小さい頃からすきだったお相撲。

忙しいことと、いろいろ思うところがあって離れた時期。

その私をまたお相撲の世界に戻してくれたのが、栃東です。


初優勝のときだと思いますが、テレビで栃東を見て、私の頭の中の、

理想のお相撲さん像にピッタリのお相撲さんだったんで、

「うわ!何、この人?」と思ってすきになりました(笑)。


それでもしばらくは、お相撲を観るってことはなくて、星の確認だけ

してました。


その後、国技館に相撲を観に行くキッカケをくれたのも栃東です。

当時、勤めていた小さな映画制作会社に栃東ファンがいまして、

「初場所、私と一緒に国技館に相撲観に行く人!」

と言われ、即行挙手(笑)。

それから本格的に、お相撲にものめりこみました。


笑顔がね、すきなんですよ(笑)。

2度ほど握手していただいたことがあるんですが、

優しくほわっと握ってくださるんですよね。

それでまた惚れるという…(笑)。


取組も、調子のいいときは本当に安心して観ていられる

相撲を取る方で、おっつけの技術はもちろん、組んでもよし、

離れてもよし、の方だったように思います。


土俵下の力士溜りに座っていても、必ず前の取組をちゃんと

見てるのはテレビ画面からでもわかりました。

目をつむってじーっとしている方にも、それだけの思いを感じ取る

ことができますが、栃東はかなり研究熱心な方だったと思います。


栃東からは、いろいろ学びました。

怪我のための手術をした後で、普通なら休むところ、

土俵の感覚を無くしたくない…という気持ちだけで

土俵に上がった姿は、涙が出ました。

負けも込んだので、確かにいろいろ言われてましたが…

この人は、どれだけのものを犠牲にして、土俵に上がって

いるんだろう…そう思ったら、泣けてきました。


そして、脳梗塞による引退。

おかみさんの「もうちょっとがんばれないの?」という言葉に

「長生きさせてください。」と言ったという栃東…。

自分の子供に「長生きさせてください。」って言われる親が

どれだけいるんだろう…と思ったら、おかみさんの気持ちで

今度は泣きました。(栃東ファンの友達2人に「何でそれで

泣くのー?」と不思議がられました…ヘンっすかね?)


勝ち越したのに引退…。

全盛期の朝青龍に、唯一ちゃんと向かっていける大関だっただけに、

本当に、本当に、残念です。


断髪式、初めて行きました。

言い方は悪いですが、力士として死んでいくって、

こういうことなんだ…って見せつけられた気がしました。

ほんとに少しずつ、少しずつ、髷にはさみが入れられていく…。

それ以来、応援してきたお相撲さんの断髪式は、ファンとして

絶対見なければいけないんだ…って思うようになりました。

(なので、チケットまだ買ってませんが、来年の栃乃花・栃栄の

引退相撲も行くつもりです)


栃東、本当にありがとう。

本当にいろいろ教えてもらったし、いろんなキッカケももらいました。

私をいちばん泣かせたのも栃東です。

お相撲を私なりにちゃんと考えるキッカケをくれたのも栃東です。

親方として、栃東の弟子らしいお相撲さんを育てていってほしいです。


解説もわかりやすくて上手な栃東。

きっといい親方になってくれると思います。



次回は、番付関係なく、心に残るお相撲さんを書こうかなぁ。