富士宮市にある小さなお宿 山げん  小さなお宿の小さな物語 -2ページ目

富士宮市にある小さなお宿 山げん  小さなお宿の小さな物語

富士山のふもと、富士宮市の浅間大社の目の前にある、小さなお宿の小さな物語。
戦後まもなくからこの地に根付き、皆さまに愛され続けてきた「お宿 山げん」
ずっと変わらないあたたかなお宿が、新しく生まれ変わります。

富士宮市にある富士山本宮浅間大社

そのすぐわきにある小さなお宿 山げん

富士宮市の宿泊施設として

昭和の古き時代からこの地に根付き

多くのお客様に愛されてきた小さなお宿が

温かな想いを継承したまま

昨年11月にリニューアル

小さなお宿の小さな物語クローバー

 

お宿 山げん ホームページはこちらから

 

先日お話したキャベツの生産者さんのお話。

思いがけず多くの方からの反響を頂き

“食”について、たくさんの方が興味を持ち

また大切に思っている事を再確認しました。

改めて、知る事の大切さ、伝える事の重要性を感じています。

「富士宮キャベツ」生産者

高橋 寛さん

 

過去ブログ:山げんお食事処で食べられる「富士宮キャベツ」

 

富士宮市の北部にある上井出の畑では

8月収穫予定のキャベツの苗植えが始まっています。

春先に蒔いた種が芽を出し大きくなり

小さなポットから大きな畑に植え替えられていきます。

柔らかな小さな葉っぱがとても初々しく

ピンと伸びている姿はまるで小さな子供たちをみているようでした。

等間隔で畑いっぱいにきれいに植えられていく姿は壮観です。

 

キャベツ作りで一番気を付けなければいけない事は“水”

根っこを濡らしたままにしてしまう事が一番よくないそうです。

だから、この梅雨時期をまたぐキャベツ作りは一番大変なのだそうです。

 

雨が降り、地が固まってしまうと根っこが酸欠になる。

酸欠になっているキャベツは弱っていき、病気に負けてしまう。

そのために、畑に水切りを堀り、濡れた土はこまめにかき混ぜ

空気を入れてあげる。

出来るだけ水のない状態を保ち、土の中のバランスを整えてあげる。

「干ばつに不作なし」

という言葉がある通り、多少の雨は必要でも

梅雨の長雨は小さいキャベツになってしまったり

生産量が落ちてしまったりと

生産者さん達を悩ませてしまうのだそうです。

本来だと涼しい長野県産や群馬県産が出回る夏のキャベツ

暑い8月にこの富士宮で収穫出来るキャベツは

実はとても珍しいのです。

大変な梅雨時期を乗り越え、夏に収穫出来る事が魅力だと

生産者の高橋さんはおっしゃいます。

神奈川県出身の高橋さん。

サラリーマン時代を経て

何か生産的なものをやりたいとずっと思い続けていた。

12年前“農業”と出会い

以来、土と野菜、大自然と向き合い続けている。

彼のこだわりは

“美味しい品種を選び、安定して作る事”

そして

“気に入っている美味しい品種を長い期間で作る事”

富士宮でキャベツを作り始めて7年。

焼きそばの町富士宮で、1年中キャベツが収穫できる事が

彼の強みでもあり誇りでもある。

 

スーパーでも今やコンビニでも

当たり前に簡単にキャベツが低価格で手に入る時代。

休む間も惜しみ、日々働く生産者さんたちがいるからこそ

私たちの食の安全、安定は守られているのだと

改めて感じました。

 

梅雨空が戻ってきた富士宮。

雨と土と懸命に戦う高橋さんの姿を想像しています。

地道な努力、謙虚な想いで

焼きそばの町を支える高橋さん。

そんな彼を、私は心から誇りに思うとともに

このたゆみない歩みを

多くに方に知って頂きたいと切に願っています。

畑のまわりに少し目を向けてみると

小さな自然がひっそりと息づいていました。

甘酸っぱいかわいらしい実は

野山を駆け回った幼少時代を思い出させます。

 

大自然と豊かな実りに恵まれた富士宮。

これからも様々な形で、多くの魅力を

発信し続けたいと思っています。