以下の記事はあくまでもチラシの裏に書かれた私個人の感想です・・・
最近、日本のPCR検査の陽性率の高さについて山中先生などから警鐘が発せられています。
https://www.covid19-yamanaka.com/cont3/16.html
その根拠となっているものの一つが
「PCR検査を行った被験者中で陽性となる率(陽性率)が低い国では死亡率が低い」
という千葉大学の解析結果だと思います。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200422/k10012399891000.html
でもこれ、本当の所どうなのでしょう?
陽性率が低いということは、逆に言えば被験者中の陰性者の率が高いということです。つまり検査をしている陰性の方の数が多いということ。
それと死亡率はどう関わっているのでしょう?
そのロジックとして語られているのが
低い陽性率→陰性者も含め多くの人がPCR検査している→その結果感染者が効率的にあぶり出されている
というもの。これにより感染者は早期に監視下に置かれ健康観察が行われているから死亡者が少ない、ということだと思います。
でもこれは統計マジックなのでは?という印象を私は持ちます。マジックというのは言い過ぎとしても、この解析で見ていない要素が多いのでは?という印象を論理的に受けます。
陽性率が低い国では自覚症状のない多くの人が検査を受けられる体制が整えられていることが想像できます。そうでなければ陽性率は低くなりようがありません。今の日本の体制では、検査を受けた陰性者は発症者の周りにいた人々(濃厚接触者)に限られています。最近の陽性率の高まりは、結果的に陰性となる濃厚接触者が少なくなっている、ということを表します。つまり、いわゆるクラスター対策を取っている日本の現状では
・マンパワーが枯渇して濃厚接触者を追跡できていない
・経路不明感染者(市中感染者)からの濃厚接触者が追えていない
事が理由であると想像できます。つまり検査されている人はバッチリ症状が出ている限りなく黒に近いグレーな人に限られつつ有る、ということです。結局、もう既に分かっていることの追認にしかなりませんが、クラスター対策一本槍が、少なくとも東京や大阪では破綻している事を表しています。
低陽性率が実現できている国では(常識的に考えて)無症状・軽症者(酸素供給などが必要ない患者、又は人工呼吸器が不要な患者)は病院ではなく療養施設で収容するという体制が早期にセットで整えられているのだと思います(そうでなくちょっと前の日本のように全員感染症指定病院での入院、となっていたら即医療崩壊で自殺行為です・・・)。またそうした療養者に対するケアの方策も「事前に!」十分想定され(実質的な準備まで出来ていたかはともかく)考えられていたのだと思います。
死亡者数は(あくまで私の印象ですが・・・)感染者数と医療リソースの使用効率との間にこそ相関するのではないかと思います。ICUに入った患者に対し次の処置を取るのが、モニターに表示される値が正常値からどの程度外れたタイミングか、というのはその数値を何人が(どのような精神状態で)見ているかに極めて濃密に関係していると思います。
そういう意味では「低陽性率=低死亡者」という回帰計算結果の行間には、「低陽性率」が実現できている国の医療体制についての状況が、色々とすっ飛ばされているのだと考えられます。
PCR検査体制の拡充は、現在の感染状況の把握とその対処を考える、という観点では、どういう論理を持ち出してみても正しいし必要なことだと言わざるを得ないと思います。でも同時に、その出口戦略、大量に出現する感染者をどのようにケア・コントロールするかについての徹底的な実質を伴わなければ、政府が行っている中途半端な施策に輪をかけて中途半端な事しか出来ないと思います。
でもほんとにこれ、今の日本の体制の延長線で実現出来るのでしょうか???
埼玉では一昨日くらいからホテル借り上げを本格化しました。今まで何やってたの?とはみんなが思う事でしょうが、でもこれが如実に我々の前に示されている現体制の現状です。政府による体系的な感染者対策は今まで取られませんでしたし、ですのでこれからも期待出来ないでしょう。ホテル借り上げも現場の医療機関→市町村→都道府県→厚労省、と順番に突き上げられてようやく実現したことです。厚労省は追認して乗っかっているだけで、彼らの包括的な方策の結果実現できたことではありません。
結局全国ニュースにもならないような都道府県、市町村長選挙で、なんの気なしに○をつけた首長にその対応が委ねられているのです。彼らに国のバックアップもなく、法律的な根拠も曖昧な状態で、私権制限も伴うような包括的な処置が出来るのでしょうか??
まとめると・・・
近々、メディアなどで取りだたされている高陽性率についての警鐘について
・それを本質的に是正しようと思ったら、感染症対策を根本から変えていかなければならない
・でもそれは「絵に書いた餅」で、今の日本では出来ない(むしろ混乱を助長する)