ブログネタ:「いい人」ってどんな人?
参加中
『新宿大舞踏祭』に『阿波踊り』で出場
するため、その第二次募集に申し込んだ
三田村邦彦は早速、その準備に単身
乗り出していた。
そんな三田村がまず考えたのは徳島
出身の芸能人に誘いを掛けてること
だった。
そして三田村が徳島出身で真っ先に
思い浮かんだ人物、それは元プロ野球
選手で、現在時々、野球の解説者など
しているが、その解説に全く説得力
が無さそうな、今は完全に芸能人と
化していた坂東英二であった。
我ながら、最初に坂東に目をつけた
ことに優越感を抱いたりした三田村
であったが、彼は近々、関西で担当
している旅番組に出るため大阪に
向うことになっていた。
そこで三田村はその仕事のついでに
関西の放送局に頻繁に出入りして
いるという坂東英二に会い、『新宿
大舞踏祭』への協力を直接坂東自身
に要請してみようと考えたのだ。
そうして数日後、彼は関西へと旅立った
のである。
しかし結果から言えば坂東英二を
『新宿大舞踏祭』へと担ぎ出し、さらに
彼の人脈を頼りにする計画は見事に
失敗した。
三田村が坂東に会ったのは坂東が
頻繁に出入りしているというオカマ
バーで、そこで三田村は彼に思いの
たけをぶつけ、一緒に阿波踊りを
踊ってくれるように頼んでみたの
だが坂東は
『これはナンボ、くれんのや?』
といきなり人差し指と親指で円の
形を作り、それを三田村の眼前へと
差し出した。
『エッ?』
一瞬絶句した三田村だったが
坂東は容赦なく
『アホやな、君、世の中は金や、金、
世の中は金で動いとんのや、誰が
タダで動くゆうねん!!!』
と何の迷いもなく言った。
坂東のこの一言でその後三田村は
硬く口を閉ざすことになった。
やがて店内は坂東とオカマたちが
盛り上がる声に充ちていった。
何だか打ちのめされた気分の三田村
であったが、それでもそのオカマバー
にしばらく滞在し、酒を飲んで時間を
潰すことになった。
やがて三田村が勘定を済ませ、その店
を立ち去ろうとした時、もはや彼のこと
などすっかり忘れ去ったとでもいう
ように一人で店中のオカマを独占して
盛り上がっていた坂東が
『何や、君、もう帰るんかいな?』
と声を掛けてきた。
この時、三田村はかすかな希望を抱い
たりもした。
しかし坂東が
『まあ、これ、もって帰って、食べ』
と言ってゆで卵を数個差し出した時、
三田村の夢は完全に費え去ったの
だった。
選んだ人物が悪すぎたと思いつつ
三田村はホテルに帰る道すがら
缶ビールを一本買った。
それを飲みながら、彼は坂東英二から
もらったゆで卵を食べた。
『新宿大舞踏祭』には40人くらいの
阿波オドラーを集めて、『阿波踊り』に
挑みたいという彼の計画は頓挫した。
現在それに向けて確保しているのは
仲間の川崎麻世一人であった。
もう一人の仲間、菅マイナス8万点前
首相は暢気に四国88箇所めぐりに
出ているのだ。
こちらのほうはあてになりそうもなかった。
こうして三田村邦彦の計画はまた
振り出しに戻ったのだった。