毎度おなじみの、読む人が異常に少ないテキストです。
今回は異常に長くなってしまいましたので、引用やら蛇足やら細かいのはあらかた排除してしまいました。
詳細を知りたい方は頑張って調べてください。
調べるのが面倒な方は、これはすべて妄想だとして捨て置いてください。
■序文
戦争が嫌いなのは、ほとんど人にとって、その通りだと思います。
反戦平和が理想的であるのは、間違いのないところでしょう。
そして特に戦争を嫌うのは軍人さんです。
何故ならば、いざ戦争になった時に死ぬのは、多くが軍人さんだからです。
しかし平和は何もしないことによって、無料で手に入るものではありません。
平和を維持するためには、大きなコストが必要です。
ならばその理想を実現するために、まずは現状がどうなっているか、特に軍事外交の現実はどうなっているのか研究し詳しく知り、どのようなコストを支払えば理想が実現するのか、具体的な方策を考えるのが当然であると考えます。
しかしながらそう考えない方々もいるようです。
武器がなくなれば戦争がなくなる。
軍備を置かなければ、他国は侵略してこない。
そのように考える夢想的平和主義者の方は、駄々をこねる子供のようにイヤダイヤダと言い続けるだけで、平和は実現するのだと本気で信じているのかも知れません。
なぜ軍事というものが存在するのか、なぜ戦争が発生するのか、戦争の中ではどのような手段が行使されるのか、歴史上どのような争いがあったのか、そんな基本的なことも知らない人が、反戦平和とかうわ言を述べていても、ただ呆れることしか出来ません。
逆に日本への侵略を歓迎しているのではないかとさえ、勘ぐりたくもなってしまいます。
理想を語ることは大いに結構ですが、反戦平和をただ唱えるだけで平和が実現すると考えるのであるならば、その方は思考する力のないただのバカであると断言しておきます。
■読むのがめんどくさい人用のまとめ
前置きは置いておいて、まずは今回の要約を書いておきます。
・現状沖縄に配置されているヘリに比較して、MV-22Bオスプレイの事故率は高くない。
・沖縄へのオスプレイ配備は対中防衛力強化に他ならない。
・反日暴動はオスプレイ配備に対する示威行動と読める。
・国家間の紛争を解決するにあたって、軍事力は必要不可欠である。
・日本の生命線で有るシーレーン防衛のために日米安保体制は必要不可欠である。
・沖縄にオスプレイがあれば鹿児島から台湾まで無給油でヘリボン作戦が行える。
・沖縄に米海兵隊が存在することで、中国は東シナ海において軍事的冒険が行えなくなる。
■オスプレイの事故率
大手マスコミはよくオスプレイについて「未亡人製造機」や「設計ミスの失敗機」といったような論調で、ことさら事故が多い危険な機体だと喧伝しているようです。
ただ具体的にどの程度危険なのかは、あまり聞こえて来ません。
実際のところオスプレイは他の航空機に比較して、事故を起こしやすいのでしょうか。
防衛省がそのあたりをまとめたpdfを公開していますので、記事の3ページ目を引用します。
→防衛省・自衛隊:日米安全保障体制
http://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/
→別添5:MV-22オスプレイ 事故率について(PDF:294KB)
http://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/osprey/dep_5.pdf
このグラフを見るとMV-22Bオスプレイの事故率は比較的低いものであるように感じられます。
また注釈にある通り開発段階からの事故を含んでいるのがポイントです。
実のところ2006年の正式配備から考えると、MV-22Bの墜落死亡事故は2012年4月11日のモロッコで演習中に発生した事故のみです。
つまり現在普天間で運用されているヘリに対して、相対的に事故を起こす可能性は高いわけではないと考えられます。
■辺野古移転反対の不思議
しかしながら普天間基地は、住宅地に近接しており離着陸時に何かあったら、即危険であることは確かです。
また騒音もあるでしょうから、周辺に住んでいる方には大きなストレスがかかっていることは、想像するに難くありません。
であるなら周辺に住宅も少なく滑走路が海上に向いている辺野古移転に反対するのはなぜなのでしょうか。
意味不明の主義主張のために、普天間住民の皆さんに高いストレスを掛け続けるのに、どのような正義があるのでしょうか。
少なくともオレには理解できません。
■沖縄オスプレイ配備
オスプレイの性能と沖縄の位置関係を考えると、沖縄にオスプレイが配備されることは、中国にとって大きな脅威になります。
つまりオスプレイの普天間配備はせっせと軍拡に勤しんでいる中国に対抗するものであることは自明です。
そしてそれは米軍が東シナ海有事の際に、直接的に介入するという意思表示です。
逆に沖縄から基地をなくすということは、東シナ海を中国の自由にして良いというメッセージになってしまいます。
なぜそうなのかについては後述します。
■尖閣問題と反日暴動
尖閣問題は米国による沖縄-奄美群島占領時代からくすぶっており、それが1968年の海底調査で石油資源がある可能性が出てきたことから一気に表面化し、現在まで至る歴史的経緯の連続性の中にあります。
そしてオスプレイが沖縄に配備されるという展開を受けて、中国としても黙っているわけには行きません。
しかしながらいきなり直接的に軍事的な行動を取ることは無理です。
であるので中国はあの手この手で対抗する意思表示をしています。
最近の主な動きを挙げておきます。
2009年
・鳩山政権発足→普天間基地県外移設問題
2010年
・県外移設を断念
・尖閣諸島中国漁船衝突事件→逮捕
・日本向けレアアース輸出差し止め
・中国、東シナ海を国家領土保全上「核心的利益」に属する地域と定める
2011年
・中国の漁業監視船2隻が領海侵犯
・宮古島と石垣島への陸上自衛隊配備予算計上方針を発表
2012年
・中国国家海洋局所属の船舶2隻が領海侵犯
・石原慎太郎東京都知事が尖閣の買取方針を発表
・中国の漁業監視船3隻が領海侵犯
・米空軍F-22Aラプターを嘉手納基地に暫定配備再開
・香港活動家が魚釣島上陸→逮捕
・日本政府、尖閣3島を国有化完了
・F-22Aラプターを嘉手納、グアムに過去最大の22機を展開
・中国国家海洋局所属の船舶6隻が領海侵犯
・中国、50以上の都市で反日暴動
・嘉手納基地のF-22Aラプターが初めての実弾搭載訓練飛行を実施
・MV-22Bオスプレイを普天間基地に配備
細かいことを上げるときりがないので、この程度にしておきます。
中国は共産党独裁により国民の行動を強制的に統制できる全体主義国家です。
つまり上記のような中国側の策動は、すべて国家の意志により実行されていると想定できます。
次に国家と紛争について説明します。
■ヤクザ
よくある例えに国家とはヤクザであるというものがあります。
ですのでまずはヤクザの概要を説明します。
ヤクザには支配領域としての「シマ」があり、そのシマから「シノギ」という経済的利潤を得て活動します。
シノギには支配領域からの「ミカジメ料」を含んでいます。
その地域で経済活動を行なっている団体(非合法含む)は、ヤクザに対してミカジメ料を支払うことでその活動を許されます。
逆にミカジメ料を支払うことにより、何かしらのトラブルが発生した際に、ヤクザに事態を収拾してもらえます(暴力的行為によるものを含む)。
これが典型的な地域とヤクザの関係です。
■ヤクザのメンツ
ヤクザは何にも増してシマの維持に注力します。
シマからシノギが得られるので当然ですが、それだけではありません。
シマに他のヤクザが侵入してきた場合を考えます。
ヤクザは他のヤクザの侵入に神経質なほどに敏感で、それを察知すると即座に排除します。
シマを奪いに来たのか、それともいざこざがあったのか。
色々と事情があるかもしれませんが、ヤクザは断固として排除に走るのが通常です。
なぜでしょうか。
いざこざなら放置しても終息するかも知れません。
ちょっとぐらいシマが減ってもシノギとしてはほとんど影響がないかも知れません。
だがそこは中心たる問題ではありません。
他のヤクザがシマに侵入することを放置することは、ヤクザのメンツを大きく傷つけることになります。
メンツが傷つくというのは具体的には、信頼性を失う、大したことがないと舐められる、など存在意義が問われることです。
ヤクザがシノギを得られるのは、地域の安全を保証するという前提があるからです。
それが保証されないのであれば、ミカジメ料を支払う意味はありません。
さらに他のヤクザから舐められてしまうと、次々に侵入を許してしまうことになるかも知れません。
■ヤクザのパワーバランス
しかしヤクザのパワーは必ずしも完全ではありません。
隣接するヤクザの方が規模が大きくて、抗争になったら負けてしまうかも知れません。
たとえ隣接するヤクザの規模が小さくてもその数が多ければ、同時抗争となりダメージを受けてしまう場合もあるでしょう。
