないところが何ひとつない。

ダテに世界最古の舞台芸術って謳ってないです、ホント。

役者なのに、声出すのに、主役がほとんどの曲で、顔を面で隠してるってところから、一筋縄ではいかない感じがしますが(笑)。

何度か観に行っていて、お能に関する本を読んでいても、初めて知ること、気づくこともかなり多かったです。

私のしつこいくらいの質問にも、本当に丁寧に答えていただきました。

能や狂言に関するお話も、身近な例えを挙げてくださるので、すごくわかりやすいです。


あぁ…私の人生に、こんな日があっていいのでしょうか。




とてつもなくステキな武田さん。

すんごいカッコよくて、目力も強くて、声にも独特のハリがあって、羽生結弦選手みたいにうんちやおならまでいい匂いなんじゃないかと思うくらいの(笑)清潔感があって、とっても面白くて、フレンドリーで。

お肌ももちろんキレイなんですが、手のキレイさには何度か見とれてしまいました(笑)。

最初に謡の声を聴かせていただいたときは、本気で涙出そうでした(笑)。

最後に、仕舞を一節謡いながら舞っていただいたのですが、舞台の上の武田さんは、別人に見えるくらいがらっと変わります。

一気に近づきがたいオーラというか、空気というか、風格を纏われます。

言って(書いて?)いいのかわかりませんが、実際の武田さんの年齢より10~20歳上の能楽師の方みたいな雰囲気になります(笑)。

お能もますますすきになったし、何より武田さんファンになりました。

最悪な状態を覚悟するくらい大きな病気もされた武田さん。

健康には十二分に注意して、ずーっとずーっとステキな能楽師でいてください。


夕食のときには、なんと武田さんの奥様も、参加されました(≧▽≦)

むちゃくちゃかわいらしい方!!!

もー、かわいらしい女性、だいすき(笑)。

で、フレンドリーで、飾らないお人柄。

この武田さんにしてこの奥様あり!って感じの方でした☆

奥様のファンにもなりました(笑)。

あー、なんかこのご夫婦、すごいすき(笑)。

すんごいお似合いで、すんごいステキでした☆



なんかもう、今すぐにでもお能を観に行きたい気持ち!!!!!

私…お能がすきでよかった(笑)。

ありがとうございます、武田さん。

ありがとうございます、このキッカケをくださった、仕事旅行社さん。

ありがとうございます、最初にお能を観るキッカケをくださったT課長(当時)。

よくやった、お能をすきになった自分(笑)。

いっぱいお能観に行こう。

同じ曲を何度か…とか観ていたりするので、もっといろんな曲を観よう。



みなさまも、ぜひぜひお能に触れてみてくださいませ。

興味持てない方は持てないと思いますが、私みたいにハマる方はハマると思います。

4,000~5,000円くらいで観れる公演もいっぱいあります。


お能って、観ている間は、ドキドキワクワクというものではないと思いますが、魂をブルブルと揺さぶられます(笑)。

心というより、魂。

私にも魂あるんだ…というのを、お能を観るたびに思います(笑)。