6月14日

 

日野 啓三 ひの けいぞう

1929年6月14日 - 2002年10月14日

日本の小説家、文芸評論家

 

新聞社特派員としての韓国・ベトナム駐在経験が創作の基調。

ベトナム戦争を題材にした作品や、現代都市における幻想を描く都市小説といわれる作品などで知られる。『あの夕陽』(1975年)で芥川賞受賞。

 

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著作

『ベトナム報道』現代ジャーナリズム出版会 1966年 のち講談社文芸文庫

『存在の芸術』南北社 1967年

『幻視の文学』三一書房 1968年

『虚点の思想』永田書房 1968年

『還れぬ旅』河出書房新社 1971年

収録作品:還れぬ旅 / めぐらざる夏 / 喪われた道

『虚構的時代の虚構』冬樹社 1972年

『此岸の家』河出書房新社 1974年

収録作品:此岸の家 / 雲の橋 / 浮ぶ部屋 / 遺しえぬ言

『孤独の密度』冬樹社 1975年

『あの夕陽』新潮社 1975年 のち集英社文庫、新潮文庫

収録作品:あの夕陽 / 野の果て / 無人地帯 / 対岸 / 遠い陸橋 / 私の原風景

『私のなかの他人 エッセイ集』文藝春秋 1975年

『風の地平』中央公論社 1976年 のち文庫

収録作品:ヤモリの部屋 / 空中庭園 / 天堂への馬車代 / 霧の参道 / 彼岸の墓 / 風の地平

『漂泊・北の火』河出書房新社 1978年

収録作品:漂泊 / ポンペイの光 / 北の火 / 西湖幻々 / サイゴンの老人

『迷路の王国 私という宇宙風景』集英社 1978年

『鉄の時代』文藝春秋 1979年

収録作品:黒い穴 / 裏階段 / 空室 / 廃園 / 鉄の時代 / 河口 / 雲の柱 / 井戸 / 軌道 / 断層 / 共生 / 骨肉 / 逆光

『母のない夜』講談社 1980年

『蛇のいた場所』集英社 1980年

収録作品:赤い月 / 細胞一個 / 蛇のいた場所 / 黒い水 / 雪女 / 窓の女神 / 果ての谷

『聖なる彼方へ』PHP研究所 1981年

『科学の最前線』学生社 1982年

『抱擁』集英社 1982年 のち文庫、小学館P+D BOOKS

『天窓のあるガレージ』福武書店 1982年 のち文庫 、講談社文芸文庫

収録作品:地下都市 / 昼と夜の境に立つ樹 / ワルキューレの光 / 渦巻 / 29歳のよろい戸 / 天窓のあるガレージ / 夕焼けの黒い光

『創造する心 対談集』読売新聞社(「私の世界」シリーズ) 1983年

『聖家族』河出書房新社 1983年

『名づけられぬものの岸辺にて 主要全評論』出帆新社 1984年

『夢を走る』中央公論社 1985年 のち文庫

収録作品:カラスの見える場所 / 星の流れが聞こえるとき / ふしぎな球 / 砂の街 / 孤独なネコは黒い雪の夢をみる / 石の花 / 夢を走る

『夢の島』講談社 1985年 のち文芸文庫

『砂丘が動くように』中央公論社 1986年 のち文庫、講談社文芸文庫

『昭和の終焉』辻井喬との共著 トレヴィル 1986年

『リビング・ゼロ』集英社 1987年

収録作品:空白のある白い町 / 放散虫は深夜のレールの上を漂う / 何かが都市にやってくる / 母なる大地? / ホワイトアウト / 世界という音――ブライアン・イーノ / 空を生きる / イメージたちのワルプルギスの夜 / みずから動くもの(自然=機械=人間) / 私は私ではない / 球形の悲しみ / 夢の奥に向かって目覚めよ