その為、ヤクザはヤクザ同士で杯を交わすなどして手を結び連合します。
その連合は対等な関係の場合もあるでしょうし、力関係によってはどちらかが他方の傘下に加わる場合もあるでしょう。
その結果、大規模なヤクザ連合が構成されたりもします。
例えば山口組や稲川会、住吉会。西の方では工藤会や道仁会など多くのヤクザ連合が存在します。
■ヤクザの手打ち
ヤクザ同士の紛争、つまり「抗争」が発生したとします。
原因はいろいろとありうるでしょう。
例えば構成員同士のいざこざが次第にエスカレートするパターンや、シマを拡張する野心から積極的にしかけていくようなものまで、様々だと思います。
結果はどうなるでしょうか。
血を血で洗う抗争の末、片方の勢力が壊滅的な打撃を受けて消滅してしまう場合もあるだろうけれど、なかなかそこまでは行くケースは少ないのではないかと思います。
ならばどうなるか。
抗争を終結させる手段として「手打ち」が行われます。
手打ちは有力な親分などが仲介して、理や情勢を勘案して、誰が指を詰めるのか、シマの線引をどうするのか、金銭的な取引も含めて、交渉の結果に条件を決めて終結とする方法です。
当然交渉の力は、戦力と金の力が反映されることは間違いないでしょう。
■警察なき世のヤクザ=国家
以上は大雑把なヤクザ(指定暴力団)の説明です。
そしてヤクザの機能と、「夜警国家」としての国家機能とは驚くほど類似していることがわかります。
念のため書いておきますと、夜警国家というのは治安維持や国防といった最低限のことだけをする国家のことです。
しかし現代日本においては「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」略して「暴対法」による警察等の締め付けで、ヤクザの活動は著しく制限されていますので、ヤクザ自体の活動が縮小傾向にありますし、シノギのあり方が大きく変化しています。
以前なら街のチンピラや不良少年などをヤクザが包括し、その秩序の中に取り込んで地域の安定を担保していたのですが、ヤクザの活動が制限されることにより、チンピラのたぐいが放置され地域を跋扈するようになっていると見る向きもあるようです。
ちょっと話が脇道にそれましたが、以上から国家とヤクザは類似すると考えられます。
ですが現在の国際社会に警察は存在しません。
かつては冷戦と言って、アメリカ、ソ連がスーパーパワーとして各々の勢力圏を取り締まっていたので、紛争の発生が限定的だった時代もありました。
しかしそれも今や昔です。
国際連合がそれであると考える方もいるかも知れませんが、国際連合は国家間の寄り合いとして対話する社交場としては機能していますが、それ自体に強制力を持ちませんので警察としての機能は持っていません。
警察の取締のない世界で、ヤクザ=国家がそのパワーでしのぎを削るのが、つまり国際社会の現実です。
次に日本の状況について考えてみます。
■日本のシノギ
日本は以前に比べて貿易依存度は減少したとはいえ、加工貿易が大きな力を持っていますし、国内経済を見ても結局は海外からの原材料輸入がないと立ちいかない国であることは自明です。
特にエネルギーに関しては、そのほとんどを海外からの輸入に依存しています。
そしてその貿易のほとんどは、海上輸送によって支えられています。
つまり海上を船が安全に航行できるか否かは、日本にとって死活問題であると言えます。
■シーレーン
海上輸送を行うための航路は、地形によりおのずと決まってきます。
そしてそのような、国家にとって通商や戦略上に重要な価値があって、安全を確保すべき海上交通路のことをシーレーンと言います。
特に日本のような海上輸送が生命線である国家は、シーレーンが確保されていることが何よりも重要です。
■日本にとって重要なシーレーン
日本にとって安全を確保すべき重要なシーレーンの1つとして、石油や天然ガス等のエネルキーを輸送するルートが挙げられると思います。
これは中東からインド洋を経て東南アジアを通り日本に至るルートです。
日本は石油や天然ガスの供給元として、大きく中東に依存しています。
この中東からのシーレーンの安全に問題が発生すると、途端に日本のエネルギー供給は逼迫し干上がってしまいます。
昨今の原発削減の動きを考えると、更にその重要性は増していると考えられます。
■シーレーン上の要衝
シーレーン上には、ここを抑えられるとにっちもさっちも行かなくなる、というポイントがあります。
このような場所をチョークポイント、日本語では要衝と言います。
日本にとって重要な中東から日本に至るシーレーンにおける要衝は、ぱっと思いつくところで以下の様な場所があります。
1.ホルムズ海峡 (ペルシア湾とオマーン湾の間にあるイランとオマーンに挟まれている場所。イランが封鎖すると言ったり言わなかったりしている)
2.バブ・エル・マンデブ海峡 (紅海とアデン湾に間にあるイエメンと東アフリカのエリトリア、ジブチ国境付近の場所。アデン湾はソマリア海賊の出現ポイントで自衛隊も出張って海賊対処している)
3.マラッカ海峡 (マレー半島とスマトラ島に挟まれている場所。海賊の多いポイントでその対策に日本も大きく貢献しており、また海上保安庁が巡視艇を出して哨戒している)
4.ロンボク海峡 (インドネシア中部のロンボク島とバリ島との間の場所。マラッカ海峡を通れない大型船舶や、紛争等で南シナ海を通過できない場合の海上交通路)
5.南沙諸島 (南シナ海に浮かぶ多数の小さな島々。ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾、中国が領有権をめぐり対立している)
6.西沙諸島 (南シナ海に浮かぶ多数の小さな島々。ベトナム、台湾、中国が領有権をめぐり対立している。)
7.バシー海峡 (太平洋と南シナ海の間にある台湾島とフィリピンのルソン島に挟まれている場所)
8.台湾海峡 (東シナ海と南シナ海の間にある中華人民共和国福建省と台湾島に挟まれている場所。中国と台湾が政治的・軍事的に激しく対立している)
以上に挙げた場所以外にもあるのですが、とりあえず代表例として。
決してめんどくさくなったからではありません。
■日本のシーレーン防衛
日本はこのシーレーンを確保するために、外洋に伸びるシーレーン1000海里防衛構想を策定しました。
俗にいう中曽根航路帯というものです。
中曽根航路帯とは中曽根内閣時代に基本方針として定められたシーレーン防衛政策上の軸のことです。
幾つかの要点があるのですが、今回の話で重要なのは以下の2つです。
1.東京都の伊豆諸島から小笠原諸島を通りグアムまで至る線
2.大阪から九州、沖縄を通り台湾海峡まで至る線
この2つの線を防衛することを国家の重要な任務として策定しています。
■日米安保の必要性
中曽根交通帯の2つの線は日本が防衛すると明確にされています。
しかし自衛隊の戦力は極東周辺諸国に比して弱体であることは明確で、しかも周辺国は軍拡を行なっているのに、自衛隊は近年毎年予算が減少し絶賛軍縮中という情勢下にあります。
なので海上自衛隊は、対潜水艦戦、対機雷戦に重点をおいた戦略の元に戦力を整えています。
そしてそれ以外の機能の多くは、同盟国たる米軍に委託しているのが現状です。
また国外のシーレーンについて、自衛隊は法律上も戦力上も、ほとんどコミットすることができません。
ですのでそのシーレーンの安全確保は、第5、第7艦隊を主力とする米軍に依存しています。
つまり現状において日米安保体制が維持されなくては、日本のシーレーンは確保できないのが厳然たる事実です。
また日本に米軍基地があることで、日本に対する攻撃に対して、米軍が積極的に介入するという意思表示となります。
そういう意味でも沖縄に米軍、特に海兵隊が存在することはより重要です。
詳細な理由は後述します。
■中国の軍事戦略
中国は「海軍発展戦略」の中で第一列島線を防衛ラインと規定し、また有事の際には第二列島線まで進出すると想定しています。
ここで言う第一列島線とは、九州あたりから、沖縄、台湾、フィリピンを通って、ボルネオのあたりまでを指しているらしいです。
そしてそのラインから内側は中国が制海権、制空権を握る必要があると考えているようです。
逆説的に言うと、この第一列島線は中国の領土であると主張しているも同然です。
また第二列島線は、伊豆諸島を起点に小笠原諸島やグアム、マリアナ諸島、カロリン諸島を通ってパプアニューギニアに至る線を想定しているらしいです。
有事の際は防衛戦略上の縦深を確保するためにこの線まで進出するわけです。
まるで大日本帝国の絶対国防圏みたいですね。
中国は実際に、この第二列島線周辺でも海洋調査を行っているらしいです。
■中国にとってのシーレーン
中国は国内で石油などのエネルギーを産出していますが、近年の経済成長に伴いそれだけでは国内のエネルギー需要を満たせなくなってしまいました。
中国は石油等のエネルギーを海外からの輸入に頼っているのです。
そして中国の経済成長は中国で生産した物品を他国に売る、つまり貿易によって達成された部分が大きいです。
デジャヴを感じませんか?
