個室に移った父親はかなり体調も良くなった
良くなったというか、元気になった
明るくなった
今までこそこそ話しをしなくちゃいけないと思っていたのが、無くなったからか、前の父親に戻ったかのように見えた
かなり進んでいた痴呆症も
なんだか嘘のように落ち着いた
このまま個室にいれるなら
この病院でもいいかも、なんて思っていたのだが、そうはいかない
やっと転院先が決まったのだ
結局、治療も出来ない患者を置いておく訳にはいかないらしい
今後は治療ではなく緩和ケア目的での病院に移ることが決まったのだった
9に続く