食について、書くということは、難しい。
卑しい自分が、露呈してしまうからだ。
食について語ると、誰であれ、卑しさが出る。
口にしてるのを聞いても、耳に障るものだ。
その店に行き、美味いものを、食べた。
おいしいとか、まずいとか、よくわからないとか。
つまり、自分は、美味いとわかる人間なんだ。
そういった自惚れが、隠しても、伝わってしまう。
一流の人間は、いつも、昔から語っている。
自慢話は、二流、三流の人間がすることだ、と。
もちろん、食に限らず、だ。
一流の仕事をしたいなら、語るということは、難しい。
知識も、また然り。
口にすると、自分は馬鹿だと、懸命に語る感覚に陥る。
しかし、食について、読みたい人は大勢いる。
これだから、世の中は、面白い。