子供の頃、
なりたかったもの。


大工さん。
ケーキ家さん。
看護婦さん。
アナウンサー。
女優。
歌手。
漫画家。



もう幾つかあった気もするのだが、
忘れてしまった。


子供の頃は何にでもなれる気がしていた。

出来ない事など無いと思っていた。


いつからか、

手に届く範囲で
夢を探すようになった。


いつからか、

諦めてしまうことを
選択するようになった。


『あなたには無理』

そう言われると、
素直にそうなんだと思った。


今、
自分が歩いている道は
自分が歩きたかった道なのか。

世間の目。
両親の目。
兄弟達の目。


見られることを意識し、
これなら認めて貰える。
これなら誉めて貰える。

そう思って選んだ道ではないのか。


だから、


何かが違うと感じ、
常に新しい何かを探し、
変わりたいと思うのではないのか。



最終的に選んだのは自分である。
責任を『誰か』に押し付けてしまうのは間違いである。


わかってはいるのだが。


あの時、あの人が、あんなことを言わなければ…
違う人生もあった。


つい、そんなことを思ってしまう。



娘達が、いろんな夢を語ってくれる。


忍者になりたい。
お姫様になりたい。
魔法使いになりたい。

声優になりたい。
医者になりたい。
パン屋さんになりたい。

『何にでもなれるよ』


私はそう言う。


娘達にはなりたいものになって欲しい。


私のなりたいもの。

もう一度思い出そっと。
今、歩く道が繋がってたらいいなあ…