そう中国も日本と同じ事情を抱えているのです。
ならば当然、中国にとってもシーレーンは重要な意味を持ちます。
しかし中国は大陸国家なので、例えば中東とも地続きです。
そこで全て地上の輸送でまかなえばいいではないかと考える人もいるかも知れません。
しかしそんなことは経済的に不可能なのです。
なぜかというと海上輸送と地上輸送では、そのコストの差が圧倒的なのです。
なので中国は無理にでも押し出して行き、シーレーンを確保する必要があるのです。
■要衝としての沖縄
ここでようやく本題です。
前置き長過ぎという非難は甘んじて受けます。
そもそも日本は細長い国ですので、防衛上の戦略的縦深がほとんどありませんから、各地に防衛戦力としての基地を置いておく必要があります。
これは地政学的必然です。
さらにそこへ中国の防衛戦略が絡んでくるわけです。
重ねて言いますが、中国が軍事大国として台頭してきた状況から、九州-沖縄ライン、特に沖縄は防衛上の重要なポイントとなります。
また台湾が中国化することは、ただでさえ無い防衛上の縦深が、さらに無くなることを意味します。
つまり国家間の紛争が無くならない残念な現在において、他国と密接している戦略的戦術的要衝である沖縄に、基地を置かないなんて選択肢は有り得ないのです。
そして直接的に基地をなくそうとする運動はナンセンスでしかないと思います。
そうである理由を具体的に挙げます。
■米国海兵隊
特筆すべき海兵隊の特徴は、その即応能力です。
他の軍隊は行動を起こすために長い準備期間が必要ですが、海兵隊は即応戦力として常に準備されているので、有事の際に素早く実力の発揮が可能です。
海兵隊が渡洋して戦力を展開する場合の典型的な方法は2つです。
1.強襲揚陸艦による水陸両用上陸作戦
2.ヘリを使用したヘリボン作戦
強襲揚陸艦による上陸作戦は、海路であることもあり足が長いのが特徴です。
大規模な水陸両用作戦には有効ですがが、いかんせん作戦地域への到着には多くの時間を要します。
ですので歩兵部隊と強襲揚陸艦の基地が近接しているしている必要はあまりありません。
ヘリボンの場合は、展開の速度が早く即応性が高くなります。
そしてヘリボンの特徴である即応性を確保するためには、歩兵部隊とヘリ部隊が近接している必要があります。
ただしヘリの航続距離は固定翼の航空機に比べても圧倒的に短いのが難点です。
そのヘリボンによる即応性は重要な意味を持ちます。
米海兵隊は沖縄駐屯に際してヘリ基地と海兵隊員と訓練施設が近接した環境が必要だとしています。
それを踏まえると沖縄から海兵隊のヘリ部隊を県外へ移転できなかった理由は簡単です。
■離島防衛
沖縄には尖閣以外にも多くの離島があります。
そして全ての離島を防衛するのは大変です。
すべての島に警備を置くわけにも行かず、空港や港などの施設がない島も多くあります。
敵はどの島を攻撃するか自身の意志で決定できますが、防御側は敵の動向により受動的に対応するしか手がありません。
また離島での戦闘は小規模な島であるという条件がありますので、大規模な戦力を動員して数で押すという通常の作戦が行いにくい環境です。
故に離島を巡る戦闘は、小規模な特殊部隊を投入しての戦いとなります。
このような小規模の特殊部隊をゲリラコマンド、略してゲリコマと呼びます。
ゲリコマ対処を行う場合に離島へ戦力投射を行う方法として、舟艇による水陸両用上陸作戦か、ヘリコプターで兵員を輸送して戦場に送り込むヘリボン作戦が有り得ます。
そして即応性と言う点ではヘリボン作戦は重要な位置を占めることとなります。
もちろん自衛隊も戦力を持っていますので、ヘリや舟艇により戦力を投射することができますが、それだけではなく日本の領土に手を出した場合、自動的に日米安保条約が発動され米軍が動くことになるということは、軍事的に大きな意味を持ちます。
■台湾防衛
そして自衛隊が手出しできないのが台湾海峡の問題です。
以前「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」略して「周辺事態法」の国会審議で、そこで記述されている周辺の地域はどこを指しているのかという話がありました。
具体的に言うと台湾海峡は含まれているのかどうかという話です。
ただ台湾海峡で紛争が発生した場合に、周辺事態法を適用するとしても、米軍の後方支援までしか出来ません。
自衛隊が直接的に戦力を投入して戦闘を行うことはできないのです。
しかしながらシーレーン防衛という意味で、台湾有事は日本にとって他人事ではありません。
そしてそのまま台湾が中国に併合された場合、シーレーンに対する脅威は恒常的となりますし、最前線としての沖縄の存在がより重要性を増すことになります。
台湾の次が沖縄なのは、地図を見れば当たり前のように理解できるはずです。
また台湾を抑えれば、中国は東シナ海を越え第二列島線まで自由に出ることが可能になり、いとも簡単に日本のシーレーンを脅かすことが可能となります。
つまり台湾有事に対応するためには、米軍の存在が欠かせません。
特に沖縄に米海兵隊のヘリ基地があることは重要となります。
■中国の可能行動
中国の対台湾戦で東シナ海における作戦として想定できるのは以下の4つぐらいだと考えます。
1.海上封鎖
2.ゲリラコマンドを含む限定目標攻撃
3.航空爆撃とミサイルによる限定攻撃
4.水陸両用上陸作戦
1の海上封鎖はもちろん船舶の航行という意味では問題になりますが、台湾軍と米軍が積極的に対応する意志を示すことで地域を限定し、影響力を封じ込めることが可能です。
3と4は大規模攻勢ということになりますので、中国軍も準備期間が必要となります。
そして大規模に軍を動かすとなると、その動きをすべて隠蔽することは不可能ですので、ある程度の余裕を持って対応することが可能です。
また現状では台湾海峡において台湾軍は勢力として無力ではなく、そこに米軍が加われば、中国側の意図をくじくことが可能です。
厄介なのは2です。
例えば奇襲的に空軍によって一時的にでも制空権を確保し、そこにヘリボンにより特殊部隊を送り込み、重要施設の破壊や、要人の誘拐や殺害などが行われるケースが考えられます。
そのような作戦で指揮系統を破壊されてしまうと、台湾軍は身動きが取れなくなってしまいます。
その隙に現地に潜入した特殊部隊によるゲリラ攻撃を行ったり、シンパによる武装蜂起を行わせたり、また大規模な作戦を行える環境に持って行くことができます。
そのような奇襲を想定すると、米軍側も緊急的に展開できる戦力が必要です。
すなわちヘリボンにより海兵隊員を送り込んで、要人や重要施設を保護する等の要があります。
その援護のために嘉手納、グアムの米空軍の戦闘機部隊も年々強化されています。
そんなことは台湾軍が対応すればいいじゃないとする向きもあるかも知れません。
しかし台湾軍単独で中国に対抗することはどれほど可能でしょうか。
また台湾に素早く米軍が進出してコミット出来る体制を持っておくことは、中国にとって大きな脅威となります。
台湾国内で米軍と戦うことになってしまえば、いくら一時的に台湾を掌握しても米軍が大兵力を投入して来ることになるのですから。
軍拡に勤しむ中国共産党の人民解放軍と言えども、米軍と本気で殴り合えば到底勝ち目はありません。
逆に米海兵隊が、例えば沖縄からグアムあたりに移転してしまえば、中国はそのことを気にしなくても良いと考えるかも知れません。つまりアメリカが台湾有事にコミットしないという意思表示だと、中国に間違ったメッセージを送ることになってしまうかもしれないのです。
■沖縄の位置
ヘリボン作戦を行うにあたって、ヘリの航続距離の問題があります。
まずは普天間基地のある宜野湾市を中心にして、尖閣や台湾がどれほどの距離にあるのか地図を示します。
同心円は100km単位で引いています。
距離は概ね以下の通りです。
・魚釣島まで470km程度
・与那国島まで530km程度
・台北まで650km程度
■米海兵隊が現在運用しているヘリ
次に米海兵隊のヘリがどれぐらいの距離を飛べるのでしょうか?
