実は私も、元々忠臣蔵の話がすきでした。
というのも、N○K大河ドラマの『峠の群像』のせいです。
吉良上野介を演じる、故・伊丹十三と、
大石蔵之助を演じる、故・緒方拳。
浅野内匠頭の隆大介、堀部安兵衛の磯部勉、不破数衛門の小林薫、
大石主税の役だった俳優さんも(名前忘れました)、
何の役だったか忘れましたが、ドラマのために作られた役を演じた樋口可奈子も、
とにかく出てくる俳優陣が私にとって魅力的で、すきになったという感じ。
もちろんストーリーもすきでした。
が。
先日、大好きな作家のひとりである清水義範氏の
『上野介の忠臣蔵』
を読んでしまったのです。
確かに忠臣蔵に関しては、いろいろ言われてはおりましたが、
浅野・大石側の赤穂浪士に魅力を感じていた人間にとって、
ある種の衝撃を受ける(?)内容。
吉良上野介がどれだけいい人だったのかが書いてあるのです。
吉良の浅野いじめなどはなく、吉良は浅野を信じていたとか、
浅野は見るからに神経質な気質であったとか。
この清水義範という作家、いろんな作品を読んでみても、
パスティーシュの名手といわれるだけあって、作品に書いていることを
信じていいのかどうなのか迷ってしまう作家でもあったりするのですが(笑)、
ウソとも言い切れないのではないか…とも思ってしまうこともたびたびで、
もしこっちが真実なのだとしたら、忠臣蔵というのは、吉良をずいぶん悪人に
書きすぎてるよなぁ…と。
どうなんでしょう、近松門左衛門???
どっちが真実か、現代に生きる私にはわかりませんが、
いろいろ思いを馳せるのも、これまた楽し、ってなことで、
よかったらこの時期、少しでも多くの方に読んでいただけたら…
と、思う次第でございます。