あたしには母性がまるでない



でも、なぜか、彼だけはたまに抱き締めたくなる

寝ながら頭を抱えると、幸せな気持ちになる


なでなでしたくなる


不思議
今日は旦那さんが夜勤で、あたしはひとり

ひとりの夕食とひとりのベッド



くっついて寝てると夜の寒さは感じないのに


今日は寒いよ
昨日の夜、溜めていたものが溢れてしまった

限界だった
何度目かの、げんかい

ふとんのなかで、彼に言葉をかける

自己嫌悪で、「ごめん」しか出なかった

溜め込んだ言葉と一緒に涙が留まらなかった


色々聞かれたけど、答えられなくて、いつの間にか彼は寝た


もう、いいや、ってそう思いながら、あたしもいつの間にか寝ていた



しばらくして、彼があたしを抱き締めて言った

かなさん、だいすきだよ


かながいるから、早く家に帰ろうって思うんだよ


大丈夫、と


泣いているあたしの頭を抱いて、何度も髪をなでて、そう言った


ギリギリのところであたしを繋ぎ止める


今日買い物をしているとき、唐突に手を差し出した彼を見て、改めてそう思った


タイミングがいいんだろうな



はんなりした、かなさんが好き



はんなり…て具体的にはなんだろう

思い出して、笑みが零れた



やっぱり好きだから、しょうがない