サピでは、6年生になると塾の先生との保護者面談の機会が何度か設けられます。その時の言葉で、印象に残っているものの1つが、「模試ではどんどん失敗をさせてください」です。たまたまその直前の模試は病み上がりで受けたのでそれまでよりもパフォーマンスが悪く、厳しいコメントが来るのかなと思って少し身構えていたら、真逆のコメントが来たので、特に強い印象が残っています。
模試で良い結果が出れば自信になるし、親も安心できる。だからもちろん良い結果が出ればそれに越したことはないのですが、本番に近い環境だからこそ普段はしないようなミスが出たりする。それを早めに経験して、ああこういうことも起きるのか、本番ではそんなことにならないようにこうしよう、と手を打てるようにしてください、という趣旨なのかなと理解しました。
その後、子供との間でこんなことがありました。ある模試で子供が時間配分に失敗し、大問1つそっくり白紙で答案を出してしまったことがありました。家に帰って解いてみたら、持っている知識で十分解ける問題だったので、とても勿体無い失点です。それで、試験が始まったらまず1分くらいで問題全体にザザっと目を通して、時間配分を意識しながらやってみたらどう?とアドバイスしてみました。
ところが次の模試は、むしろ前よりも若干下がってしまいました。子供に聞いてみると、「まず全体に目を通して時間配分を意識しながらやってみたけど、時間を意識しすぎて、焦っていつもよりも多くケアレスミスをしてしまった」とのことでした。それで、前回の助言は間違っていたなと思いました。その経験を踏まえて、もう時間配分を意識するのはやめて、最初の問題から1つ1つ集中していく方を優先しよう、どの問題を優先するかは、前半の問題で苦戦して時間をロスしてしまった時にだけ考えよう、という方針にシフトしました。
この時、サピの先生の言葉を思い出しました。「これはやってみたら良いんじゃないかな」と思う方法を、早めに試してみてよかったと思いました。それは結果的に失敗でしたが、この方法はうまくいかないからやめておこうという見極めを早いうちにつけることができたので、ブレずに本番を迎えることができました。もし本番直前になって、時間配分も意識してみようか、なんて言って、そのまま本番を迎えていたらと考えるとゾッとします。エジソンが自分の実験の失敗について「失敗ではない、うまくいかない方法を発見したのだ」と言ったというエピソードは有名ですが、まさに、「この方法はうまくいかない」ということを身をもって理解できたことは重要な収穫でした。
時間配分問題についてその後のサピでの保護者面談で試しに聞いてみたら、試験問題というのは基本的に最初から解けば良いようにできているから、時間配分や解く順番についてあれこれ考えることは必要ない、むしろ素直に最初から一問一問に集中して丁寧に解いていく方が最終的には効率的なんですよね、だから最初に全体を見渡すような作業はしなくて良いと思います、との返事でした。
どの方法が合うかは子供によって全然違うだろうと思います。私のアドバイスも、もし違う子だったら「この方法でうまくいった!」ということになったのかもしれません。自分(の子)にあう方法を探すために、模試ではぜひ積極的に色々と試してみてください。