成瀬巳喜男 めし | ブッチャー山のブログ

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これは下手な堂々巡りにならない爽やかさを持った、成瀬巳喜男の復活を印象付ける傑作であります。映画を単に「お話」だけしか追いかけない、繊細さな感性が埋没した輩にはわかりにくい、しかしながら、画面のクォリティーやリズム、スタッフの力の発露に敏感な輩にはわかりやすい、昨今のがさつな画面にはお目にかかりにくい、類い希なる「映画」の発露に立ち会える、極めて貴重な作品であります。風俗的な側面はまだしも、今なお現代的なセンスも凝縮されており、さり気ないプログラムピクチャーの枠のなかに、繊細な表現があれよあれよと詰め込まれていて、このモノクロの素晴らしさ、原節子、上原謙の見事なスター性ー神秘性ーと庶民的な芝居の共存も誠に素晴らしく、共存したクォリティーという意味において、この二人に勝てる作品は現在は難しいと思います。早坂文雄の音楽も素晴らしくー早坂文雄が溝口健二や黒澤明だけの作曲家ではない、良い証明ー爽やかな後味を増長させます。杉村春子、小林桂樹、杉葉子、進藤英太郎、山村聡、田中春男いやあ、すごいキャストですねえ!!黄金時代に相応しい!!