INTRA DIALOGUE -13ページ目

立ち止まって考えてみる

最近どうも,研究生活に座りの悪さを感じていたので,

その理由が何なのか考えてみました。


僕は,中学,高校と決して優秀ではありませんでした。

むしろ,劣等生の代表みたいな存在で,勉強なんかは全くせず,

音楽で飯を食うのだと息巻いていました。


しかし,その決意の割りに中途半端で,

ひとまず大学にだけは行っておこうと思ったのです。

そして大学受験を迎え,勉強してこなかった僕は,当然浪人することになりました。


そのとき,当時まで僕の中にあった万能感のようなものが崩れ始めたのです。

最初は,音楽の片手間くらいに考えて大学進学が,

一度勉強という土俵に上がったときから,他者との競争にさらされ,

自分の同一性を確立する上で非常に重要なものへと変化していきました。


そして,二度目の大学受験,

結果は,それほど振るいませんでした。

客観的に見れば,中・高と全く勉強しなてこない,勉強の仕方も分からない,

さらに忍耐力も大して無い人間が,それほどの結果を残せないのは当然と言えば当然ですが。


でも,今度は本当に悔しかった。

今度こそ,僕の万能感は完全に崩れ落ちました。

そして,とにかく僕は,勉強が出来るようになりたいと思いました。

もう負けたくない,やって出来ないのはやだと思ったのです。

その頃には,勉強の比重が,音楽より上になっていたように思えます。


とにかく受かった大学へ進学しました。

時は2000年,当時心理学は臨床バブルのピーク。

当時の僕にとって,勉強し,院試をクリアして,その結果として臨床家になるというコースは,

同一性を確立する上で,非常に単純明快で,また,非常に磐石なものでした。

今思えば何も分かっていなかったし,未来は大きく変遷するのですが。


僕のゼロからの挑戦が始まりました。

大学は家から遠くて一日往復5時間通学にかかり,

それに加え学費を稼ぐためのバイト,

その合間を縫って,心理学,苦手だった英語,実習ととにかく突っ走りました。

体力,精神力ともにきつかったですが,全て自分の不努力が招いたことで,

今はその借金を返しているのだと自分に言い聞かせました。

思い返すと,実習はきつかったな,僕の大学実習が2年半毎週あったんです。

で,毎週レポートなんです。とにかく忙しくて書く時間を作るのが大変でした。


そんなこんなで,意外に負けず嫌いな部分が自分にはあったようで,

学部の間に出来なかった勉強が,段々と出来るようになっていきました。

心理学はもちろん,英語も格段にレベルアップしました。

そして何よりも,誰にも頼らず,自分で勉強する力が身につきました。

これは,今の僕の一番の武器になっていると思います。



気づけば,院試を越え,すでM2になっています。

少し形は変わってしまったけど,今僕は,

5年前に描いた未来の大部分を現実のものに出来たように思えます。


振り返れば,僕は大学受験以来,いや,高校,中学以来の「出来ない自分」を,

乗り越えることに全力を注いでここまで突っ走ってきのだと思います。

出来ない自分と向き合うことが全ての原動力を生み出していました。


しかし,どうも,その原動力は,もう過去のものにしなければならないようです。

もう,僕には,爆発的な力を得るほどの劣等感がなくなってしまいました。

出来ない自分は完全に過去のものになろうとしています。

僕は,5年前に描いた未来の先へ進もうとしているのです。


劣等感を基盤にした原動力が薄れてきたこと,それが最近の研究生活に対する座りの悪さの原因のようです。

今,僕は,もう一度,過去・現在・未来の自分をバランスよく設定し直す必要があるようです。

これから,先,僕を突き動かすものは何なのでしょうか。

今,再び,新たな自分を想像しなおさなければなりません。

早くそれを見つけ出さねば。


フィールドで苦戦中

4月に入って,調査の進展がいまいちです。

 

なかなかインタビューに持っていけないのです。

心理学は研究の対象者が人間であるから,この辺は物凄く慎重になります。

 

僕の研究の性質的に,これは毎回の事なのですが

施設の利用者,職員方にどうしても罪悪感をもってしまうんです。

 

研究者としては,倫理的な側面は守っているということで割り切るのが良いのかもしれませんが,

なかなか僕にはできません。

 

今後は,対象者の確保で悩まない研究がしたいな。

 

 

研究室訪問

今日は博士課程進学の第一候補になっている大学院に研究室訪問に行ってきました。

 

今僕がいる大学院も一応博士課程があるのですが,

「絶対に上には上がらない方がいい」という指導教官の助言で,再び外の院を受けることになりました。

皆さん,研究者になりたければ修士の時点で必ず旧帝大レベルに受かっておきましょう。

僕みたいな旧帝落ちは後で非常に苦労します(ただし,この苦労は場合によっては大きくレベルアップするチャンスでもあるのですが)。

 

さて,今日の研究室訪問ですが・・・

物凄い濃密でした。

 

息をつく間もなく僕の研究について四時間ぶっ通しで議論。

これは好感を持って受け入れられたということであり喜ばしいことなのですが,

そこで頂いたご意見が,あまりにも示唆的で今後やるべきことが,再び山積みになりました。

 

でも不思議と,苦しくないんですよね。

研究の可能性が広がるのだと思うと,また力が湧いてくるんですよ。

 

ちなみに今日行ったところは理系の研究科で,

また,留学生が多いので授業は英語でやるそうです。

 

純粋に理系の人たちの中で共同で研究していくこと,

語学力の問題など,心理学以外の問題も山積みですが,

これは自分を高めるチャンスでもあると思います。

 

もしかしたら,一年浪人になってしまうかもしれませんが,

この壁を越えることができたら,必ず,研究で生きていけるレベルに達していると思います。

 

さあ,精進,精進

一段階上の世界へ

現在,修論とは別に,

他大学の方と共同研究を立ち上げる準備しています。

 

そこでは,新たなテーマを扱うので,

それに向けて,文献のレヴューをしているのですが,

そこで,久々に感心できる国内の論文に出会いました。

 

その論文はレビュー論文で,

研究紀要ながら,非常に緻密にまとめられています。

それを著したのは,まだ若い院生です。

ちなみに学振に当たっています。

 

僕も,論文はかなり読んだつもりですが,

それを一つの主張の上に纏め上げる作業という点で,

その論文の方が上のレベルにあると思います。

 

研究は常に,先行研究のレヴューから問題を洗い出すことから開始されます。

恐らく,ここの段階で,どれだけ緻密な作業ができたかどうかで,ある程度勝負がつくのではないでしょうか。

そして実はこれは,非常に難しい作業です。

 

僕も最近は理論的な核ができてきましたので,

常に,その核と擦り合わせて先行研究を読み解けるようになってきました。

ここまで大分時間がかかりましたが,

そろそろ一段階上の世界へ進む時なのかもしれません。

覚悟

4月,

巷では就職活動が一つ目の山を迎えている。

今動けば,まだ一般の社会人に戻れる。

 

でも,もう僕の心の中では答えが出ている。

僕は,研究の道を進むしかない。

 

この前友達にいわれた言葉,「好きなことやってる人は,金稼げないよ。」

 

僕は欲張りだから,好きなことやりたいし,お金も,人並みの暮らしも,幸せな家庭も全てほしい。

その全てを,この道で手に入れるんだ。

 

何かを手に入れるために,何かを捨てることが覚悟?

いや,何一つ捨てないで,全てを守り抜くこと,それが僕の覚悟。