『階段のある空』文藝春秋 1987年

収録作品:火口湖 / 階段のある空 / 消えてゆく風景 / ふしぎな影 / 鏡面界 / 風を讃えよ / 七千万年の夜警 / 腐蝕する街

『きょうも夢みる者たちは…』新潮社 1988年

収録作品:ランナーズ・ハイ / 光る荒地

『都市の感触』講談社 1988年

『都市という新しい自然』読売新聞社 1988年

『向う側』成瀬書房 1988年

『モノリス』写真・稲越功一 トレヴィル 1990年

『どこでもないどこか』福武書店 1990年

収録作品:背後には何もないか / ここはアビシニア / 林でない林 / メランコリックなオブジェ / 黒い天使 / 岸辺にて

『断崖の年』中央公論社 1992年 のち文庫

収録作品:東京タワーが救いだった / 牧師館 / 屋上の影たち / 断崖にゆらめく白い掌の群 / 雲海の裂け目

『台風の眼』新潮社 1993年 のち文庫、講談社文芸文庫

『光』文藝春秋 1995年

『聖岩(ホーリー・ロック)』中央公論社 1995年、改題『遥かなるものの呼ぶ声』中公文庫

収録作品:プロローグ / 心の隅の小さな風景 / 塩塊 / 聖岩(文庫:示現 (エピファニー) : 月光のエアーズ・ロック) / 幻影と記号(文庫:聖記号―カッパドキア岩窟群) / 古都(文庫:古都―美と暴力と) / 遥かなるものの呼ぶ声(文庫:遙かなるものの呼ぶ声―タクラマカン砂漠) / カラスのいる神殿(文庫:カラスのいる神殿―慶応義塾大学病院) / 石を運ぶ(文庫:顔のない「私」―秋田大湯環状列石) / 火星の青い花

『生活という癒し』ポーラ文化研究所(POLA seminars) 1996年

『流砂の声』読売新聞社 1996年

『日野啓三短篇選集』上下 読売新聞社 1996年

収録作品(上):向う側 / 此岸の家 / 聖家族 / 天窓のあるガレージ / 夢を走る / 孤独なネコは黒い雪の夢をみる / 七千万年の夜警 / 鏡面界 / 風を讃えよ

収録作品(下):光る荒地 / 林が林でなくなるとき / 黒い天使 / 牧師館 / 断崖にゆらめく白い掌の群 / 火星の青い花 / 古都

『日野啓三自選エッセイ集 魂の光景』集英社 1998年

『天池』講談社 1999年

『梯の立つ都市 冥府と永遠の花』集英社 2001年

収録作品:黒よりも黒く / 先住者たちへの敬意 / 闇の白鳥 / 梯の立つ都市 / 踏切 / 冥府と永遠の花 / ここは地の涯て、ここで踊れ / 大塩湖から来た女性

『落葉 神の小さな庭で』集英社 2002年

収録作品:落葉 / 風が哭く / 薄青く震える秋の光の中で / 日中手話親善大会 / 迷宮庭園 / ある微笑 / デジャ・ヴュ : 背理の感触 / 生成無限 : 転生の賦 / 黒い音符 / 帰郷 / 帰郷(続) / 新たなマンハッタン風景を / 神の小さな庭で

『ユーラシアの風景』ユーラシア旅行社 2002年

『あの夕陽・牧師館』講談社文芸文庫 2002年

収録作品:向う側 / あの夕陽 / 蛇のいた場所 / 星の流れが聞こえるとき / 風を讃えよ / ここはアビシニア / 牧師館 / 示現 (エピファニー) : 月光のエアーズ・ロック

『書くことの秘儀』集英社 2003年

『地下へ ; サイゴンの老人 : ベトナム全短篇集』講談社文芸文庫 2013年

収録作品:向う側 / 広場 / 炎 / 地下へ / デルタにて / 対岸 / ヤモリの部屋 / サイゴンの老人 / 林でない林 / 悪夢の彼方 : ベトナムの夜の底で / "向う側"ということ