身内に不幸があった。




輪廻転生。

という考え方がある。



生命は、
生まれ替わり、死に替わり。
ぐるぐるしているらしい。



それを母から聞き、



子供の頃、
不思議に思った。




死んだら生まれかわる。
なら、
今居る私は何処に行くのだろうか。

私は前回の記憶は無い。
では、
死んだ時に思い出すのか。

それとも、

忘れたままで産まれかわり、
今の私の記憶は消えてしまうのか。

それとも、

前回の記憶も
大人になったら思い出すのか。




大人になった今。



前回の記憶を思い出せていないので、
結局のところ真相は
死んでみないことには分からないようだ。



今でも不思議は不思議のまま。



何と無く、
死はまだ遠い所に居ると思っている。


が、
本当は分からない。


明日、
事故に合うかもしれない。


もしかしたら、
不治の病に侵されているかもしれない。



今、
それを知らないだけ。




叔母の表情は、
まるで微笑んでいるようであった。


あの世への旅立ちは、
楽しいものであるらしい。



命あるものは、
やがて土に還ってゆく。
早いか遅いかだけ。




父も母ももう若くない。




カジれるスネももう骨だけ。
旅立ちの前に親孝行せんと。