空耳①の続きである。


季節は秋。


以前ソファーを拝借してから2ヵ月程経っていただろうか。


前回と同じようにまた
ソファーを拝借することになった。


今回は
音楽をかけたままに
してくれと頼んだ。
(心細かったので)


ウトウトし始めた頃。


ガヤガヤと
離れのすぐ外の道を歩く人の話し声がする。
小さな子供もいるようだ。

その声に混じって
『やかましいのお』
『寝よんかいの』
そんな声がする。


あ、
ボリューム。
夜中やし、
ヤバかったかな。


そう思ったが、
眠くて体が動かない。
ま、いいや。
ごめんなさい。
はい、寝とります。


睡眠続行である。

その日は仮眠どころか
朝までぐっすりだった。


さて、帰るか
と、
車に乗り込み気付いた。


離れの部屋の横には
道が無い。
段々畑があるだけだ。


今までは夜にしか来たことが無かった。

田舎町。
大通り以外に街灯は無い。
大きい道を外れると真っ暗である。
気付くハズがない。


友人の自宅は
細い農道を入って
突き当たり。

奥に抜けるような道は
もちろん無い。




2回とも
声を聞いた時間帯は
丑三つ時と言われる、

午前2時~2時半。






空耳。
空耳。

もしくは夢。



それ以来、
その日のうちにそそくさと帰宅しております。