言葉には力がある。

そして

その力は思いがけず自分を守ってくれる。




母の子供の頃の思い出。


母の生家は田舎の農家であった。
大家族であったらしい。

山菜や茸など、
季節物食材は近くの山から収穫。

ある日、
山で遊んでいたK(子供の頃の母)は沢山の茸を発見した。


料理担当だった叔母に渡すと、
大丈夫な茸だろうということで夕食の一品に。

家族達は
本当に大丈夫か。

と不安がりながら、

おっ!美味い。

と食べた。


母の曾祖母は、

Kが採ってきたんか。
お前が生まれてきたけんこそよの。
んまい茸が食べれるわいの。
ありがとうの。
ありがたいの。




その日の夜、

家族達に悲劇が…


大当たり。

ゲーゲー。
ピーピー。

庭でリバース。
厠の争奪戦。



翌日、隣人に
昨夜は賑やかやったが何があったんだ
と問われたというから、相当の賑やかぶりである。


その騒ぎの中で、

ケロッとしていた人が
Kと曾祖母。


ちなみに

好き嫌いの多かったKは自分の採ってきた茸を食さず。


曾祖母はというと、

まあ、みんな難儀なのお代われるもんなら私が代わってあげたいわい。


とみんなを気遣っていたという。





長くなりそうなので。


つづく