沖縄の海兵隊が現在運用しているヘリはCH-46EシーナイトとCH-53Eスーパースタリオンです。
航空機は作戦を行うにあたって、飛び立って作戦を行う地域まで飛行し、作戦を行い、帰還するという行程が必要になります。
そして作戦を行う場合にどれほ遠くまで飛べるかを示すのが戦闘行動半径です。
それぞれの戦闘行動半径は軍事機密なので公表されていません。
ですのでオレの個人的な推定では、海兵隊員を20余人ぐらいを搭乗させるとして、なんとなく以下に示した程度だと思われます。
・CH-46Eシーナイト 推定戦闘行動半径 200km程度
・CH-53Eスーパースタリオン 推定戦闘行動半径 400km程度
残念ながらこれらのヘリでは直接に尖閣や台湾までは到達できません。
宮古群島なら300kmぐらいですので、CH-53Eなら下地島空港を経由すれば台湾まで十分に到達できますし、空中給油することでも到達することは可能であると考えられます。
しかしそのような手順を踏むことは作戦を複雑化させますし、また展開速度も低下してしまいます。
■MV-22Bオスプレイ
そして新しく沖縄に配備されたオスプレイの推定戦闘行動半径は以下の通りです。
・MV-22Bオスプレイ 推定戦闘行動半径 700km程度
オスプレイならば先島諸島のみならず、台北まで給油を行うことなく、余裕を持って直接に作戦を行うことができます。
さらに九州までもその行動半径に入るのですから大変に効率が良いです。
またオスプレイの利点として飛行速度が早いという点が挙げられます。
さすがにジェット機並みとは行きませんが、従来のヘリに比べ概ね1.5倍程度の速度が出ます。
この足の長さと速さがあれば、より迅速な展開が可能になります。
■安易な軍縮は日米安保への依存性を増す
このような環境下で基地を縮小したり、軍縮を行うのは米国依存を高めてしまうという、残念な効果があります。
日米のパワーバランスが変化し、より米国の方針に対してモノを言うことが難しくなるわけです。
それは果たして日本の国益に叶うのでしょうか?
■外交的解決
外交は端的に言って、国益を獲得するための戦いです。
外交で解決しないのなら、実力を行使する。
ここでの実力とは、軍事的また経済的なカード等を指します。
その前提があるから、交渉の綱引きが行えるのです。
また軍事同盟は、双方に利益があるからこそ成立します。
国家にとって同盟関係が利益を生まないのであれば、当然同盟関係は解消されます。
国家同士の関係に、友情は存在しません。
ただ相互の国益の衝突、それだけがあるのみです。
これらは社会人生活を行ったことがあるならば、当然理解できる概念です。
会社間では、その力関係によって交渉が行われ、取引が決まったり決まらなかったりします。
それは自明なことなのです。
■沖縄に米軍、自衛隊基地がなくなる日
最後に余談ですが、沖縄に自衛隊や米軍の基地を置かなくて良くなる条件を考えてみました。
それは 「沖縄が日本領ではなくなること」 です。
その時にどこの国の軍隊が、沖縄に駐留しているのかは知りません。
以上。
今回は異常に長くなってしまいましたので、引用やら蛇足やら細かいのはあらかた排除してしまいました。
詳細を知りたい方は頑張って調べてください。
調べるのが面倒な方は、これはすべて妄想だとして捨て置いてください。
■序文
戦争が嫌いなのは、ほとんど人にとって、その通りだと思います。
反戦平和が理想的であるのは、間違いのないところでしょう。
そして特に戦争を嫌うのは軍人さんです。
何故ならば、いざ戦争になった時に死ぬのは、多くが軍人さんだからです。
しかし平和は何もしないことによって、無料で手に入るものではありません。
平和を維持するためには、大きなコストが必要です。
ならばその理想を実現するために、まずは現状がどうなっているか、特に軍事外交の現実はどうなっているのか研究し詳しく知り、どのようなコストを支払えば理想が実現するのか、具体的な方策を考えるのが当然であると考えます。
しかしながらそう考えない方々もいるようです。
武器がなくなれば戦争がなくなる。
軍備を置かなければ、他国は侵略してこない。
そのように考える夢想的平和主義者の方は、駄々をこねる子供のようにイヤダイヤダと言い続けるだけで、平和は実現するのだと本気で信じているのかも知れません。
なぜ軍事というものが存在するのか、なぜ戦争が発生するのか、戦争の中ではどのような手段が行使されるのか、歴史上どのような争いがあったのか、そんな基本的なことも知らない人が、反戦平和とかうわ言を述べていても、ただ呆れることしか出来ません。
逆に日本への侵略を歓迎しているのではないかとさえ、勘ぐりたくもなってしまいます。
理想を語ることは大いに結構ですが、反戦平和をただ唱えるだけで平和が実現すると考えるのであるならば、その方は思考する力のないただのバカであると断言しておきます。
■読むのがめんどくさい人用のまとめ
前置きは置いておいて、まずは今回の要約を書いておきます。
・現状沖縄に配置されているヘリに比較して、MV-22Bオスプレイの事故率は高くない。
・沖縄へのオスプレイ配備は対中防衛力強化に他ならない。
・反日暴動はオスプレイ配備に対する示威行動と読める。
・国家間の紛争を解決するにあたって、軍事力は必要不可欠である。
・日本の生命線で有るシーレーン防衛のために日米安保体制は必要不可欠である。
・沖縄にオスプレイがあれば鹿児島から台湾まで無給油でヘリボン作戦が行える。
・沖縄に米海兵隊が存在することで、中国は東シナ海において軍事的冒険が行えなくなる。
■オスプレイの事故率
大手マスコミはよくオスプレイについて「未亡人製造機」や「設計ミスの失敗機」といったような論調で、ことさら事故が多い危険な機体だと喧伝しているようです。
ただ具体的にどの程度危険なのかは、あまり聞こえて来ません。
実際のところオスプレイは他の航空機に比較して、事故を起こしやすいのでしょうか。
防衛省がそのあたりをまとめたpdfを公開していますので、記事の3ページ目を引用します。
→防衛省・自衛隊:日米安全保障体制
http://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/
→別添5:MV-22オスプレイ 事故率について(PDF:294KB)
http://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/osprey/dep_5.pdf
このグラフを見るとMV-22Bオスプレイの事故率は比較的低いものであるように感じられます。
また注釈にある通り開発段階からの事故を含んでいるのがポイントです。
実のところ2006年の正式配備から考えると、MV-22Bの墜落死亡事故は2012年4月11日のモロッコで演習中に発生した事故のみです。
つまり現在普天間で運用されているヘリに対して、相対的に事故を起こす可能性は高いわけではないと考えられます。
■辺野古移転反対の不思議
