U.C.0097――。
『ラプラスの箱』が開かれて一年。
ニュータイプの存在とその権利に言及した『宇宙世紀憲章』の存在が明かされても、世界の枠組みが大きく変化することはなかった。
のちに『ラプラス事変』と呼ばれる争乱は、ネオ・ジオン残党軍『袖付き』の瓦解で終結したかに見えた。
その最後の戦闘で、2機のフル・サイコフレーム仕様のモビルスーツが、人知を超えた力を示す。 白き一角獣と黒き獅子、2機の脅威は、封印されることで人々の意識から遠ざけられ、忘れ去られるはずだった……。
しかし、2年前に消息不明となっていたRX-0 ユニコーンガンダム3号機が、地球圏に再びその姿を見せ始めた。
金色の“不死鳥”……その名は、フェネクス――
ーーー公式HPのあらすじより
感想
予告編を観ただけだと「90分で収まるんか?」と危惧してますが、単発のオリジナル作品らしくいいテンポで進んでいきスッキリまとまった終わり方でしたね。
面白いかどうかというと、面白かったです。
ただスタッフも認めてる様にUCよりかなり踏み込んだ内容になってます。
「ニュータイプ」に関しては。
この物語は3人+1の少年少女が兎にも角にもニュータイプに振り回される物語です。
ある者はニュータイプだったが故にあちらの世界に行き
ある者はニュータイプと関わったが故に背負い切れない罪を背負い
ある者はニュータイプと関わり救い出せず無力感を抱きながら生き
ある者は失敗作の烙印を押されたまま生きる
そんな感じですね。
今回の目玉MSのフェネクスはカッコイイですがどこか可愛い部分も見られます。フェネクスはUCのバナージのifと言っても差し支えません。(人で有ろうとしたユニコーン、そうじゃないフェネクス)
主役機のナラティブはとんでもスペックなMSでした。(どこがとんでもか観ていたら分かりますが、フェネクスのせいで影が薄いです)
そしてシナンジュスタインが万を持して登場。
あのデカブツを引っ提げて(笑)というのもフェネクスの目標はそのデカブツだったりするんですけどね
戦闘シーンはさすがの一言に尽きます。クライマックスではかなり熱いです。
ガランシェールのエースが出てきます。誰とは言いませんが(笑)
この物語はとにかく「ニュータイプ」が大きな根幹になってます。逆に現代を生きる我々に中々刺さる内容だと思います。
ただし僕の中ではもうニュータイプについてこれ以上の議論は最早無意味なんじゃないかな?と思うぐらい徹底して描いてはあります。
これ以上描くとガンダムはロボットアニメというガジェットから外れて単なる宗教、哲学……イデオンになるからですね。
前作のUC、富野御大が自ら結論づけた新訳Z、世界は違うがニュータイプの一つの結論を提示したXと言った具合に時代の変遷と共に考え方が変わるのがニュータイプなんじゃないかな?それだけに最後のミネバ殿下のあるセリフが如実に物語ってます。
次回作は閃ハサですが、どう繋げるか?
あのガンダム史上トップクラスのバッドエンドを迎える作品をどう描くか?気になります。
長々と書きましたが小説とかも読んで見ますか。元々「不死鳥狩り」というエピソードにヒロインの一人であるミシェルを加えて肉付けしたのが、ナラティブなんで。
今回は公開して間もない為なるだけぼかしてレビューしました。時が経てばネタバレ満載のレビューも書いて行きます。
生まれ変わったら鳥になりたいな?
ヨナは?
