実家の仏壇には小さな座布団に置かれた石が置いてある。
『ごんげんさん』の御守り石である。
墓参りの時には
山奥にポツンとある
お地蔵さんにお詣りし、
仏壇の石とごんげんさんの石を
交換して持ち帰るのが
私の家の習慣である。
父方の祖母が言うには、
ごんげんさんが御祈祷すると、
空のおちょこの底から
スーッと水が湧き出し、
その水をのむと不思議と病気が治っていた。
らしい。
ごんげんさんは祖母の義父である。
祖母が産まれて間もない頃、
何度も死にかけたことがあった。
この子は、このままでは長く生きられない。
ワシの養子にしたら長生きするだろう。
という経緯があってのことらしい。
祖母は去年亡くなった。
104歳。
大往生である。
ごんげんさんの御利益は凄い。
本当に凄い。
先日、
ごんげんさんは祖母の祖父であることを知った。
血族ですか!?
幼い頃から信じていた神様が
ひいひい爺ちゃんだったとは…。
複雑な心境である。