しかしながら普天間基地は、住宅地に近接しており離着陸時に何かあったら、即危険であることは確かです。
また騒音もあるでしょうから、周辺に住んでいる方には大きなストレスがかかっていることは、想像するに難くありません。
であるなら周辺に住宅も少なく滑走路が海上に向いている辺野古移転に反対するのはなぜなのでしょうか。
意味不明の主義主張のために、普天間住民の皆さんに高いストレスを掛け続けるのに、どのような正義があるのでしょうか。
少なくともオレには理解できません。
■沖縄オスプレイ配備
オスプレイの性能と沖縄の位置関係を考えると、沖縄にオスプレイが配備されることは、中国にとって大きな脅威になります。
つまりオスプレイの普天間配備はせっせと軍拡に勤しんでいる中国に対抗するものであることは自明です。
そしてそれは米軍が東シナ海有事の際に、直接的に介入するという意思表示です。
逆に沖縄から基地をなくすということは、東シナ海を中国の自由にして良いというメッセージになってしまいます。
なぜそうなのかについては後述します。
■尖閣問題と反日暴動
尖閣問題は米国による沖縄-奄美群島占領時代からくすぶっており、それが1968年の海底調査で石油資源がある可能性が出てきたことから一気に表面化し、現在まで至る歴史的経緯の連続性の中にあります。
そしてオスプレイが沖縄に配備されるという展開を受けて、中国としても黙っているわけには行きません。
しかしながらいきなり直接的に軍事的な行動を取ることは無理です。
であるので中国はあの手この手で対抗する意思表示をしています。
最近の主な動きを挙げておきます。
2009年
・鳩山政権発足→普天間基地県外移設問題
2010年
・県外移設を断念
・尖閣諸島中国漁船衝突事件→逮捕
・日本向けレアアース輸出差し止め
・中国、東シナ海を国家領土保全上「核心的利益」に属する地域と定める
2011年
・中国の漁業監視船2隻が領海侵犯
・宮古島と石垣島への陸上自衛隊配備予算計上方針を発表
2012年
・中国国家海洋局所属の船舶2隻が領海侵犯
・石原慎太郎東京都知事が尖閣の買取方針を発表
・中国の漁業監視船3隻が領海侵犯
・米空軍F-22Aラプターを嘉手納基地に暫定配備再開
・香港活動家が魚釣島上陸→逮捕
・日本政府、尖閣3島を国有化完了
・F-22Aラプターを嘉手納、グアムに過去最大の22機を展開
・中国国家海洋局所属の船舶6隻が領海侵犯
・中国、50以上の都市で反日暴動
・嘉手納基地のF-22Aラプターが初めての実弾搭載訓練飛行を実施
・MV-22Bオスプレイを普天間基地に配備
細かいことを上げるときりがないので、この程度にしておきます。
中国は共産党独裁により国民の行動を強制的に統制できる全体主義国家です。
つまり上記のような中国側の策動は、すべて国家の意志により実行されていると想定できます。
次に国家と紛争について説明します。
■ヤクザ
よくある例えに国家とはヤクザであるというものがあります。
ですのでまずはヤクザの概要を説明します。
ヤクザには支配領域としての「シマ」があり、そのシマから「シノギ」という経済的利潤を得て活動します。
シノギには支配領域からの「ミカジメ料」を含んでいます。
その地域で経済活動を行なっている団体(非合法含む)は、ヤクザに対してミカジメ料を支払うことでその活動を許されます。
逆にミカジメ料を支払うことにより、何かしらのトラブルが発生した際に、ヤクザに事態を収拾してもらえます(暴力的行為によるものを含む)。
これが典型的な地域とヤクザの関係です。
■ヤクザのメンツ
ヤクザは何にも増してシマの維持に注力します。
シマからシノギが得られるので当然ですが、それだけではありません。
シマに他のヤクザが侵入してきた場合を考えます。
ヤクザは他のヤクザの侵入に神経質なほどに敏感で、それを察知すると即座に排除します。
シマを奪いに来たのか、それともいざこざがあったのか。
色々と事情があるかもしれませんが、ヤクザは断固として排除に走るのが通常です。
なぜでしょうか。
いざこざなら放置しても終息するかも知れません。
ちょっとぐらいシマが減ってもシノギとしてはほとんど影響がないかも知れません。
だがそこは中心たる問題ではありません。
他のヤクザがシマに侵入することを放置することは、ヤクザのメンツを大きく傷つけることになります。
メンツが傷つくというのは具体的には、信頼性を失う、大したことがないと舐められる、など存在意義が問われることです。
ヤクザがシノギを得られるのは、地域の安全を保証するという前提があるからです。
それが保証されないのであれば、ミカジメ料を支払う意味はありません。
さらに他のヤクザから舐められてしまうと、次々に侵入を許してしまうことになるかも知れません。
■ヤクザのパワーバランス
しかしヤクザのパワーは必ずしも完全ではありません。
隣接するヤクザの方が規模が大きくて、抗争になったら負けてしまうかも知れません。
たとえ隣接するヤクザの規模が小さくてもその数が多ければ、同時抗争となりダメージを受けてしまう場合もあるでしょう。
その為、ヤクザはヤクザ同士で杯を交わすなどして手を結び連合します。
その連合は対等な関係の場合もあるでしょうし、力関係によってはどちらかが他方の傘下に加わる場合もあるでしょう。
その結果、大規模なヤクザ連合が構成されたりもします。
例えば山口組や稲川会、住吉会。西の方では工藤会や道仁会など多くのヤクザ連合が存在します。
■ヤクザの手打ち
ヤクザ同士の紛争、つまり「抗争」が発生したとします。
原因はいろいろとありうるでしょう。
例えば構成員同士のいざこざが次第にエスカレートするパターンや、シマを拡張する野心から積極的にしかけていくようなものまで、様々だと思います。
結果はどうなるでしょうか。
血を血で洗う抗争の末、片方の勢力が壊滅的な打撃を受けて消滅してしまう場合もあるだろうけれど、なかなかそこまでは行くケースは少ないのではないかと思います。
ならばどうなるか。
抗争を終結させる手段として「手打ち」が行われます。
手打ちは有力な親分などが仲介して、理や情勢を勘案して、誰が指を詰めるのか、シマの線引をどうするのか、金銭的な取引も含めて、交渉の結果に条件を決めて終結とする方法です。
当然交渉の力は、戦力と金の力が反映されることは間違いないでしょう。
■警察なき世のヤクザ=国家
以上は大雑把なヤクザ(指定暴力団)の説明です。
そしてヤクザの機能と、「夜警国家」としての国家機能とは驚くほど類似していることがわかります。
念のため書いておきますと、夜警国家というのは治安維持や国防といった最低限のことだけをする国家のことです。
しかし現代日本においては「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」略して「暴対法」による警察等の締め付けで、ヤクザの活動は著しく制限されていますので、ヤクザ自体の活動が縮小傾向にありますし、シノギのあり方が大きく変化しています。
