家の中にできた“静かな時間”──不登校の初期に親として迷走し続けた日々
はじめに
前回の記事では、息子が初めて「行きたくない」と口にした日のことを書きました。
今回は、そこから続いた“学校に行けなかった日々”について、
父親として/家族としてどうしていいか分からない苦しさを、正直に書いてみたいと思います。
同じように悩む親御さんの心に届けば嬉しいです。
「何をすればいいのか」本気でわからなかった
息子が学校に行けなくなってからの数週間。
僕は“正しい対応”を必死に探していました。
でも、正直言うと、
毎日何をしても裏目に出ているような気がしていました。
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明るく話しかけても、息子は無反応
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強く言えば、傷つけてしまう
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優しくしても、何も変わらない
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学校の話をすれば顔が強張る
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触れないでいると「逃げている」気がする
とにかく、何をしても正解じゃないように感じました。
今思えば、息子は心が限界で、言葉にできない苦しみと戦っていたのに、
そのサインを読み取る力も余裕も、父親の僕にはありませんでした。
自分の言葉が“刃”になっていたことに気づけなかった
当時の僕は、
「励ますことが正しい」
「背中を押すことが父親の役目」
と思い込んでいました。
だからつい口にしてしまったんです。
「また行ける日が来るよ」
「大丈夫、大したことじゃない」
「〇〇ならできるだろ」
息子を思って言ったつもりでした。
でも、今振り返るとあれはすべて、
息子の現状に向き合えていない、自分よがりな言葉でした。
息子にとっては
「理解されていない」
「自分のしんどさは伝わっていない」
と追い詰める言葉だったかもしれません。
のちに出会う不登校支援の方から学び、今となっては「当時の対応が良くなかったな」と、「初めから父親として正しい対応が出来ていれば...」と後悔したことも正直あります。
家の中が静かになるほど、僕の心はざわついていた
朝、布団から出られない息子。
ほとんど食事が進まない息子。
昼過ぎまでぼーっと天井を見つめている息子。
その姿を見るのが怖かったです。
「このまま戻れなかったらどうしよう」
「本当に大丈夫なんだろうか」
「自分のせいで追い詰めてしまったんじゃないか…」
家の中は静かなのに、
僕の心の中だけは毎日ざわざわと落ち着きませんでした。
この矛盾した時間は、不登校初期の親に訪れる
**“静けさと不安の同居”**という独特の時間だったと思います。
息子が無気力になっていく姿を見て、初めて理解したこと
息子の変化は、徐々に、しかし確実に進んでいました。
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ぼーっとしている時間が増えた
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一言返すだけで会話が終わる
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表情から“感情”が消えていく
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夜になると涙があふれる
これは、怠けでも反抗でもなく
心のエネルギーが湧いていない状態だと後から知りました。
当時の僕は、
「どうして動けないんだ?」
「どうして好きなこともできないんだ?」
と理解できず、何度も自分の無知さに苦しみました。
でも今ならわかります。
息子は“サボっていた”のではなく、
息子本人が一番辛く、どうやって現状を変えればいいか悩み苦しんでいたということを。
父親としての自責が積み重なっていった
息子の無気力化が進むほど、
僕の中には“自分を責める気持ち”が増えていきました。
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もっと早く気づけたはずだ
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あの時あんなこと言わなければよかった
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強く言いすぎたかもしれない
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優しさのつもりが負担になっていたかもしれない
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父親として何もできていなかったんじゃないか
息子の顔を見る度に、
「自分の行動が悪影響を与えていたのでは?」という思いが胸に刺さりました。
これが、不登校初期の“親特有の苦しさ”だったのだと思います。
「どうにかしなくては」と背負い込み、
でも結果、何もできなかった。
その無力感は、言葉にできないほど重かったです。
この気持ちは不登校児を抱える親御さんの多くは、共感していただけるのではないでしょうか。
それでも、この“止まった時間”が後につながっていく
ただ、今振り返ると、この時期に気づいたことは
後の“根本的な問題”を理解し解決するための大きなヒントになりました。
不登校になったのは、
自分たちの親子関係をみなすためのきっかけ。
会話が減ったのは、
話しても何かが変わるように感じれなくなってきたから。
無気力だったのは、
“怠け”ではなく“エネルギー切れ”だったから。
次回は、こうした息子の変化から、私達夫婦の変化、親子関係の変化などを
もっと深く掘り下げていきます。
おわりに
不登校の初期は、
子どもも親も同じくらい苦しい時期です。
子どもは言葉にできない心の重さと戦い、
親は理解できない自分と向き合い続ける。
あの期間は、僕にとって忘れられない日々です。
でも、その痛みを通して、初めて
“本当に必要な向き合い方”
を学び始めることができました。
少しでも同じ境遇の皆様の支えになればと思います。
読んでくださって、ありがとうございました。
【次回予告】
「ただ休んでいたわけじゃない──不登校の裏側で息子の心に起きていたこと。そして家族関係の変化~」