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さよならは仮のことば

谷川俊太郎




夕焼けと別れて

ぼくは夜に出会う

でも茜色の雲はどこへも行かない

闇にかくれているだけだ



星たちにぼくは今晩はと言わない

彼らはいつも昼の光にひそんでいるから

赤んぼうだったぼくは

ぼくの年輪の中心にいまもいる



誰もいなくならないとぼくは思う

死んだ祖父はぼくの肩に生えたつばさ

時間を超えたどこかへぼくを連れて行く

枯れた花々が残した種子といっしょに



さよならは仮のことば

思い出よりも記憶よりも深く

ぼくらをむすんでいるものがある

それを探さなくてもいい 信じさえすれば




『私』(思潮社、2007)より
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おととい、私の生徒さんの一人でモダンダンスを20年以上!踊ってらっしゃる方の
舞台を拝見しました。「私の自己紹介の踊りと思ってください」とご案内くれた彼女。
その言葉がすでに彼女の素朴で飾らない人柄を十分に表しているなあと思いました。
当日、舞台の上の彼女を見ていたら、だいじにだいじに光り輝く今を生きる姿が
そのまま踊りになっていきいき飛び出したみたいで、息をのんだ。
ありがとう。素晴らしかったです!

舞台は彼女の先生が去年亡くなられた追悼の意も込めた公演でした。
20年以上もお世話になった師匠を失う気持ちってどんなだろう。
今の私には想像もつかない感覚だろうな。

その先生は詩人、谷川俊太郎さんととても親しい方だったそうです。
谷川先生による詩の朗読と、いろんな方のいろんなからだ、こころの表現。
ことばをつかうひと、からだをつかうひとがそれぞれに
「生きてるよ~」「生きてますね~」とただその場に居合わせているような!
そんな空間を切り取ったような舞台で面白かったです。
すみません、私的意味不明解釈と意味不明語です。

今日上にご紹介した詩は、その谷川先生が舞台の締めくくりにぽつぽつと語った詩です。
現世を先に去った友人への思いがこもっているのでしょうからなおさら、
その詩は私の父への思いにダイレクトにつながって響きました。


印象的だったので、めずらしく詩など、ご紹介してみました。^^

ところでこのiPhoneアプリ、いいですよ★Tちゃんに教えてもらいました。
「なんか、疲れたなぁ、体がっていうより、ココロがね。」
なんていうときに、この谷川に釣り糸をたれてみてはいかが?^^
アプリ名「谷川」で🔍search
何が釣れるかは、お楽しみ♪

オリッサが呼んでる