以前なら街のチンピラや不良少年などをヤクザが包括し、その秩序の中に取り込んで地域の安定を担保していたのですが、ヤクザの活動が制限されることにより、チンピラのたぐいが放置され地域を跋扈するようになっていると見る向きもあるようです。
ちょっと話が脇道にそれましたが、以上から国家とヤクザは類似すると考えられます。
ですが現在の国際社会に警察は存在しません。
かつては冷戦と言って、アメリカ、ソ連がスーパーパワーとして各々の勢力圏を取り締まっていたので、紛争の発生が限定的だった時代もありました。
しかしそれも今や昔です。
国際連合がそれであると考える方もいるかも知れませんが、国際連合は国家間の寄り合いとして対話する社交場としては機能していますが、それ自体に強制力を持ちませんので警察としての機能は持っていません。
警察の取締のない世界で、ヤクザ=国家がそのパワーでしのぎを削るのが、つまり国際社会の現実です。
次に日本の状況について考えてみます。
■日本のシノギ
日本は以前に比べて貿易依存度は減少したとはいえ、加工貿易が大きな力を持っていますし、国内経済を見ても結局は海外からの原材料輸入がないと立ちいかない国であることは自明です。
特にエネルギーに関しては、そのほとんどを海外からの輸入に依存しています。
そしてその貿易のほとんどは、海上輸送によって支えられています。
つまり海上を船が安全に航行できるか否かは、日本にとって死活問題であると言えます。
■シーレーン
海上輸送を行うための航路は、地形によりおのずと決まってきます。
そしてそのような、国家にとって通商や戦略上に重要な価値があって、安全を確保すべき海上交通路のことをシーレーンと言います。
特に日本のような海上輸送が生命線である国家は、シーレーンが確保されていることが何よりも重要です。
■日本にとって重要なシーレーン
日本にとって安全を確保すべき重要なシーレーンの1つとして、石油や天然ガス等のエネルキーを輸送するルートが挙げられると思います。
これは中東からインド洋を経て東南アジアを通り日本に至るルートです。
日本は石油や天然ガスの供給元として、大きく中東に依存しています。
この中東からのシーレーンの安全に問題が発生すると、途端に日本のエネルギー供給は逼迫し干上がってしまいます。
昨今の原発削減の動きを考えると、更にその重要性は増していると考えられます。
■シーレーン上の要衝
シーレーン上には、ここを抑えられるとにっちもさっちも行かなくなる、というポイントがあります。
このような場所をチョークポイント、日本語では要衝と言います。
日本にとって重要な中東から日本に至るシーレーンにおける要衝は、ぱっと思いつくところで以下の様な場所があります。
1.ホルムズ海峡 (ペルシア湾とオマーン湾の間にあるイランとオマーンに挟まれている場所。イランが封鎖すると言ったり言わなかったりしている)
2.バブ・エル・マンデブ海峡 (紅海とアデン湾に間にあるイエメンと東アフリカのエリトリア、ジブチ国境付近の場所。アデン湾はソマリア海賊の出現ポイントで自衛隊も出張って海賊対処している)
3.マラッカ海峡 (マレー半島とスマトラ島に挟まれている場所。海賊の多いポイントでその対策に日本も大きく貢献しており、また海上保安庁が巡視艇を出して哨戒している)
4.ロンボク海峡 (インドネシア中部のロンボク島とバリ島との間の場所。マラッカ海峡を通れない大型船舶や、紛争等で南シナ海を通過できない場合の海上交通路)
5.南沙諸島 (南シナ海に浮かぶ多数の小さな島々。ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾、中国が領有権をめぐり対立している)
6.西沙諸島 (南シナ海に浮かぶ多数の小さな島々。ベトナム、台湾、中国が領有権をめぐり対立している。)
7.バシー海峡 (太平洋と南シナ海の間にある台湾島とフィリピンのルソン島に挟まれている場所)
8.台湾海峡 (東シナ海と南シナ海の間にある中華人民共和国福建省と台湾島に挟まれている場所。中国と台湾が政治的・軍事的に激しく対立している)
以上に挙げた場所以外にもあるのですが、とりあえず代表例として。
決してめんどくさくなったからではありません。
■日本のシーレーン防衛
日本はこのシーレーンを確保するために、外洋に伸びるシーレーン1000海里防衛構想を策定しました。
俗にいう中曽根航路帯というものです。
中曽根航路帯とは中曽根内閣時代に基本方針として定められたシーレーン防衛政策上の軸のことです。
幾つかの要点があるのですが、今回の話で重要なのは以下の2つです。
1.東京都の伊豆諸島から小笠原諸島を通りグアムまで至る線
2.大阪から九州、沖縄を通り台湾海峡まで至る線
この2つの線を防衛することを国家の重要な任務として策定しています。
■日米安保の必要性
中曽根交通帯の2つの線は日本が防衛すると明確にされています。
しかし自衛隊の戦力は極東周辺諸国に比して弱体であることは明確で、しかも周辺国は軍拡を行なっているのに、自衛隊は近年毎年予算が減少し絶賛軍縮中という情勢下にあります。
なので海上自衛隊は、対潜水艦戦、対機雷戦に重点をおいた戦略の元に戦力を整えています。
そしてそれ以外の機能の多くは、同盟国たる米軍に委託しているのが現状です。
また国外のシーレーンについて、自衛隊は法律上も戦力上も、ほとんどコミットすることができません。
ですのでそのシーレーンの安全確保は、第5、第7艦隊を主力とする米軍に依存しています。
つまり現状において日米安保体制が維持されなくては、日本のシーレーンは確保できないのが厳然たる事実です。
また日本に米軍基地があることで、日本に対する攻撃に対して、米軍が積極的に介入するという意思表示となります。
そういう意味でも沖縄に米軍、特に海兵隊が存在することはより重要です。
詳細な理由は後述します。
■中国の軍事戦略
中国は「海軍発展戦略」の中で第一列島線を防衛ラインと規定し、また有事の際には第二列島線まで進出すると想定しています。
ここで言う第一列島線とは、九州あたりから、沖縄、台湾、フィリピンを通って、ボルネオのあたりまでを指しているらしいです。
そしてそのラインから内側は中国が制海権、制空権を握る必要があると考えているようです。
逆説的に言うと、この第一列島線は中国の領土であると主張しているも同然です。
また第二列島線は、伊豆諸島を起点に小笠原諸島やグアム、マリアナ諸島、カロリン諸島を通ってパプアニューギニアに至る線を想定しているらしいです。
有事の際は防衛戦略上の縦深を確保するためにこの線まで進出するわけです。
まるで大日本帝国の絶対国防圏みたいですね。
中国は実際に、この第二列島線周辺でも海洋調査を行っているらしいです。
■中国にとってのシーレーン
中国は国内で石油などのエネルギーを産出していますが、近年の経済成長に伴いそれだけでは国内のエネルギー需要を満たせなくなってしまいました。
中国は石油等のエネルギーを海外からの輸入に頼っているのです。
そして中国の経済成長は中国で生産した物品を他国に売る、つまり貿易によって達成された部分が大きいです。
デジャヴを感じませんか?
