幼いころ
見上げれば
空は二つあった
広く
広く
届かないほど広い空と
宝石のような
手を伸ばせば届くところに在る
碧い蒼い瞳
もう一人の私を映して
涼し気に微笑んでいる
私は
その人が大好きで
大好きで
いつもその裾を握り
どこへでもついていった
大きな手の平
大きな背中
気を抜けば躓いて
よろけてしまう程
遠い歩幅
息を切らして
苦しくても
ひよこのように
くっついた
いつも途中で
大丈夫と聞かれるけれど
汗の滴る髪を振り払い
あの人の瞳へ
最高の笑顔を映す
あぁ、なんて綺麗なんだろう
あぁ、なんて綺麗なんだろう
まるで私が
あの宝石の中に
閉じ込められているよう
大好きという想いもすべて
閉じ込めているよう
あぁ、ずっとこのままだったなら
良かったのに…
気が付けば
空は一つ
広く
広く
届かないほど広い空
寂しいほど
虚しいほど
青い青いその空を
私は
思い出ともに見上げている
叶わなかった
恋心をぶら下げて
大きな麦藁の影に
涙を隠して…
藍色のワンピースを其の花と共に靡かせながら
一歩、また一歩
大人になっている
いつかまた逢った時
大好きなあなたと
あなたの瞳に
私を輝かせたいと
想いながら
by梟霊
藍:花言葉:『美しく装う』『あなた次第』