ダイビングのインストラクターであり潜水士の私は、以前水族館の水槽に潜って作業をしていました。

 普段は見る事のできない裏側から見た水族館をご紹介します。

 水族館の水槽の中ってどんな感じだと思いま?

 一言で言うと水族館の水槽の中は痛いのです。 

 何故かというと魚やイルカに噛まれるんです。 勿論、サメにもウツボにも齧られました。

 だから水槽の中はとっても痛いところなのです。

 さて、初回はひょうきんなカワハギ君の登場です。

 カワハギは何故かグローブがお気に入りで毎度毎度、必ず齧りに来るのです。

 カワハギはおバカで絶対に学習能力が無いヤツなのです。

 だってグローブを齧ったって美味しくないし、勿論噛み切れる事もないのですが、潜るたびに齧りに来る。

 こっちが気付いてにらむと、目をキョロキョロさせて、あさっての方を見ながら「何?、何?、俺な~んも知らんけんね。何かな~って近くに来ただけで、絶対にカジカジしていないもんね~」、ってな顔をしながら後ろに下がっていく。

 でも、こっちが目を離すと、ス~ッと寄ってきてまたグローブを齧る。

 カワハギの仲間は歯が鋭く、顎の力が強いので直接噛まれると結構痛い。

 特に仲間のゴマモンガラに噛まれた日にゃ~、痛いだけで済まずに指の一本位持っていかれてしまう可能性もあるのです。

 特に産卵期のメスが怖い。

 メスは人間も、魚も同じなのだ。

 面白いのは手のひらを出すと逃げていきますが、手の甲を出すと逃げずに触れるのです。

 エラの後あたりを撫ぜてやると、「そこそこ、もっともっと」、というふうに身体を摺り寄せて来る可愛いヤツなのだ。