そう中国も日本と同じ事情を抱えているのです。
ならば当然、中国にとってもシーレーンは重要な意味を持ちます。
しかし中国は大陸国家なので、例えば中東とも地続きです。
そこで全て地上の輸送でまかなえばいいではないかと考える人もいるかも知れません。
しかしそんなことは経済的に不可能なのです。
なぜかというと海上輸送と地上輸送では、そのコストの差が圧倒的なのです。
なので中国は無理にでも押し出して行き、シーレーンを確保する必要があるのです。
■要衝としての沖縄
ここでようやく本題です。
前置き長過ぎという非難は甘んじて受けます。
そもそも日本は細長い国ですので、防衛上の戦略的縦深がほとんどありませんから、各地に防衛戦力としての基地を置いておく必要があります。
これは地政学的必然です。
さらにそこへ中国の防衛戦略が絡んでくるわけです。
重ねて言いますが、中国が軍事大国として台頭してきた状況から、九州-沖縄ライン、特に沖縄は防衛上の重要なポイントとなります。
また台湾が中国化することは、ただでさえ無い防衛上の縦深が、さらに無くなることを意味します。
つまり国家間の紛争が無くならない残念な現在において、他国と密接している戦略的戦術的要衝である沖縄に、基地を置かないなんて選択肢は有り得ないのです。
そして直接的に基地をなくそうとする運動はナンセンスでしかないと思います。
そうである理由を具体的に挙げます。
■米国海兵隊
特筆すべき海兵隊の特徴は、その即応能力です。
他の軍隊は行動を起こすために長い準備期間が必要ですが、海兵隊は即応戦力として常に準備されているので、有事の際に素早く実力の発揮が可能です。
海兵隊が渡洋して戦力を展開する場合の典型的な方法は2つです。
1.強襲揚陸艦による水陸両用上陸作戦
2.ヘリを使用したヘリボン作戦
強襲揚陸艦による上陸作戦は、海路であることもあり足が長いのが特徴です。
大規模な水陸両用作戦には有効ですがが、いかんせん作戦地域への到着には多くの時間を要します。
ですので歩兵部隊と強襲揚陸艦の基地が近接しているしている必要はあまりありません。
ヘリボンの場合は、展開の速度が早く即応性が高くなります。
そしてヘリボンの特徴である即応性を確保するためには、歩兵部隊とヘリ部隊が近接している必要があります。
ただしヘリの航続距離は固定翼の航空機に比べても圧倒的に短いのが難点です。
そのヘリボンによる即応性は重要な意味を持ちます。
米海兵隊は沖縄駐屯に際してヘリ基地と海兵隊員と訓練施設が近接した環境が必要だとしています。
それを踏まえると沖縄から海兵隊のヘリ部隊を県外へ移転できなかった理由は簡単です。
■離島防衛
沖縄には尖閣以外にも多くの離島があります。
そして全ての離島を防衛するのは大変です。
すべての島に警備を置くわけにも行かず、空港や港などの施設がない島も多くあります。
敵はどの島を攻撃するか自身の意志で決定できますが、防御側は敵の動向により受動的に対応するしか手がありません。
また離島での戦闘は小規模な島であるという条件がありますので、大規模な戦力を動員して数で押すという通常の作戦が行いにくい環境です。
故に離島を巡る戦闘は、小規模な特殊部隊を投入しての戦いとなります。
このような小規模の特殊部隊をゲリラコマンド、略してゲリコマと呼びます。
ゲリコマ対処を行う場合に離島へ戦力投射を行う方法として、舟艇による水陸両用上陸作戦か、ヘリコプターで兵員を輸送して戦場に送り込むヘリボン作戦が有り得ます。
そして即応性と言う点ではヘリボン作戦は重要な位置を占めることとなります。
もちろん自衛隊も戦力を持っていますので、ヘリや舟艇により戦力を投射することができますが、それだけではなく日本の領土に手を出した場合、自動的に日米安保条約が発動され米軍が動くことになるということは、軍事的に大きな意味を持ちます。
■台湾防衛
そして自衛隊が手出しできないのが台湾海峡の問題です。
以前「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」略して「周辺事態法」の国会審議で、そこで記述されている周辺の地域はどこを指しているのかという話がありました。
具体的に言うと台湾海峡は含まれているのかどうかという話です。
ただ台湾海峡で紛争が発生した場合に、周辺事態法を適用するとしても、米軍の後方支援までしか出来ません。
自衛隊が直接的に戦力を投入して戦闘を行うことはできないのです。
しかしながらシーレーン防衛という意味で、台湾有事は日本にとって他人事ではありません。
そしてそのまま台湾が中国に併合された場合、シーレーンに対する脅威は恒常的となりますし、最前線としての沖縄の存在がより重要性を増すことになります。
台湾の次が沖縄なのは、地図を見れば当たり前のように理解できるはずです。
また台湾を抑えれば、中国は東シナ海を越え第二列島線まで自由に出ることが可能になり、いとも簡単に日本のシーレーンを脅かすことが可能となります。
つまり台湾有事に対応するためには、米軍の存在が欠かせません。
特に沖縄に米海兵隊のヘリ基地があることは重要となります。
■中国の可能行動
中国の対台湾戦で東シナ海における作戦として想定できるのは以下の4つぐらいだと考えます。
1.海上封鎖
2.ゲリラコマンドを含む限定目標攻撃
3.航空爆撃とミサイルによる限定攻撃
4.水陸両用上陸作戦
1の海上封鎖はもちろん船舶の航行という意味では問題になりますが、台湾軍と米軍が積極的に対応する意志を示すことで地域を限定し、影響力を封じ込めることが可能です。
3と4は大規模攻勢ということになりますので、中国軍も準備期間が必要となります。
そして大規模に軍を動かすとなると、その動きをすべて隠蔽することは不可能ですので、ある程度の余裕を持って対応することが可能です。
また現状では台湾海峡において台湾軍は勢力として無力ではなく、そこに米軍が加われば、中国側の意図をくじくことが可能です。
厄介なのは2です。
例えば奇襲的に空軍によって一時的にでも制空権を確保し、そこにヘリボンにより特殊部隊を送り込み、重要施設の破壊や、要人の誘拐や殺害などが行われるケースが考えられます。
そのような作戦で指揮系統を破壊されてしまうと、台湾軍は身動きが取れなくなってしまいます。
その隙に現地に潜入した特殊部隊によるゲリラ攻撃を行ったり、シンパによる武装蜂起を行わせたり、また大規模な作戦を行える環境に持って行くことができます。
そのような奇襲を想定すると、米軍側も緊急的に展開できる戦力が必要です。
すなわちヘリボンにより海兵隊員を送り込んで、要人や重要施設を保護する等の要があります。
その援護のために嘉手納、グアムの米空軍の戦闘機部隊も年々強化されています。
そんなことは台湾軍が対応すればいいじゃないとする向きもあるかも知れません。
しかし台湾軍単独で中国に対抗することはどれほど可能でしょうか。
また台湾に素早く米軍が進出してコミット出来る体制を持っておくことは、中国にとって大きな脅威となります。
台湾国内で米軍と戦うことになってしまえば、いくら一時的に台湾を掌握しても米軍が大兵力を投入して来ることになるのですから。
軍拡に勤しむ中国共産党の人民解放軍と言えども、米軍と本気で殴り合えば到底勝ち目はありません。
逆に米海兵隊が、例えば沖縄からグアムあたりに移転してしまえば、中国はそのことを気にしなくても良いと考えるかも知れません。つまりアメリカが台湾有事にコミットしないという意思表示だと、中国に間違ったメッセージを送ることになってしまうかもしれないのです。
■沖縄の位置
ヘリボン作戦を行うにあたって、ヘリの航続距離の問題があります。
まずは普天間基地のある宜野湾市を中心にして、尖閣や台湾がどれほどの距離にあるのか地図を示します。
同心円は100km単位で引いています。
距離は概ね以下の通りです。
・魚釣島まで470km程度
・与那国島まで530km程度
・台北まで650km程度
■米海兵隊が現在運用しているヘリ
次に米海兵隊のヘリがどれぐらいの距離を飛べるのでしょうか?
沖縄の海兵隊が現在運用しているヘリはCH-46EシーナイトとCH-53Eスーパースタリオンです。
航空機は作戦を行うにあたって、飛び立って作戦を行う地域まで飛行し、作戦を行い、帰還するという行程が必要になります。
そして作戦を行う場合にどれほ遠くまで飛べるかを示すのが戦闘行動半径です。
それぞれの戦闘行動半径は軍事機密なので公表されていません。
ですのでオレの個人的な推定では、海兵隊員を20余人ぐらいを搭乗させるとして、なんとなく以下に示した程度だと思われます。
・CH-46Eシーナイト 推定戦闘行動半径 200km程度
・CH-53Eスーパースタリオン 推定戦闘行動半径 400km程度
残念ながらこれらのヘリでは直接に尖閣や台湾までは到達できません。
宮古群島なら300kmぐらいですので、CH-53Eなら下地島空港を経由すれば台湾まで十分に到達できますし、空中給油することでも到達することは可能であると考えられます。
しかしそのような手順を踏むことは作戦を複雑化させますし、また展開速度も低下してしまいます。
■MV-22Bオスプレイ
そして新しく沖縄に配備されたオスプレイの推定戦闘行動半径は以下の通りです。
・MV-22Bオスプレイ 推定戦闘行動半径 700km程度
オスプレイならば先島諸島のみならず、台北まで給油を行うことなく、余裕を持って直接に作戦を行うことができます。
さらに九州までもその行動半径に入るのですから大変に効率が良いです。
またオスプレイの利点として飛行速度が早いという点が挙げられます。
さすがにジェット機並みとは行きませんが、従来のヘリに比べ概ね1.5倍程度の速度が出ます。
この足の長さと速さがあれば、より迅速な展開が可能になります。
■安易な軍縮は日米安保への依存性を増す
このような環境下で基地を縮小したり、軍縮を行うのは米国依存を高めてしまうという、残念な効果があります。
日米のパワーバランスが変化し、より米国の方針に対してモノを言うことが難しくなるわけです。
それは果たして日本の国益に叶うのでしょうか?
