「個人差」は医者の言い訳
個人差という言葉は医者の言い訳として使われることが多いようですが、個人差は99%「ない」という持論をのべたいと思います。
誤解がないように個人差は100%ないとはいいません。ほとんど「ない」、おたがい個人差だと思っているもののほとんどは施術方法や執刀医による「個人差」だということです。
もし受ける側の個人差があるとしたら、顔を洗顔などで強くこするなど生活習慣の差がほとんど。でも、そのようなことですら執刀医が自分で誠意を持って注意をうながすと大部分ふせげることだと思われます。
内出血・腫れ・ダウンタイムDTの個人差
内出血や腫れが個人差だといっていいのは、丁寧な手術操作や止血があってのことだと思います。乱暴な手術や丁寧に止血していない場合、ひどい内出血と腫れが必発です。
例外は高血圧や年齢・性差です。高血圧で内出血しやすいことは感覚的に分かりますよね。高齢者や男性のほうが血圧が平均的に高いからでしょうか?平均すると若い女性よりも内出血や腫れが多少多いと思います。
また、私はやけど治療をたくさん行ってきた形成外科医ですから、電気メスで焼き切るよりも刃物のメスで切って低出力のバイポーラで血管1つ1つ丁寧に止血したほうが腫れは少ないと考えています。
一般に広く使われている電気メスどころか組織損傷が少ない最新型でも腫れるし傷跡汚くなりやすいと個人的には思います。
でも、電気メスを使わない手術では止血し忘れが大問題となります。最初から最後までどこか止血し忘れているのではないかと信じて探し続けることがダウンタイムDTを短くするためには必要です。
もちろん比較的大きめの血管を止血しわすれて内出血がひどい場合、かえって腫れやダウンタイムが長引きますから電気メスを使ったほうがはるかにマシです。
眉下切開の手術器具
感染と個人差
感染こそ個人差がありそうに思えますよね。でも、99%個人差がないと思います。
ちなみに私は総合病院勤務のころ内科主治医の先生が入院させていただけるのでしたら、ほとんど誰でも眉下切開の手術を行っていました。重症糖尿病のかたですら血行が良いところだからでしょうか?眉下切開ではなかなか感染しないです。
縫合糸膿瘍や異物反応のほとんどはホコリやうぶ毛を中縫いと一緒に縫い込んでいることが原因でしょうし、感染はほとんどホコリやうぶ毛の創内残存によるものです。
大量の生理食塩水での洗浄・消毒や抗生剤などはほぼ無力です。うぶ毛の先っぽやガーゼの繊維を拡大鏡で見ながら1つ1つピンセットで創内から丁寧に除去する以外、感染の確率を下げる方法はないと確信しています。
最初から最後までどこかに何かしらのゴミが残ってるのではないかと信じて探し続けることが大切です。
傷跡の個人差
画像は1人のかたの左右の眉下切開の傷跡(3年後)です。同じ人の左右ってことはいわゆる個人差ではありません。
左はキレイですけど右はそこそこ分かります。正直な話・・左はキレイすぎます。右が私の眉下切開の平均的な傷跡だと思います。誤解がないように・・3年後ですよ。1年後はもう少し目立っていたと思います。
このように同じ医者が手術しても切り方縫い方のわずかな違いで傷跡の差が生じます。ましてや、違う執刀医ですと一兆倍目立って見えることすらあると思います。多くの場合、執刀医による差のことを個人差といっていることがほとんどです。
キレイな傷しかキレイな傷跡にはならない
他院眉下切開後の白色線状瘢痕
乱暴に縫われた傷は絶対きれいな傷跡にはなりません。彫刻刀で削ったような溝状の傷跡や白くテカリが強い白い線は長い年月でもほとんど目立たなくならないものです。でも、ある程度以上きれいな傷跡は半年すぎて他人から目立つことはないし、年々うすくなります。
真皮縫合など中縫いによるくぼみが残った場合、まぶたがうすいという個人差がやたら強調されることが多いものです。でも、本当は執刀医が真皮縫合を浅く強くかけすぎているだけです。
また、糸が出てきた場合にも体質が強調されますが、中縫いが浅い場合や糸切りで糸を長く残している場合が多く、うぶ毛やガーゼの線維・ホコリを中縫いと一緒にぬいこんでる場合も多いです。
他院眉下切開後の溝状瘢痕と真皮縫合によるくぼみ
毛包斜切断法も要注意
傷跡の差については方法というより執刀医による差といったほうがいいでしょう。もちろん方法によっても差がでますが、私と同じ毛包斜切断法での眉下切開後にシストの多発で相談に来られることが多いです。
眉毛の下にそった毛根を傷つけない毛包斜切開法ウィッジインシジョンよりもキレイにしたい場合、毛根を斜め切りする毛包斜切断法しかないと思います。
でも、縫うとき細心の注意を払い続けないと創縁がちぎれたりインバートして、上皮成分が創内に入りこみシストが必発です。
毛包斜切断法での眉下切開はミリ単位ではなくてミクロ単位の注意が必要です。上手く縫えないドクターは眉毛の下に沿って切ったほうが無難です。
抜糸は意外と重要
韓国で手術を受けて帰国後、他院で抜糸したという話をよく聞きます。また、大手美容外科などでナースさんや他のドクターが抜糸するところもあるようです。
でも、手術は縫合で終わるわけではありません。抜糸は手術の最終工程であり、責任を持って執刀医自身が行うべきものです。
私自身、上司や先輩の術後抜糸でいい思い出はありませんから、執刀医以外が抜糸を行うと傷跡が目立つ傾向があると確信しています。
目つき・顔立ち・骨格
他院眉下切開修正相談20代女性
当院修正後
眉下切開でつり目になったり目頭が下がって目つきが悪くなり、にらんだような目になったら、顔立ちや骨格のせいにされたという話をよく聞きます。
あなたは蒙古ヒダが張っているから同時に目頭切開が必要。あなたは眼瞼下垂なので同時に眼瞼下垂の手術が必要。眉下切開を受けると二重が乱れるので、埋没か目上切開も必要といわれた人ばかりです。
もし本当にそうだとしても3カ月くらい腫れが引くのを待ってから行うほうが、はるかに最終結果がいいはずです。その上、追加手術が必要な人なんて当院では1%もいません。なぜ多くのクリニックで同日手術をしているのでしょうか?
