机上に散りばめられたトランプの中から

思案を巡らせることもなく二枚を選び、めくる。

そこにはどちらも「地獄行き」と書かれていた。

途端、足元がぐらつき始め

気が付くと巨大なベッドの上にいた。

地獄に来てしまったのだろうか。

周りを包む暗闇の中から視線を感じる。

何者かの気配がこちらに近づいてきている。

段々、気配の輪郭が明瞭になっていく。

正体はベビードールをまとったグラマラスな女性だった。

それも一人ではなく、四方八方から

何人もの女性がこちらに擦り寄ってきた。

やがて、私の全身は女性たちの柔肌に囲まれた。

これのどこが地獄行きだというのだろうか。

ここは天国だ。

 

そこで、気づく。

密着する女性達の体が、私の鼻口を塞いでいる。

退けようにも、女性達に乗られていては体が動かない。

このままではまずいと思いつつも、どうしようもない。

やがて意識が朦朧とし始め、視界が暗転した。

 

目を覚ますと、私は牛舎の肥溜めの中にいた。

よくあるよくある。