忙しいのと暇なの、どっちがいい?  ブログネタ:忙しいのと暇なの、どっちがいい?  参加中
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朝から生バンドをバックにフラメンコを踊る。
毎日それに取り組み、一日がそのことから
始まると言う生活を続けるうち、やがて
テウィ夫人はスペイン人演奏家を招いて
『新宿大舞踏祭』に挑むと言う考えは
いつしか雲散霧消していった。
テウィ夫人は自分さえ気持ちよく踊
れさえすれば、、そんなことはもはや
どうでも良くなったのである。
そういう考えに夫人が至った経緯に
ついては彼女のバックでカホンという
打楽器を担当するホセというスペイン人
にその要因があった。
そのホセこそがスペイン人演奏家との
パイプ役であったが、その来日がほぼ
暗礁に乗り上げた時、彼は早急に
フラメンコ演奏家仲間の日本人を集め
そうして夫人の側近高橋に夫人を
『小笠原真紀子フラメンコ教室』へ
連れてくるように進言した。
その策が見事に当たったわけである。
ラテン系のスペイン人とは言え、この男
中々の策士だと言えた。

こうしてテウィ夫人は朝から気持ちのいい
充実した毎日を送ることになった。
とは言っても『新宿大舞踏祭』の開催自体
はまだ危うい状態にあった。
高橋の部下である岩田や、川上はそのこと
で東奔西走してもいた。

しかしスペイン人演奏家招聘問題をクリア
して、そのことで道が開けてきたのか
ここで驚くべきことにあるテレビ局が『新宿
大舞踏祭』のサポートを申し出てきた。
それがフジテレビであった。
彼らがこのテウィ夫人によるテウィ夫人の
ためのお祭りへのバックアップを持ちかけて
きた申し出をもちろん高橋は断わること
はなかった。
もはや夫人自身はその開催を人任せの
投げっ放しとはいえ、それが現実になること
だけは固く信じているのだ。
高橋にとっては後は野となれ、山となれと
いう心境でもあり、とにかくそのフジテレビ
の申し出を受け、『新宿大舞踏祭』開催へ
向けさらに前進することになった。

そんな裏の事情などもちろん当のテウィ
夫人は知る由もなかった。
さらにこんなこともあった。
夫人に自分のダンス教室を貸していた
小笠原真紀子先生は夫人のフラメンコを
最初に見た時、その目を覆いたくなる
ような惨状の有様に、それ以来、朝方
は姿を見せなくなっていた。
小笠原先生からすると夫人のフラメンコは
ダメだしの宝庫とも言えるシロモノだったが
先生の表情からいち早く、彼女の心情を
読み取った側近高橋は先生に
『どうか、夫人の踊りに対して、決して
口を挟まないで下さい、お願いいたし
ます』
と、彼女の前に土下座しながらも頼み込
んでいた。
その道のプロとして歯噛みする思いだった
小笠原先生であったが、そ
の高橋の願いを聞き入れたのだ。

今やテウィ夫人は世界に名を馳せた、
それこそ世界一のフラメンコダンサー
にでもなったつもりで毎朝踊っている
のは確かだった。
誰もそんな夫人を止めれるはずもなかった。

こうしてさらに夫人の狂気はさらに続いて
いくことになるのであった。