■外交的解決
外交は端的に言って、国益を獲得するための戦いです。
外交で解決しないのなら、実力を行使する。
ここでの実力とは、軍事的また経済的なカード等を指します。
その前提があるから、交渉の綱引きが行えるのです。
また軍事同盟は、双方に利益があるからこそ成立します。
国家にとって同盟関係が利益を生まないのであれば、当然同盟関係は解消されます。
国家同士の関係に、友情は存在しません。
ただ相互の国益の衝突、それだけがあるのみです。
これらは社会人生活を行ったことがあるならば、当然理解できる概念です。
会社間では、その力関係によって交渉が行われ、取引が決まったり決まらなかったりします。
それは自明なことなのです。
■沖縄に米軍、自衛隊基地がなくなる日
最後に余談ですが、沖縄に自衛隊や米軍の基地を置かなくて良くなる条件を考えてみました。
それは 「沖縄が日本領ではなくなること」 です。
その時にどこの国の軍隊が、沖縄に駐留しているのかは知りません。
以上。
今回オススメする漫画は講談社の月刊漫画誌「マガジンSPECIAL」で、連載されていた漫画「我妻さんは俺のヨメ」です。
先日発売された2巻を見ると、「週刊少年マガジン」へ昇格移籍になったようで、おめでとうございます。
この漫画を週刊ペースで読めるのは、嬉しくもあり、ちょっと心配な気もしますが、それは未来のこととしておきます。
ではこの漫画を紹介していきます。
■あらすじ
突然タイムスリップする能力を手に入れた青島等17歳。
ただその能力は自由に操れるものではなく、何かの拍子にいきなり発動されるものなのです。
青島は、どこにでもいる冴えない高校生。
その青島が未来にタイムスリップした時に見たのは、クラスのマドンナ「我妻さん」との新婚生活でした。
しかし現代で何かあるたびに、未来は少しずつ変化してしまいます。
そして青島の前には変化を呼ぶフラグがどんどん迫ってきます。
我妻さんとの結婚生活を実現させるためにフラグと戦う青島。
そんな中、未来で身近な人が不幸になっているのを目撃してしまい、ついついその人が幸福になるように走り回ってしまいます。
なぜか学校のマドンナ・我妻さんと結婚している幸福な未来と、青島を取り巻く非モテ友人たちの学園生活を描くSF学園ラブコメです。
■古き良き無個性なヒロイン
我妻さんはつまり「可愛い」という特徴を持った、マドンナとしての存在意義しか無い女の子です。
逆に言うと男の子のあこがれとして、また獲得したい目標として、我妻さんが存在しているのです。
今時のゲームや漫画等に出てくる女の子は、異常なまでの特徴を搭載された歩く個性のような存在です。
しかし過去を振り返ると、少年漫画におけるヒロインとは無個性でほとんど内面も描かれない、ただそこにいるだけで光り輝く女神のような存在でした。
もちろん良し悪しがあるのでしょうけど、それはノスタルジーとして、おっさん心に深く響く設定です。
つまり我妻さんはひたすら可愛い女神であって、ただそれだけで十二分な存在なのです。
この点について、異論は認めません。
■ダメな高校生のドタバタコメディ
青島はバレー部で補欠という冴えない高校生活を送っています。
試合に出られるわけでもなく、部員のタオルなどを洗濯する毎日。
同じく冴えない仲間たちと、しょうもない話をしたり、遠くから女の子を眺めたりしている生活です。
ここに出てくる男子高校生は明らかにキモい人種かつ、いかにも駄目な感じで、見ているだけで乾いた笑いが出てきます。
ショボくれた現実と3次元から逃避し、駄目スパイラルに落ち込んだ様がすばらしいです。
■実直であるだけで夢が叶えられる世界
現実は複雑で一筋縄では行きません。
だからこそフィクション、ことにギャグ漫画は単純明快な世界であって欲しいものです。
この漫画は、ただひたすら実直であることですべてが良い方に進み、幸せな未来が実現する世界です。
正直であることが素直に評価される、そんな夢の様な世界がここにはあるのです。
都合のいい設定に、都合のいい展開。
これこそが気楽に読める漫画のあるべき姿です。
■やたらと古いギャグ
全体的にベタなギャグが多いのですけれど、時折古いギャグが飛び出してきて、それがリアルタイム世代であるオレには不意打ちで妙にヒットしてきます。
ただ読んでいるだけでも十分楽しいと思いますが、そのような元ネタがわかるとより面白いのかも知れません。
またリアルタイムネタも出てきますので、もちろんそれだけではありません。
■総評
正直言って、どうでもいい内容の漫画です。
しかし現実から離れて、笑ったり、感動したり、ニヤニヤしたりするのは、健康にいい気がします。
そのような用途に、この漫画は最適であると言えます。
以上。
先日発売された2巻を見ると、「週刊少年マガジン」へ昇格移籍になったようで、おめでとうございます。
この漫画を週刊ペースで読めるのは、嬉しくもあり、ちょっと心配な気もしますが、それは未来のこととしておきます。
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ではこの漫画を紹介していきます。
■あらすじ
突然タイムスリップする能力を手に入れた青島等17歳。
ただその能力は自由に操れるものではなく、何かの拍子にいきなり発動されるものなのです。
青島は、どこにでもいる冴えない高校生。
その青島が未来にタイムスリップした時に見たのは、クラスのマドンナ「我妻さん」との新婚生活でした。
しかし現代で何かあるたびに、未来は少しずつ変化してしまいます。
そして青島の前には変化を呼ぶフラグがどんどん迫ってきます。
我妻さんとの結婚生活を実現させるためにフラグと戦う青島。
そんな中、未来で身近な人が不幸になっているのを目撃してしまい、ついついその人が幸福になるように走り回ってしまいます。
なぜか学校のマドンナ・我妻さんと結婚している幸福な未来と、青島を取り巻く非モテ友人たちの学園生活を描くSF学園ラブコメです。
■古き良き無個性なヒロイン
我妻さんはつまり「可愛い」という特徴を持った、マドンナとしての存在意義しか無い女の子です。
逆に言うと男の子のあこがれとして、また獲得したい目標として、我妻さんが存在しているのです。
今時のゲームや漫画等に出てくる女の子は、異常なまでの特徴を搭載された歩く個性のような存在です。
しかし過去を振り返ると、少年漫画におけるヒロインとは無個性でほとんど内面も描かれない、ただそこにいるだけで光り輝く女神のような存在でした。
もちろん良し悪しがあるのでしょうけど、それはノスタルジーとして、おっさん心に深く響く設定です。
つまり我妻さんはひたすら可愛い女神であって、ただそれだけで十二分な存在なのです。
この点について、異論は認めません。
■ダメな高校生のドタバタコメディ
青島はバレー部で補欠という冴えない高校生活を送っています。
試合に出られるわけでもなく、部員のタオルなどを洗濯する毎日。
同じく冴えない仲間たちと、しょうもない話をしたり、遠くから女の子を眺めたりしている生活です。
ここに出てくる男子高校生は明らかにキモい人種かつ、いかにも駄目な感じで、見ているだけで乾いた笑いが出てきます。
ショボくれた現実と3次元から逃避し、駄目スパイラルに落ち込んだ様がすばらしいです。
■実直であるだけで夢が叶えられる世界
現実は複雑で一筋縄では行きません。
だからこそフィクション、ことにギャグ漫画は単純明快な世界であって欲しいものです。
この漫画は、ただひたすら実直であることですべてが良い方に進み、幸せな未来が実現する世界です。
正直であることが素直に評価される、そんな夢の様な世界がここにはあるのです。
都合のいい設定に、都合のいい展開。
これこそが気楽に読める漫画のあるべき姿です。
■やたらと古いギャグ
全体的にベタなギャグが多いのですけれど、時折古いギャグが飛び出してきて、それがリアルタイム世代であるオレには不意打ちで妙にヒットしてきます。
ただ読んでいるだけでも十分楽しいと思いますが、そのような元ネタがわかるとより面白いのかも知れません。
またリアルタイムネタも出てきますので、もちろんそれだけではありません。
■総評
正直言って、どうでもいい内容の漫画です。
しかし現実から離れて、笑ったり、感動したり、ニヤニヤしたりするのは、健康にいい気がします。
そのような用途に、この漫画は最適であると言えます。
以上。