眉下切開で外側だけ切ったり外側中心に上げると内側が下がり、いわゆる医原性眼瞼下垂のような状態となります。
そして、内側がつっぱり、巨大な蒙古ひだ状態となります。その大きな蒙古ひだを目頭切開で緩和させているらしいです。
その上、まぶたのバランスがくずれるので二重ラインが乱れたり二重がなくなって二重埋没や目上切開が必要になります。
眉下切開の不手際をごまかすための手段として、まるで自作自演のように同時手術をすすめているというわけです。
眉頭を切らない眉下切開でつり目になったイラスト
このような場合、同時に目頭切開や目上切開を進められることが多い
例外中の例外はある
ここまで99%におおよそ当てはまるだろうこと中心にのべてきましたが、当然ながら例外中の例外もあります。その代表的なものが感じ方の差です。
世の中には軽度の醜形恐怖症のかたがたくさんいらっしゃいます。前述のように内科主治医の先生が入院させていただけるのでしたらほぼ誰でも手術していたという話・・精神科には通用しないようです。いい思い出が全くないので精神疾患は軽度でも止めたりお断りすることが多いです。
ちなみに私の経験上、痛みが長期間続く人はうつのかたや更年期(子宮がん手術後をふくむ)のかたが多いと思います。また、鏡を長い時間みてると痛みが悪化することすらあると有名な形成外科の教授が言われてました。
施術による差(まぶたのたるみ)
たるみ取り二重切開や眼瞼下垂手術で皮膚切除量が多いと
目頭と目尻の皮膚の余り(ドッグイヤー)でしわしわになる
たるみとり二重切開や眼瞼下垂の手術後、目尻のしわが目立って相談したら「個人差」って言われたという話ありますが、だれでも皮膚切除量や眼瞼挙筋腱膜前転量おおいほど目尻のしわが目立つようになります。
比較的若い人が受けてもすぐには困らないかもしれませんが、同じ年齢の人より早く目尻のしわが気になるようになります。
また、眉上切開は健常者の美容外科手術には不向きです。私は顔面神経麻痺で左右の眉毛の高さが大きく異なるかたに眉上切開を行ってきましたが、丁寧に手術しても傷跡が目立ちます。
前額リフトや額挙上は、眉下距離を広げたい人くらいしか適応はないと思います。眉下切開の数百倍はがしてたくさん出血して痛くて広範囲にしびれてかゆくて、生え際が不自然になるわりに切開線から遠いため肝心のまぶたに対する効果は安定しないです。
切開線から効果を出したい部位までの距離が長ければ長いほど侵襲(組織傷害)が大きく、結果が安定しないことは外科系手術では常識です。
また、眉下切開や眼瞼下垂の手術・たるみ取り二重切開では、まぶたの皮膚を切り取るので皮膚がテント状にピンと張りくぼみが改善することが多いです。
一方、前額リフトや眉上切開では高齢者のように眉毛を上げた目になるのでだんだん目がくぼむことが多いですし、老けて見えます。
たるみ取り二重切開=保険の眼瞼下垂(その他)
二重ラインでの皮膚切除による典型的なハム目
施術による差(まぶたの厚ぼったさ)
厚ぼったいまぶたの人が二重を作りたい場合、二重埋没や二重切開と同時にROOFや眼窩脂肪の脱脂が行われることが多いようですが、脂肪が減ると皮膚があまるのでしわっぽくなります。
若い人が脂肪をとってもすぐ変にはならないでしょうけど、通常40歳で気になる小じわが30歳で気になるようになります。
でも、執刀医に相談すると「老化現象には個人差があります」などと言われるはずです。眉下切開ですと脂肪を取らなくてもスッキリしますし、年取っても目周りのシワができにくくなります。
若い人に眉下切開をすすめない医師が多いのは傷跡が目立つと悲惨だからです。そして、前述のように傷跡は個人差ではなく執刀医の技術や丁寧さの差に起因することがほとんどです。
結 論
私は偏見強い人だと自覚していますが、常に9割の人に当てはまるようなことをいってると思います。そして、そのような意見が知りたいって人が多いかと思います。
一般的に医者は子供のころから100点目指してる人が多いです。医者は個人差やケースバイケースや適応って言葉好きですが、そのような表現すると100%正しい情報発信となるので好まれます。でも、そのような言葉は上手くできない場合の言い訳であることが多いことも事実です。
でも、経験が少なかったりセンスがなく手術が上手くない医師ほど結果のバラツキが大きく、実際に個人差を感じてるようです。
そのため個人差という言葉を使用することが多いと言えますから、ウソや言い訳を意図して「個人差」という言葉を多用してるわけではなく、実際そう感じているから無意識に使用してると言えそうです。
六本木境クリニック (roppongi-sakai-clinic.com)




























